二級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問73 (学科3(建築構造) 問23)

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問題

二級建築士試験 令和8年(2026年) 問73(学科3(建築構造) 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 長さ10mの棒材は、常温においては、鋼材の温度が10℃上がると長さが約1mm伸びる。
  • 鋼材の熱伝導率は、ステンレス鋼よりも大きい。
  • 軟鋼は、炭素含有量が多くなると硬質になり、引張強さが大きくなる。
  • 鋼材の比重は、アルミニウム材の比重の約3倍である。
  • 異形棒鋼SD345の引張強さの下限値は、345N/mm2である。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なものは「異形棒鋼SD345の引張強さの下限値は、345N/mm²である。」です。

SD345の「345」は引張強さを表す数値ではなく、降伏点または耐力に関係する数値です。

SD345の引張強さは、490N/mm²以上とされています。したがって、引張強さの下限値を345N/mm²としている点が誤りです。

選択肢1. 長さ10mの棒材は、常温においては、鋼材の温度が10℃上がると長さが約1mm伸びる。

適当な記述です。

鋼材は、温度が上がると膨張して長くなります。

鋼材の線膨張係数を約12×10⁻⁶/℃として計算すると、

伸び=長さ×線膨張係数×温度差

なので、

10m×12×10⁻⁶/℃×10℃

=0.0012m

=1.2mm

となります。

したがって、「約1mm伸びる」という説明で問題ありません。一般的な炭素鋼の熱膨張率は約11.7×10⁻⁶/℃です。

選択肢2. 鋼材の熱伝導率は、ステンレス鋼よりも大きい。

適当な記述です。

熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを表す数値です。

一般的な炭素鋼の熱伝導率は約50W/(m・℃)、ステンレス鋼SUS304では約16.3W/(m・℃)です。

そのため、一般的な鋼材のほうがステンレス鋼より熱を伝えやすいといえます。

選択肢3. 軟鋼は、炭素含有量が多くなると硬質になり、引張強さが大きくなる。

適当な記述です。

一般に鋼は、炭素の含有量が増えると硬くなり、強度も高くなります。

そのため、軟鋼でも炭素含有量が多くなるにつれて、硬さや引張強さが大きくなる傾向があります。

ただし、硬くなる一方で、伸びや加工のしやすさなどは低下する傾向があります。

選択肢4. 鋼材の比重は、アルミニウム材の比重の約3倍である。

適当な記述です。

一般的な鋼材の比重は約7.85、アルミニウム材は約2.7です。

7.85÷2.7≒2.9

となるため、鋼材の比重はアルミニウム材の約3倍です。

このため、同じ体積で比較すると、鋼材はアルミニウム材よりかなり重くなります。

選択肢5. 異形棒鋼SD345の引張強さの下限値は、345N/mm2である。

不適当な記述です。

SD345の機械的性質は、

降伏点または耐力:345~440N/mm²

引張強さ:490N/mm²以上

とされています。

したがって、「345N/mm²」は引張強さの下限値ではありません。

ここでは、降伏点と引張強さを混同しないことが重要です。

まとめ

この問題では、鋼材の熱的な性質、重さ、強度に関する基本的な数値を整理することがポイントです。

鋼材は温度が10℃上昇すると、長さ10mにつき約1mm伸びます。

また、一般的な鋼材はステンレス鋼より熱伝導率が大きく、アルミニウム材と比べると比重は約3倍です。

鋼は一般に炭素含有量が増えるほど硬くなり、引張強さも大きくなる傾向があります。

特に注意したいのがSD345です。

SD345の「345」は引張強さではありません。

SD345では、

降伏点または耐力:345~440N/mm²
引張強さ:490N/mm²以上

です。

したがって、「異形棒鋼SD345の引張強さの下限値は、345N/mm²である。」という記述が最も不適当です。

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