二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問64 (学科3(建築構造) 問14)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問64(学科3(建築構造) 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 柱のコンクリート全断面積に対する主筋全断面積の割合は、一般に、0.8%以上とする。
  • 地震時の柱の靱性を確保するために、帯筋としてスパイラル筋を用いることは有効である。
  • 部材の曲げモーメントに対する断面算定においては、一般に、コンクリートの引張応力度を考慮する必要がある。
  • あばら筋は、一般に、梁のひび割れの伸展の防止や、部材のせん断終局強度及び靱性の確保に有効である。
  • 壁板の厚さが200mm以上の壁部材の壁筋は、複配筋(ダブル配筋)とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。
最も不適当なものを選びます。

1.記述は正しいです。
 柱のコンクリート全断面積に対する主筋全断面積の割合は、一般に、0.8%以上とします。

2.記述は正しいです。
 地震時の柱の靱性を確保するために、帯筋としてスパイラル筋を用いることは有効です。

「靭性」とは「材料の粘り強さ」と表現されることが多いです。ある材を変形させたときにすぐに破断するのではなく、ぐーっと伸びてなかなか切れないような性質のことです。


3.記述は誤りです。
 部材の曲げモーメントに対する断面算定においては、一般に、コンクリートの引張応力度を無視します。

4.記述は正しいです。
 あばら筋は、一般に、梁のひび割れの伸展の防止や、部材のせん断終局強度及び靱性の確保に有効です。

5.記述は正しいです。
 壁板の厚さが200mm以上の壁部材の壁筋は、複配筋(ダブル配筋)とします。

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02

正解は3です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→設問の通り正しいです。

鉄筋コンクリート構造の柱の鉄筋量はコンクリート全断面の0.8%以上とする必要があります。

2→設問の通り正しいです。

スパイラル筋を用いることで、135°以上に曲げて定着させる帯筋よりも靭性効果が高まります。

3→コンクリートの引張強度は非常に小さく、圧縮強度の1/10程度であるため、通常の構造設計の場合、ひび割れの発生を考慮して許容引張応力度を無視して考えます。よって、設問の内容は誤りです。

4→設問の通り正しいです。

帯筋やあばら筋は、ひび割れの伸展を防止し、部材のせん断終局強度を大きくする効果があります。

5→設問の通り正しいです。

壁板の厚さが200㎜以上ある場合は、壁筋を複配筋とする必要があります。

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03

最も不適当なのは、「部材の曲げモーメントに対する断面算定においては、一般に、コンクリートの引張応力度を考慮する必要がある。」という記述です。

鉄筋コンクリート部材が曲げを受けると、引張側のコンクリートにはひび割れが生じやすくなります。そのため、一般的な曲げに対する断面算定では、コンクリートの引張抵抗は無視し、引張力は主に鉄筋が負担するものとして考えます。

選択肢1. 柱のコンクリート全断面積に対する主筋全断面積の割合は、一般に、0.8%以上とする。

この記述は適当です。

鉄筋コンクリート造の柱では、柱の強さや粘り強さを確保するため、一定量以上の主筋を入れる必要があります。

一般に、柱の主筋全断面積は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とします。

たとえば、柱のコンクリート全断面積が100,000mm²であれば、主筋全断面積は800mm²以上必要になるという考え方です。

選択肢2. 地震時の柱の靱性を確保するために、帯筋としてスパイラル筋を用いることは有効である。

この記述は適当です。

靱性とは、地震などで大きく変形しても、すぐに壊れずに粘り強く耐える性質のことです。

スパイラル筋は、柱の主筋や内部のコンクリートを連続して囲むように配置されます。

そのため、コンクリートが外側へ広がるのを押さえ、柱の粘り強さを高める効果があります。地震時の柱の靱性を高める方法として有効です。

選択肢3. 部材の曲げモーメントに対する断面算定においては、一般に、コンクリートの引張応力度を考慮する必要がある。

この記述が不適当です。

コンクリートは、押される力には強い一方で、引っ張られる力には弱い材料です。

梁などに曲げモーメントが作用すると、一方の側には圧縮力、反対側には引張力が生じます。

引張側のコンクリートにはひび割れが生じやすいため、一般的な鉄筋コンクリート部材の曲げに対する断面算定では、引張側のコンクリートの抵抗は無視して考えます。

引張力は主として鉄筋が負担し、コンクリートは主として圧縮力を負担します。

したがって、「コンクリートの引張応力度を考慮する必要がある」としている点が誤りです。

選択肢4. あばら筋は、一般に、梁のひび割れの伸展の防止や、部材のせん断終局強度及び靱性の確保に有効である。

この記述は適当です。

あばら筋は、梁の主筋を囲むように配置する鉄筋です。

梁に大きなせん断力が作用すると、斜め方向のひび割れが生じることがあります。

あばら筋には、そのひび割れが大きく広がることを防ぎ、梁のせん断耐力を高める役割があります。

また、急激な破壊を防ぎ、部材の粘り強さを高めるため、せん断終局強度や靱性の確保にも有効です。

選択肢5. 壁板の厚さが200mm以上の壁部材の壁筋は、複配筋(ダブル配筋)とする。

この記述は適当です。

複配筋とは、壁の両側に鉄筋を配置する方法です。

壁が厚くなると、片側だけに鉄筋を配置するよりも、両面に鉄筋を配置したほうが、曲げやひび割れなどに対して有効に働きます。

そのため、壁板の厚さが200mm以上の場合は、壁筋を複配筋とするのが一般的です。

まとめ

この問題では、鉄筋とコンクリートがそれぞれどのような力を負担するのかを理解することがポイントです。

柱の主筋量は、一般にコンクリート全断面積の0.8%以上とします。

スパイラル筋は柱の靱性を高め、あばら筋は梁のせん断耐力や靱性を高める働きがあります。

また、厚さ200mm以上の壁では、壁筋を両側に配置する複配筋とします。

一方、鉄筋コンクリート部材の曲げに対する断面算定では、引張側のコンクリートはひび割れるものとして、その引張抵抗を一般に無視します。

したがって、「コンクリートの引張応力度を考慮する必要がある」とする記述が最も不適当です。

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