二級建築士 過去問
令和5年(2023年)
問62 (学科3(建築構造) 問12)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

二級建築士試験 令和5年(2023年) 問62(学科3(建築構造) 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

木造建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 耐力壁両端の柱の接合金物を選定するためのN値法は、当該柱の両側の耐力壁の壁倍率の差、周辺部材の押さえ効果、長期軸力を考慮してN値を決定する方法である。
  • 曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、材せいの1/2以下とする。
  • 四分割法における耐力壁配置のバランスを確認するための壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で除して求める。
  • 工場生産によりたて枠と面材とを接着したパネル壁は、実験や計算で確認された場合において、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に対して抵抗させることができる。
  • 引張力を負担する筋かいとして鉄筋を使用する場合、径が9mm以上のものを使用する。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

最も不適当なものは、

曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、材せいの1/2以下とする。

です。

 

正しくは材せいの1/3以下となります。

選択肢1. 耐力壁両端の柱の接合金物を選定するためのN値法は、当該柱の両側の耐力壁の壁倍率の差、周辺部材の押さえ効果、長期軸力を考慮してN値を決定する方法である。

この選択肢は正しいです。

N値法は、当該柱の両側の耐力壁の壁倍率の差、周辺部材の押さえ効果、長期軸力を考慮してN値を決定する方法のことです。

選択肢2. 曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、材せいの1/2以下とする。

この選択肢は不適当です。

曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合には、切欠きの深さは、材せいの1/3以下とする必要があります。

選択肢3. 四分割法における耐力壁配置のバランスを確認するための壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で除して求める。

この選択肢は正しいです。

四分割法における耐力壁配置のバランスを確認するための壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で除して求めます。

選択肢4. 工場生産によりたて枠と面材とを接着したパネル壁は、実験や計算で確認された場合において、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に対して抵抗させることができる。

この選択肢は正しいです。

工場生産によりたて枠と面材とを接着したパネル壁は、実験や計算で確認された場合において、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に対して抵抗させることができます。

選択肢5. 引張力を負担する筋かいとして鉄筋を使用する場合、径が9mm以上のものを使用する。

この選択肢は正しいです。

引張力を負担する筋かいとして鉄筋を使用する場合、径が9mm以上のものを使用します。

参考になった数36

02

曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、

材せいの1/2以下→×

材せいの1/3以下→〇

 

切り欠きが大きければ大きいほど、断面欠損が増えて危険側になります。

選択肢1. 耐力壁両端の柱の接合金物を選定するためのN値法は、当該柱の両側の耐力壁の壁倍率の差、周辺部材の押さえ効果、長期軸力を考慮してN値を決定する方法である。

この選択肢は正しいです。

耐力壁両端の柱の接合金物を選定するためのN値法は、当該柱の両側の耐力壁の壁倍率の差、周辺部材の押さえ効果、長期軸力を考慮してN値を決定する方法です。

 

N値法とは、耐力壁両側の柱引き抜き力に対して、必要な接合金物の選定に用いる計算方法です。

選択肢2. 曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、材せいの1/2以下とする。

この選択肢は不適当です。

曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、

材せいの1/2以下→×

材せいの1/3以下→〇

 

切り欠きが大きければ大きいほど、断面欠損が増えて危険側になります。

選択肢3. 四分割法における耐力壁配置のバランスを確認するための壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で除して求める。

この選択肢は正しいです。

四分割法における耐力壁配置のバランスを確認するための壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で除して求めます。

 

バランスを確認するための壁率比は、0.5以上

各階はり間方向及び桁行方向を双方ごとに確かめる必要があります。

壁率比の確認が必要ない例外もあるので、調べて覚えておきましょう。

選択肢4. 工場生産によりたて枠と面材とを接着したパネル壁は、実験や計算で確認された場合において、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に対して抵抗させることができる。

この選択肢は正しいです。

工場生産によりたて枠と面材とを接着したパネル壁は、実験や計算で確認された場合において、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に対して抵抗させることができます。

 

