二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問42 (学科2(建築法規) 問17)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問42(学科2(建築法規) 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の高さの制限又は日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等及び地形の特殊性に関する特定行政庁の定め等は考慮しないものとする。
  • 用途地域の指定のない区域においては、地方公共団体の条例で日影規制の対象区域とすることができない。
  • 第二種低層住居専用地域内においては、隣地高さ制限は適用されない。
  • 第一種中高層住居専用地域内にある高さ10mを超える建築物において、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、日影規制は適用されない。
  • 第二種中高層住居専用地域のうち、日影規制の対象区域内においては、北側高さ制限は適用されない。
  • 高架の工作物内に設ける建築物で特定行政庁が周囲の状況により交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、道路高さ制限は適用されない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→法第56条の2第1項、法別表第4(い)欄4の項より、用途地域の指定のない区域でも日影規制の対象区域となります。よって誤りです。

2→法第56条第1項第2号に該当しないため、正しいです。

3→法第56条の2第1項ただし書きより、正しいです。

4→法第56条第1項第3号かっこ書きより、正しいです。

5→法第57条第1項より、正しいです。

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02

建築物の高さの制限又は日影規制に関しては法第56条から法第57条を主に確認します。

選択肢1. 用途地域の指定のない区域においては、地方公共団体の条例で日影規制の対象区域とすることができない。

法第56条の2第1項、法別表第4(い)第4号より、用途地域の指定のない区域も日影規制の対象となります。

選択肢2. 第二種低層住居専用地域内においては、隣地高さ制限は適用されない。

法第56条には建築物の各部分の高さの制限について記載されていますが、隣地に関しての記載がある法第56条第1項第2号に第二種低層住居専用地域が該当しないため、隣地高さ制限は適用されません。

選択肢3. 第一種中高層住居専用地域内にある高さ10mを超える建築物において、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、日影規制は適用されない。

法第56条の2第1項には日影による中高層の建築物の高さの制限について記載されており、後半部分のただし書きにより、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、日影規制は適用されません。

選択肢4. 第二種中高層住居専用地域のうち、日影規制の対象区域内においては、北側高さ制限は適用されない。

法第56条第1項第3号に北側高さ制限についての記載がありますが、かっこ書きにより第二種中高層住居専用地域は除かれています。

選択肢5. 高架の工作物内に設ける建築物で特定行政庁が周囲の状況により交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、道路高さ制限は適用されない。

法第57条に高架の工作物内に設ける建築物に関する記載があります。設問は法第57条第1項に当てはまります。

まとめ

高さの制限又は日影規制では法別表第3、法別表第4の確認が必要になることもあります。表の見方を確認しておきましょう。

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03

誤っているのは、「用途地域の指定のない区域においては、地方公共団体の条例で日影規制の対象区域とすることができない。」という記述です。

用途地域の指定がない区域であっても、建築基準法別表第四に定められた区域について、地方公共団体が条例で指定すれば、日影規制の対象区域とすることができます

国土交通省の資料でも、「用途地域の指定のない区域においては、地方公共団体の条例で日影規制の対象区域とすることができる」とされています。

したがって、「対象区域とすることができない」としている点が誤りです。

各選択肢

選択肢1. 用途地域の指定のない区域においては、地方公共団体の条例で日影規制の対象区域とすることができない。

この記述は誤りです。

日影規制は、建築基準法第56条の2により、別表第四に定める地域や区域の全部または一部について、地方公共団体が条例で対象区域を指定することで適用されます

この別表第四には、用途地域の指定のない区域も含まれています。

したがって、用途地域が指定されていないからといって、日影規制を設けられないわけではありません。

正しくは、

用途地域の指定のない区域でも、条例で指定すれば日影規制の対象区域とすることができる

となります。

選択肢2. 第二種低層住居専用地域内においては、隣地高さ制限は適用されない。

この記述は適切です。

隣地高さ制限は、建築物が隣の敷地に対して高くなりすぎることを抑えるための斜線制限です。

しかし、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域では、そもそも建築物に10mまたは12mの絶対高さ制限があり、さらに北側高さ制限もあります。

そのため、第二種低層住居専用地域には隣地高さ制限は適用されません

建築基準法第56条の隣地高さ制限の対象地域にも、第一種・第二種低層住居専用地域は含まれていません。

選択肢3. 第一種中高層住居専用地域内にある高さ10mを超える建築物において、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、日影規制は適用されない。

この記述は適切です。

第一種中高層住居専用地域のうち条例で指定された区域では、高さ10mを超える建築物は日影規制の対象になります。

ただし、建築基準法第56条の2には例外があります。

特定行政庁が、

土地の状況などから周囲の居住環境を害するおそれがない

と認め、さらに、

建築審査会の同意を得て許可した場合

には、日影規制を適用しないことができます。

したがって、この記述は適切です。

選択肢4. 第二種中高層住居専用地域のうち、日影規制の対象区域内においては、北側高さ制限は適用されない。

この記述は適切です。

第一種・第二種中高層住居専用地域では、通常、北側の住宅の日照などを守るために北側高さ制限があります。

ただし、これらの地域のうち、日影規制の対象区域となっている区域では、北側高さ制限は適用されません

つまり、第二種中高層住居専用地域では、

日影規制の対象区域外=北側高さ制限あり

日影規制の対象区域内=北側高さ制限なし

と整理すると分かりやすいです。国土交通省の資料でも、日影規制の対象区域内の第一種・第二種中高層住居専用地域では北側高さ制限が適用されないことが確認できます。

選択肢5. 高架の工作物内に設ける建築物で特定行政庁が周囲の状況により交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、道路高さ制限は適用されない。

この記述は適切です。

建築基準法第57条では、高架の工作物内に設ける建築物について、特定行政庁が周囲の状況を確認し、

交通上

安全上

防火上

衛生上

支障がないと認めた場合には、高さに関する一定の規定を適用しないこととしています。

その対象には、建築基準法第56条の道路高さ制限も含まれます。

したがって、この記述は適切です。

まとめ

この問題では、道路高さ制限・隣地高さ制限・北側高さ制限・日影規制の適用範囲と例外を区別することがポイントです。

特に重要なのは、用途地域が指定されていない区域の日影規制です。

用途地域の指定がなくても、地方公共団体が条例で指定すれば日影規制の対象区域とすることができます

また、

第二種低層住居専用地域=隣地高さ制限は適用されない

日影規制=特定行政庁の許可などにより適用除外となる場合がある

第二種中高層住居専用地域の日影規制対象区域=北側高さ制限は適用されない

一定の高架工作物内の建築物=道路高さ制限などを適用しない場合がある

という点も整理しておくとよいです。

したがって、「用途地域の指定のない区域では、条例によって日影規制の対象区域とすることができない」とする記述が誤りです。

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