二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問34 (学科2(建築法規) 問9)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問34(学科2(建築法規) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の防火区画、防火壁等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 主要構造部を準耐火構造とした4階建ての共同住宅で、メゾネット形式の住戸(住戸の階数が2で、かつ、床面積の合計が130m2であるもの)においては、住戸内の階段の部分とその他の部分とを防火区画しなくてもよい。
  • 2階建て、延べ面積が1,100m2の展示場で、耐火建築物及び準耐火建築物以外のものは、床面積の合計1,000m2以内ごとに防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。
  • 2階建ての建築物(各階の床面積が300m2)で、1階が幼保連携型認定こども園、2階が事務所であるものは、幼保連携型認定こども園の部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。
  • 防火壁に設ける開口部の幅及び高さは、それぞれ2.5m以下とし、かつ、これに特定防火設備で所定の構造であるものを設けなければならない。
  • 配電管が準耐火構造の防火区画の壁を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

耐火や防火といった似た言葉や、建物の種類によって異なる基準に注意して解きましょう。

選択肢1. 主要構造部を準耐火構造とした4階建ての共同住宅で、メゾネット形式の住戸(住戸の階数が2で、かつ、床面積の合計が130m2であるもの)においては、住戸内の階段の部分とその他の部分とを防火区画しなくてもよい。

防火区画については令第112条を確認します。

令第112条第11項第2号より、共同住宅であり、その階数が3以下で床面積の合計が200㎡以内であり、階段の部分に当てはまります。

選択肢2. 2階建て、延べ面積が1,100m2の展示場で、耐火建築物及び準耐火建築物以外のものは、床面積の合計1,000m2以内ごとに防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。

法第26条により、延べ面積が1000㎡を超える建築物は、床面積の合計1000㎡以内ごとに防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければななりません。

耐火建築物又は準耐火建築物についてはこの限りではないため、注意しましょう。

選択肢3. 2階建ての建築物(各階の床面積が300m2)で、1階が幼保連携型認定こども園、2階が事務所であるものは、幼保連携型認定こども園の部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。

幼保連携型認定こども園は特殊建築物に当たりますが、設問では幼保連携型認定こども園の部分が1階にあるため、法第27条の適用対象にはなりません。

そのため、令第112条第18項による異種用途区画は不要です。

選択肢4. 防火壁に設ける開口部の幅及び高さは、それぞれ2.5m以下とし、かつ、これに特定防火設備で所定の構造であるものを設けなければならない。

令第113条第1項第4号に当てはまります。

「前条第19項第1号」とは、特定防火設備についてを指します。

選択肢5. 配電管が準耐火構造の防火区画の壁を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

防火区画については令第112条を確認します。

令第112条第20項より、配電管が準耐火構造の防火区画の壁を貫通する場合は、モルタルその他の不燃材料で埋めなければなりません。

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02

正解は3です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→令第112条第11項第2号より、正しいです。

2→法第26条柱書より、正しいです。

3→令第115条の3第1号の規定より、幼保連携型認定こども園は特殊建築物ですが、設問では法第27条の適用はないので、防火区画しなくてもよいので、誤りです。

4→令第113条第1項第4号より、正しいです。

5→令第112条第20項より正しいです。

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03

誤っているのは、「2階建ての建築物(各階の床面積が300m²)で、1階が幼保連携型認定こども園、2階が事務所であるものは、幼保連携型認定こども園の部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。」という記述です。

幼保連携型認定こども園は、建築基準法上、特殊建築物として扱われます。ただし、この建築物では認定こども園が1階だけにあり、建築基準法第27条の規制対象となる条件に当たりません。

異なる用途の部分を防火区画する「異種用途区画」は、建築物の一部が建築基準法第27条の対象となる場合などに必要です。したがって、この条件だけでは、1階の認定こども園と2階の事務所との間を防火区画する義務はありません。

選択肢1. 主要構造部を準耐火構造とした4階建ての共同住宅で、メゾネット形式の住戸(住戸の階数が2で、かつ、床面積の合計が130m2であるもの)においては、住戸内の階段の部分とその他の部分とを防火区画しなくてもよい。