ストレスト・スキン効果とは、組みと面材(床や壁など)を一体化させ、強度の高い複合部材とする効果のことです。

選択肢5. 引張力を負担する筋かいとして鉄筋を使用する場合、径が9mm以上のものを使用する。

この選択肢は正しいです。

引張力を負担する筋かいとして鉄筋を使用する場合、径が9mm以上のものを使用します。

参考になった数7

03

最も不適当なのは、「曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、材せいの1/2以下とする。」という記述です。

梁などの曲げ材の支持点付近に、引張側から切欠きを設ける場合、切欠きが深いと、その部分から割れなどが生じやすくなります。

そのため、切欠きの深さは材せいの1/3以下とします。材せいの1/2まで切り欠いてよいわけではありません。国の木造設計資料でも、支持点付近の引張側の切欠きは材せいの1/3以下に制限されています。

選択肢1. 耐力壁両端の柱の接合金物を選定するためのN値法は、当該柱の両側の耐力壁の壁倍率の差、周辺部材の押さえ効果、長期軸力を考慮してN値を決定する方法である。

この記述は適当です。

地震や風によって耐力壁に水平力が加わると、耐力壁の端にある柱には、柱を土台などから引き抜こうとする力が生じます。

N値法は、この引抜き力に耐えられる柱頭・柱脚の接合金物を選ぶための方法です。

計算では、柱の両側にある耐力壁の壁倍率の違いを基本として、周辺の梁などが柱を押さえる効果や、建物の重さによる長期軸力などを考慮します。

N値が大きいほど、より大きな引抜き力に耐えられる接合部が必要になります。国土交通省も、N値を壁倍率などに応じて必要となる引抜きの強さを示す数値として説明しています。

選択肢2. 曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、材せいの1/2以下とする。

この記述が最も不適当です。

梁などの曲げ材では、切欠きをつくると、その部分の断面が小さくなり、力が集中しやすくなります。

特に支持点付近はせん断力が大きく、さらに引張側に切欠きがあると、切欠きの角から割れが進みやすくなります。

そのため、支持点付近の引張側に設ける切欠きの深さは、

材せいの1/3以下

とします。

したがって、「材せいの1/2以下」としている点が不適当です。

選択肢3. 四分割法における耐力壁配置のバランスを確認するための壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で除して求める。

この記述は適当です。

耐力壁は、建物の一方にかたよって配置すると、地震などのときに建物がねじれやすくなります。

四分割法は、建物の端の部分に耐力壁がバランスよく配置されているかを確認する方法です。

壁率比は、

小さいほうの壁量充足率÷大きいほうの壁量充足率

で求めます。

たとえば、一方が0.8、もう一方が1.0なら、

0.8÷1.0=0.8

となります。

壁率比は0.5以上とすることが基本です。

選択肢4. 工場生産によりたて枠と面材とを接着したパネル壁は、実験や計算で確認された場合において、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に対して抵抗させることができる。

この記述は適当です。

ストレスト・スキン効果とは、たて枠などの骨組だけでなく、それに取り付けた面材も一体となって力を負担する効果です。

たて枠と面材をしっかり接着すると、面材も構造の一部として働き、パネル全体の強さや剛性を高めることができます。

その性能が実験や計算によって確認されていれば、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に抵抗させることができます。

選択肢5. 引張力を負担する筋かいとして鉄筋を使用する場合、径が9mm以上のものを使用する。

この記述は適当です。

筋かいは、地震や風による水平力に抵抗するため、柱と梁などの間に斜めに設ける部材です。

引張力を負担する筋かいに鉄筋を使用する場合は、径9mm以上のものとします。

建築基準法施行令の木造に関する基準でも、引張筋かいに用いる鉄筋は径9mm以上とされています。

まとめ

この問題では、木造建築物の構造設計について、耐力壁、梁の切欠き、壁配置、パネル壁、筋かいの基本を理解することがポイントです。

N値法は、耐力壁の端にある柱の引抜き力を考え、必要な接合金物を選ぶために使います。

四分割法の壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で割って求めます。

たて枠と面材を一体化したパネルでは、性能が確認されていればストレスト・スキン効果を利用できます。

また、引張筋かいに鉄筋を使用する場合は、径9mm以上とします。

一方、曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合は、材せいの1/2以下ではなく、1/3以下とする必要があります。

したがって、最も不適当なのは、切欠きの深さを材せいの1/2以下とした記述です。

参考になった数0