二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問65 (学科3(建築構造) 問15)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問65(学科3(建築構造) 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造における配筋に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鉄筋の重ね継手を、部材応力及び鉄筋の応力度の小さい箇所に設けた。
  • D35の異形鉄筋の継手を、重ね継手とした。
  • 柱のせん断補強筋比を、0.2%とした。
  • 梁の圧縮鉄筋は、長期荷重によるクリープたわみの抑制及び地震時における靱性の確保に有効であることから、全スパンにわたって複筋梁とした。
  • ラーメン構造の中間階にある内柱の柱梁接合部において、大梁主筋を通し配筋としたので、地震時の接合部内における大梁主筋の付着応力度の検討を行った。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。
最も不適当なものを選びます。

1.記述は正しいです。
 鉄筋の重ね継手は、部材応力及び鉄筋の応力度の小さい箇所に設けます。

2.記述は誤りです。
 D35 以上の異形鉄筋の継手を、重ね継手としてはいけません。

鉄筋径が太くなることで、かぶりコンクリートの付着割裂が生じやすくなるためです。

3.記述は正しいです。
 柱・はりのせん断補強筋比(帯筋比、あばら筋比)は 0.2%以上です。

4.記述は正しいです。
 全スパンにわたって複筋梁とすることは、長期荷重によるクリープたわみの抑制及び地震時における靱性の確保に有効です。
 クリープとは、物応力を作用させた状態において,弾性ひずみ及び乾燥収縮ひずみを除いたひずみが時間とともに増大していく現象のことです。

たわみが徐々に増加することをクリープたわみと呼びます。

(「JIS A コンクリート用語 0203:2019 クリープ」より)

5.記述は正しいです。
 ラーメン構造の中間階にある内柱の柱梁接合部において、大梁主筋を通し配筋とした場合、地震時の接合部内における大梁主筋の付着応力度の検討を行う必要があります。

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02

正解は2です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→設問の通り正しいです。鉄筋の継手部分は弱点となるため、応力度の小さい箇所に設けます。

2→重ね継手に関する規定として、D35以上の鉄筋はガス圧接等で接合し、重ね継手を用いてはいけません。よって、設問の内容は誤りです。

3→設問の通り正しいです。柱のせん断補強筋比は0.2%以上です。

4→設問の通り正しいです。梁の圧縮側の鉄筋が応力を負担することによりコンクリートのクリープが軽減されます。主要な梁は全スパン複筋梁とします。

5→設問の通り正しいです。ラーメン構造の中間階にある内柱の柱梁接合部には引張と圧縮の軸力がかかるため、付着応力度を確かめる必要があります。

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03

最も不適当なのは、「D35の異形鉄筋の継手を、重ね継手とした。」という記述です。

鉄筋の重ね継手は、鉄筋とコンクリートとの付着によって力を伝えます。しかし、太い鉄筋では付着によるひび割れなどが生じやすくなるため、D35以上の異形鉄筋には、原則として重ね継手を用いません。

ガス圧接継手や機械式継手などを用います。国土交通省の公共建築工事の標準仕様でも、D35以上の異形鉄筋には原則として重ね継手を用いないとされています。

選択肢1. 鉄筋の重ね継手を、部材応力及び鉄筋の応力度の小さい箇所に設けた。

この記述は適当です。

鉄筋の継手は、鉄筋を途中でつなぐ部分なので、継手のない部分と比べて弱点になりやすいところです。

そのため、できるだけ部材に生じる力や鉄筋の応力度が小さい位置に継手を設けるのが基本です。

大きな引張力などが生じる場所を避けることで、継手部分に大きな負担が集中することを防ぎます。

選択肢2. D35の異形鉄筋の継手を、重ね継手とした。

この記述が不適当です。

重ね継手は、2本の鉄筋を一定の長さだけ重ね、鉄筋と周囲のコンクリートとの付着によって力を伝える方法です。

しかし、D35のような太い鉄筋では、大きな力をコンクリートへ伝えることになり、付着によって周囲のコンクリートが割れるおそれが大きくなります。

そのため、D35以上の異形鉄筋には、原則として重ね継手を用いません。

一般には、ガス圧接継手や機械式継手などを用います。

選択肢3. 柱のせん断補強筋比を、0.2%とした。

この記述は適当です。

柱のせん断補強筋は、柱を横方向に囲む帯筋などのことで、地震などによるせん断破壊を防ぐ役割があります。

柱のせん断補強筋比は、一般に0.2%以上とします。

0.2%は必要な下限値を満たしているため、この設定で問題ありません。国土交通省の構造基準でも、帯鉄筋比を0.2%以上とする基準が示されています。

選択肢4. 梁の圧縮鉄筋は、長期荷重によるクリープたわみの抑制及び地震時における靱性の確保に有効であることから、全スパンにわたって複筋梁とした。

この記述は適当です。

複筋梁とは、梁の引張側だけでなく、圧縮側にも主筋を配置した梁です。

コンクリートに長期間荷重がかかると、時間の経過とともに変形が増える「クリープ」が起こります。圧縮側に鉄筋を入れることで、コンクリートだけに圧縮力が集中することを抑え、長期的なたわみを小さくする効果があります。

また、地震によって曲げの向きが反対になった場合には、それまで圧縮側だった鉄筋が引張側として働くことができます。

このため、複筋梁とすることは、クリープたわみの抑制や地震時の靱性の確保に有効です。

選択肢5. ラーメン構造の中間階にある内柱の柱梁接合部において、大梁主筋を通し配筋としたので、地震時の接合部内における大梁主筋の付着応力度の検討を行った。

この記述は適当です。

ラーメン構造の柱梁接合部では、大梁の主筋が柱の中を通り抜けるように配置されることがあります。

地震時には、梁の左右で大きな曲げが生じ、繰り返し力を受けることで、柱梁接合部の中にある大梁主筋とコンクリートとの間に大きな付着力が必要になります。

付着が不足すると、鉄筋がコンクリートの中ですべるような状態となり、梁や接合部が十分な力を伝えられなくなります。

そのため、通し配筋とした場合には、接合部内の大梁主筋について付着が十分かを検討することが必要です。柱梁接合部で梁主筋の付着破壊が起こると、梁が負担できる曲げモーメントが小さくなることも示されています。

まとめ

この問題では、鉄筋の継手や補強筋、梁・柱梁接合部の配筋方法を理解することがポイントです。

鉄筋の継手は、できるだけ応力の小さい場所に設けます。また、柱のせん断補強筋比は一般に0.2%以上とします。

梁を複筋梁とすることは、長期荷重によるクリープたわみを抑え、地震時の粘り強さを確保するために有効です。柱梁接合部で大梁主筋を通し配筋する場合には、鉄筋とコンクリートが十分に力を伝えられるよう、付着について確認する必要があります。

一方、D35以上の太い異形鉄筋には、原則として重ね継手を用いません。したがって、「D35の異形鉄筋を重ね継手とした」という記述が最も不適当です。

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