二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問86 (学科4(建築施工) 問11)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問86(学科4(建築施工) 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 軽量コンクリートに用いる人工軽量骨材については、運搬によるスランプの低下や圧送による圧力吸水が生じないように、あらかじめ十分に吸水させたものを用いた。
  • 内部振動機によるコンクリートの締固めは、コールドジョイントを防止するために、内部振動機の先端が、先に打ち込まれたコンクリート層へ入るようにほぼ鉛直に挿入した。
  • 初期養生期間におけるコンクリートの最低温度については、コンクリートのいずれの部分についても、2℃以下とならないようにした。
  • 片持ち形式のバルコニーにおいて、跳出し部を支持する構造体部分の強度が十分に発現した後に、跳出し部のコンクリートの打込みを行った。
  • 構造体強度補正値は、特記がなかったので、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温に応じて定めた。

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この過去問の解説 (3件)

01

過去問をしっかり解き覚えましょう。

選択肢1. 軽量コンクリートに用いる人工軽量骨材については、運搬によるスランプの低下や圧送による圧力吸水が生じないように、あらかじめ十分に吸水させたものを用いた。

正しいです。

 

人工軽量骨材は、吸水率が高く、スランプ低下を生じさせるため、あらかじめ十分に吸水させたものを使用します。

選択肢2. 内部振動機によるコンクリートの締固めは、コールドジョイントを防止するために、内部振動機の先端が、先に打ち込まれたコンクリート層へ入るようにほぼ鉛直に挿入した。

正しいです。

 

コンクリート内部振動機は、挿入間隔は60cm以下とし、先に打ち込まれたコンクリート層へ入るように締め固めます。

選択肢3. 初期養生期間におけるコンクリートの最低温度については、コンクリートのいずれの部分についても、2℃以下とならないようにした。

正しいです。

 

打ち込み後5日間以上はコンクリートの温度を2℃以上に保ちます。

選択肢4. 片持ち形式のバルコニーにおいて、跳出し部を支持する構造体部分の強度が十分に発現した後に、跳出し部のコンクリートの打込みを行った。

誤りです。

 

片持ちスラブなどのはね出し部は打ち継ぎ部を設けずに、これを支持する躯体部分と一体打ちにします。

選択肢5. 構造体強度補正値は、特記がなかったので、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温に応じて定めた。

正しいです。

 

構造体強度補正値はコンクリートの打ち込みから材齢28日までの予想平均気温の範囲に応じて決めます。

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02

接合部についてはこれを支持する躯体と一体となるように打ち込みを行います。

(バルコニー、庇、片持ちスラブ、パラペットの立ち上がりなど)

選択肢1. 軽量コンクリートに用いる人工軽量骨材については、運搬によるスランプの低下や圧送による圧力吸水が生じないように、あらかじめ十分に吸水させたものを用いた。

この選択肢は正しいです。

吸水のむらが生じないように、あらかじめ十分に吸収水させることが大切です。

選択肢2. 内部振動機によるコンクリートの締固めは、コールドジョイントを防止するために、内部振動機の先端が、先に打ち込まれたコンクリート層へ入るようにほぼ鉛直に挿入した。

この選択肢は正しいです。

コンクリートの層を貫通させることでコールドジョイントを防止します。

選択肢3. 初期養生期間におけるコンクリートの最低温度については、コンクリートのいずれの部分についても、2℃以下とならないようにした。

この選択肢は正しいです。

初期凍害を受ける恐れのある時は、2℃以下とならないように養生します。

選択肢4. 片持ち形式のバルコニーにおいて、跳出し部を支持する構造体部分の強度が十分に発現した後に、跳出し部のコンクリートの打込みを行った。

この選択肢は誤りです。

接合部についてはこれを支持する躯体と一体となるように打ち込みを行います。

(バルコニー、庇、片持ちスラブ、パラペットの立ち上がりなど)

選択肢5. 構造体強度補正値は、特記がなかったので、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温に応じて定めた。

この選択肢は正しいです。

 

