二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問33 (学科2(建築法規) 問8)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問33(学科2(建築法規) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

荷重及び外力に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。
  • 保有水平耐力計算により、建築物の地上部分に作用する地震力について、必要保有水平耐力を計算する場合、標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。
  • 床の積載荷重については、実況に応じて計算しない場合、室の種類と構造計算の対象に応じて定められた数値に床面積を乗じて計算することができる。
  • 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。
  • 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

全ての設問が構造計算に関わる問題になっています。建築基準法施工令第3章第8節に構造計算の記載があります。

選択肢1. 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。

令第82条第2号の表を確認します。短期に生ずる力・地震時・多雪区域における場合を確認すると、G+P+0.35S+Kとあり、Sは積雪荷重によって生ずる力を表しています。

選択肢2. 保有水平耐力計算により、建築物の地上部分に作用する地震力について、必要保有水平耐力を計算する場合、標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。

令82条の3第2号と令第88条を確認します。

令第88条第3項では、令82条の3第2号の規定により必要保有水平耐力を計算する場合は、標準せん断力係数は1.0以上としなければならないとあります。

令82条の3第2号とは、地震力に対する各階の必要保有水平耐力の計算について記載されています。

よって設問は誤りとなります。

選択肢3. 床の積載荷重については、実況に応じて計算しない場合、室の種類と構造計算の対象に応じて定められた数値に床面積を乗じて計算することができる。

令第85条第1項の積載荷重についてを確認します。

建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければなりませんが、令第85条第1項の表に当てはまる室(=実況に応じて計算しない場合)は、室の種類と構造計算の対象に応じて定められた数値に床面積を乗じて計算することができます。

選択肢4. 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。

令第87条の風圧力についてを確認します。

設問については、令第87条第3項が当てはまります。

選択肢5. 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。

令第86条の積雪荷重についてを確認します。

設問は令第86条第6項が当てはまります。

まとめ

積雪時や地震時、長期に生ずる力か短期に生ずる力など力の種類や状態をよく確認して問題を解いていきましょう。

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02

正解は2です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→令第82条第2号の表より、正しいです。

2→令第88条第3項より、標準せん断力係数は1.0以上としなければならないため、誤りです。

3→令第85条第1項より、正しいです。

4→令第87条第3項より、正しいです。

5→令第86条第6項より、正しいです。

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03

誤っているのは、「保有水平耐力計算により、建築物の地上部分に作用する地震力について、必要保有水平耐力を計算する場合、標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。」という記述です。

通常の地震力を計算する場合、標準せん断力係数は原則として0.2以上とします。

しかし、必要保有水平耐力を計算する場合は、標準せん断力係数を1.0以上としなければなりません。

したがって、「0.2以上」としている点が誤りです。建築基準法施行令第88条第3項に、この基準が定められています。

選択肢1. 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。

この記述は適切です。

多雪区域では、地震が起きたときに屋根などに雪が積もっている可能性があります。

そのため、地震時の短期応力度を計算するときは、

G+P+0.35S+K

として、積雪荷重の一部も考慮します。

ここで、

G=固定荷重

P=積載荷重

S=積雪荷重

K=地震力

です。

したがって、多雪区域では地震時にも積雪荷重を考慮するという記述は適切です。

選択肢2. 保有水平耐力計算により、建築物の地上部分に作用する地震力について、必要保有水平耐力を計算する場合、標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。

この記述は誤りです。

標準せん断力係数は、通常の地震力を計算するときには原則として、

0.2以上

とします。

しかし、必要保有水平耐力を計算する場合は、より大きな地震に対して建築物が倒壊しないための強さを確認します。

そのため、この場合の標準せん断力係数は、

1.0以上

としなければなりません。

つまり、

通常の地震力の計算=0.2以上

必要保有水平耐力の計算=1.0以上

と区別することが重要です。

選択肢3. 床の積載荷重については、実況に応じて計算しない場合、室の種類と構造計算の対象に応じて定められた数値に床面積を乗じて計算することができる。

この記述は適切です。

積載荷重とは、人、家具、荷物などによって床にかかる荷重です。

原則として、実際の使用状況に応じて計算します。

ただし、建築基準法施行令では、住宅の居室、事務室、教室などについて、室の種類と構造計算の対象ごとに定められた単位面積当たりの荷重を使うことができます

その数値に床面積を掛けることで積載荷重を求めます。

選択肢4. 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。

この記述は適切です。

風圧力は、基本的に速度圧×風力係数によって求めます。

建築物の近くに別の建築物や防風林などがあり、対象となる建築物への風を有効にさえぎっている場合には、その方向の風の影響が小さくなります。

そのため、建築基準法施行令では、このような場合に速度圧を通常の値の1/2まで減らすことができるとされています。

選択肢5. 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。

この記述は適切です。

雪下ろしを日常的に行う地域では、屋根に大量の雪が積もったままになるとは限りません。

そのため、雪下ろしを行う慣習がある地方では、垂直積雪量が1mを超える場合でも、実際の雪下ろしの状況に応じて、垂直積雪量を1mまで減らして積雪荷重を計算することができます

ただし、この軽減を使った建築物では、雪下ろしに関する必要な事項を建築物の見やすい場所に表示する必要があります。

まとめ

この問題では、建築基準法における積雪荷重・地震力・積載荷重・風圧力の扱いを区別することがポイントです。

特に重要なのは、標準せん断力係数です。

通常の地震力の計算=0.2以上

必要保有水平耐力の計算=1.0以上

となります。

また、

多雪区域の地震時=積雪荷重の一部を考慮する

積載荷重=室の種類などに応じた数値×床面積で計算できる

風を有効にさえぎる建築物などがある場合=速度圧を1/2まで減らせる

雪下ろしの慣習がある地域=条件により垂直積雪量を1mまで減らせる

という点も整理しておくとよいです。

したがって、必要保有水平耐力を計算するときの標準せん断力係数を「0.2以上」とした記述が誤りです。

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