この記述は適切です。

主要構造部を準耐火構造とした建築物では、原則として、階段など上下の階につながる部分は、火や煙が広がりやすいため、その他の部分と防火区画する必要があります。

ただし、共同住宅の一つの住戸の中で、

住戸の階数が3以下

かつ、

住戸の床面積の合計が200m²以内

である場合、その住戸内の階段などは、この防火区画の対象から除かれます。

この住戸は2層のメゾネットで、床面積の合計も130m²なので、この条件を満たしています。したがって、住戸内の階段部分をその他の部分と防火区画しなくてもよいことになります。

選択肢2. 2階建て、延べ面積が1,100m2の展示場で、耐火建築物及び準耐火建築物以外のものは、床面積の合計1,000m2以内ごとに防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。

この記述は適切です。

建築基準法では、原則として、延べ面積が1,000m²を超える建築物は、1,000m²以内ごとに防火壁または防火床で区画しなければなりません。

ただし、耐火建築物や準耐火建築物などは、この規定の対象外となる場合があります。

この建築物は、

延べ面積1,100m²>1,000m²

であり、耐火建築物でも準耐火建築物でもないため、1,000m²以内ごとに防火壁または防火床で区画する必要があります。

選択肢3. 2階建ての建築物(各階の床面積が300m2)で、1階が幼保連携型認定こども園、2階が事務所であるものは、幼保連携型認定こども園の部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。

この記述は誤りです。

幼保連携型認定こども園は、建築基準法上、児童福祉施設等として特殊建築物に含まれます。

しかし、特殊建築物であれば必ず他の用途との間を防火区画するわけではありません。

異種用途区画が必要となるのは、建築物の一部が建築基準法第27条の対象となる場合などです。

幼保連携型認定こども園は、法別表第1(い)欄(二)項の用途として扱われます。この種類の特殊建築物について、法第27条では、たとえばその用途が3階以上にある場合や、一定の場合に2階部分の床面積が300m²以上となる場合などが規制対象になります。

この建築物では、

1階=幼保連携型認定こども園

2階=事務所

です。

つまり、認定こども園の部分は2階にも3階以上にもありません。

したがって、この条件では認定こども園部分が法第27条の対象とはならず、認定こども園と事務所との間に異種用途区画を設ける義務はありません

選択肢4. 防火壁に設ける開口部の幅及び高さは、それぞれ2.5m以下とし、かつ、これに特定防火設備で所定の構造であるものを設けなければならない。

この記述は適切です。

防火壁は、火災が建築物の別の部分へ広がることを防ぐための壁です。

そのため、防火壁に大きな開口部を自由に設けることはできません。

防火壁に設ける開口部は、

幅2.5m以下

高さ2.5m以下

とし、その開口部には、所定の性能をもつ特定防火設備を設けなければなりません。

選択肢5. 配電管が準耐火構造の防火区画の壁を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

この記述は適切です。

防火区画の壁に配電管などを通すと、管の周囲に隙間ができます。

その隙間をそのままにすると、火や煙が反対側へ通り抜け、防火区画としての役割が弱くなってしまいます。

そのため、配電管などが準耐火構造の防火区画を貫通するときは、管と防火区画との隙間をモルタルなどの不燃材料で埋める必要があります。

建築基準法施行令第112条第20項にも、この処理が定められています。

まとめ

この問題では、どのような場合に防火区画が必要になるのかを区別することがポイントです。

特に異種用途区画では、単に建築物の中に異なる用途があるだけで、必ず区画が必要になるわけではありません。

今回の幼保連携型認定こども園は1階にあり、2階は事務所です。この条件では認定こども園部分が建築基準法第27条の対象にならないため、認定こども園と事務所との間に異種用途区画を設ける義務はありません

また、

200m²以内などの条件を満たす共同住宅の住戸内階段=竪穴区画を省略できる

耐火・準耐火建築物以外で延べ面積1,000m²超=原則として1,000m²以内ごとに防火壁または防火床で区画

防火壁の開口部=幅・高さとも2.5m以下

配電管が防火区画を貫通する隙間=モルタルなどの不燃材料で埋める

という点もあわせて整理しておくとよいです。

したがって、1階の幼保連携型認定こども園と2階の事務所を防火区画しなければならないとしている記述が誤りです。

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