参考になった数1

03

最も不適当なのは、「片持ち形式のバルコニーにおいて、跳出し部を支持する構造体部分の強度が十分に発現した後に、跳出し部のコンクリートの打込みを行った。」です。

片持ち形式のバルコニーは、根元部分に大きな力がかかります。そのため、跳出し部と、それを支える構造体部分との境目に打継ぎを設けるのは好ましくありません。

跳出し部は、これを支持する構造体部分と一緒にコンクリートを打ち込み、打継ぎを設けないのが基本です。現行の施工基準でも、この考え方が採られています。

選択肢1. 軽量コンクリートに用いる人工軽量骨材については、運搬によるスランプの低下や圧送による圧力吸水が生じないように、あらかじめ十分に吸水させたものを用いた。

この記述は適当です。

人工軽量骨材は、内部に多くの細かな空隙があり、水を吸いやすい材料です。

乾いたまま使用すると、コンクリート中の水を吸収してスランプが低下したり、ポンプ圧送時に圧力によって水を吸収したりすることがあります。

そのため、使用する前に十分に吸水させておく必要があります。国土交通省の令和7年版の標準仕様書でも、このように定められています。

選択肢2. 内部振動機によるコンクリートの締固めは、コールドジョイントを防止するために、内部振動機の先端が、先に打ち込まれたコンクリート層へ入るようにほぼ鉛直に挿入した。

この記述は適当です。

コンクリートを何層かに分けて打ち込む場合、上の層と下の層がしっかり一体になることが重要です。

そのため内部振動機は、ほぼ鉛直に差し込み、先に打ち込んだ下のコンクリート層にも先端が入るようにします

これによって新旧のコンクリートがなじみやすくなり、境目が弱くなるコールドジョイントの発生を防ぎます。

選択肢3. 初期養生期間におけるコンクリートの最低温度については、コンクリートのいずれの部分についても、2℃以下とならないようにした。

この記述は適当です。

寒い時期に打ち込んだコンクリートは、十分な強度が出る前に凍結すると、強度や耐久性が低下するおそれがあります。

そのため、寒中コンクリートの初期養生では、コンクリートのすべての部分について、温度が2℃以下にならないように保温することが必要です。

また、初期養生は、所定の圧縮強度に達するまで続けます。

選択肢4. 片持ち形式のバルコニーにおいて、跳出し部を支持する構造体部分の強度が十分に発現した後に、跳出し部のコンクリートの打込みを行った。

この記述が最も不適当です。

片持ち形式のバルコニーでは、先端部分を支える柱などがないため、根元部分に大きな曲げモーメントが生じます

その重要な根元に打継ぎをつくると、一体性が低くなり、ひび割れなどの原因になるおそれがあります。

したがって、支持する構造体部分を先に打ち込み、硬化してから跳出し部を打つのではなく、

跳出し部と、それを支持する構造体部分を一緒に打ち込み、打継ぎを設けない

ようにします。

選択肢5. 構造体強度補正値は、特記がなかったので、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温に応じて定めた。

この記述は適当です。

コンクリートは、気温によって強度の発現のしかたが変わります。気温が低いほど、一般に強度の発現は遅くなります。

このため、構造体強度補正値は、特記がなければ、使用するセメントの種類と、コンクリートの打込みから材齢28日までの予想平均気温に応じて定めます。

国土交通省の令和7年版の標準仕様書でも、この方法が定められています。

まとめ

この問題で特に重要なのは、片持ち部分のコンクリートの打継ぎ位置です。

片持ちバルコニーや片持ち床スラブは、根元部分に大きな力がかかるため、

跳出し部と支持する構造体部分を一緒に打ち込む

根元に打継ぎを設けない

ことが基本です。

あわせて、

人工軽量骨材→あらかじめ十分に吸水させる

内部振動機→先に打ち込んだコンクリート層まで差し込む

寒中コンクリートの初期養生→2℃以下にならないようにする

構造体強度補正値→セメントの種類と材齢28日までの予想平均気温を基準にする

という点も整理しておくとよいです。

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