二級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問66 (学科3(建築構造) 問16)

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問題

二級建築士試験 令和8年(2026年) 問66(学科3(建築構造) 問16) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 細長比の大きい部材ほど、座屈の影響により、許容圧縮応力度が小さくなる。
  • クレーン走行桁など、1✕104回を超える繰返し応力を受ける部材及び接合部に対しては、一般に、疲労の検討を行う。
  • 露出柱脚に用いられるアンカーボルトの設計において、柱脚に引張力が作用する場合、一般に、引張力とせん断力との組合せ応力を考慮する必要がある。
  • 側柱や隅柱の埋込み柱脚において、鋼柱から基礎梁のない側の基礎コンクリート端までの距離が小さい場合、パンチングシヤー破壊が生じやすい。
  • 長期に作用する荷重に対する梁材のたわみは、通常の場合ではスパンの1/200以下とし、片持ち梁の場合ではスパンの1/250以下とする。

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この過去問の解説 (1件)

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最も不適当なものは「長期に作用する荷重に対する梁材のたわみは、通常の場合ではスパンの1/200以下とし、片持ち梁の場合ではスパンの1/250以下とする。」です。

鉄骨造の梁について、長期荷重によるたわみの許容値は、一般に、

通常の梁:スパンの1/300以下
片持ち梁:スパンの1/250以下

とします。

したがって、通常の梁を「1/200以下」としている部分が不適当です。国土交通省の建築構造設計基準の資料でも、S造の梁についてこの値が示されています。

選択肢1. 細長比の大きい部材ほど、座屈の影響により、許容圧縮応力度が小さくなる。

適当な記述です。

細長比とは、柱などの圧縮材がどのくらい細長いかを表す値です。

部材が細長くなるほど、圧縮力を受けたときに横へ曲がる座屈が起こりやすくなります。

そのため、細長比が大きくなるほど、座屈の影響を考えて許容圧縮応力度は小さくなります。

選択肢2. クレーン走行桁など、1✕104回を超える繰返し応力を受ける部材及び接合部に対しては、一般に、疲労の検討を行う。

適当な記述です。

クレーン走行桁などでは、荷重が何度も繰り返して作用します。

1回ごとの応力が材料の強度より小さくても、非常に多く繰り返されると、ひび割れなどが少しずつ進んで破壊する場合があります。これを疲労破壊といいます。

そのため、1×10⁴回を超えるような繰返し応力を受ける部材や接合部では、一般に疲労について検討します。

選択肢3. 露出柱脚に用いられるアンカーボルトの設計において、柱脚に引張力が作用する場合、一般に、引張力とせん断力との組合せ応力を考慮する必要がある。

適当な記述です。

露出柱脚では、鉄骨柱と基礎をアンカーボルトで固定しています。

地震などによって柱脚に引張力とせん断力が同時に作用する場合、アンカーボルトにも両方の力が加わります。

そのため、アンカーボルトは引張力だけ、またはせん断力だけを別々に考えるのではなく、両方が同時に作用する場合を考慮して設計する必要があります。実際の設計例でも、引張力とせん断力が同時に作用する場合の検討が行われています。

選択肢4. 側柱や隅柱の埋込み柱脚において、鋼柱から基礎梁のない側の基礎コンクリート端までの距離が小さい場合、パンチングシヤー破壊が生じやすい。

適当な記述です。

埋込み柱脚では、鉄骨柱の下部を基礎コンクリートの中に埋め込んで力を伝えます。

側柱や隅柱では、柱の外側に十分なコンクリートが確保できない場合があります。

鋼柱から基礎コンクリートの端までの距離が小さいと、柱から伝わる力によって周囲のコンクリートが押し抜かれるように壊れるパンチングシヤー破壊が起こりやすくなります。

そのため、側柱・隅柱の埋込み柱脚では、基礎コンクリートの端までの距離や補強に注意が必要です。建築研究所の資料でも、埋込み柱脚ではパンチングシヤー破壊を防ぐことや、側柱・隅柱では適切な補強が必要であることが示されています。

選択肢5. 長期に作用する荷重に対する梁材のたわみは、通常の場合ではスパンの1/200以下とし、片持ち梁の場合ではスパンの1/250以下とする。

不適当な記述です。

鉄骨造の梁では、荷重によって大きくたわむと、床の傾きや仕上げ材の損傷など、使用上の問題が生じることがあります。

そのため、長期に作用する荷重による梁のたわみは、一般に、

通常の場合:スパンの1/300以下
片持ち梁の場合:スパンの1/250以下

を目安とします。

したがって、「通常の場合ではスパンの1/200以下」という部分が誤りです。

まとめ

この問題では、鉄骨構造の座屈、疲労、柱脚、梁のたわみについての基本的な考え方を整理することがポイントです。

細長比が大きい圧縮材は座屈しやすくなるため、許容圧縮応力度は小さくなります。

繰返し応力を多数受ける部材では、疲労破壊について検討します。

露出柱脚のアンカーボルトに引張力とせん断力が同時に作用する場合は、両方を組み合わせて検討します。

また、側柱や隅柱の埋込み柱脚では、柱から基礎コンクリート端までの距離が小さいと、パンチングシヤー破壊に注意が必要です。

梁のたわみについては、

通常の梁:スパンの1/300以下
片持ち梁:スパンの1/250以下

が一般的な目安です。

したがって、「通常の場合ではスパンの1/200以下」とする記述が最も不適当です。

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