二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問86 (学科4(建築施工) 問11)
問題文
鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
二級建築士試験 令和元年(2019年) 問86(学科4(建築施工) 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
※ <改題>
2022年JASS5 鉄筋コンクリート工事標準仕様書 が改正されました。これに伴い元となる選択肢文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。<参考>(改定図書)、<参考>(改定の内容について)
- 柱の配筋において、最上階の柱頭の四隅にある主筋には、フックを設けた。
- 鉄筋の加工寸法の検査は、加工種別ごとに搬入時の最初の一組について行った。
-
梁の配筋において、鉄筋のかぶり厚さを確保するためのスペーサーの配置は、特記がなかったので、間隔を1.5 m程度とし、端部については0.5 m以内となるようにした。
- D19の異形鉄筋の端部に設ける180度フックにおいて、折り曲げた余長を3dとした。
- ガス圧接継手において、外観検査の結果、ふくらみの直径や長さが規定値を満たさず不合格となった圧接部は、再加熱・加圧して修正した。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「D19の異形鉄筋の端部に設ける180度フックにおいて、折り曲げた余長を3dとした。」です。
記述は正しいです
フックを要する主な部分は、柱の出隅・せん断補強筋・片持ち梁や片持ちスラブの先端などになります。
記述は正しいです
鉄筋の加工寸法検査は、所定の規定寸法であることを基準とし、スケールなどで計測して検査をします。
梁の配筋において、鉄筋のかぶり厚さを確保するためのスペーサーの配置は、特記がなかったので、間隔を1.5 m程度とし、端部については0.5 m以内となるようにした。
記述は正しいです
梁の配筋のスペーサーは、間隔をおおむね1.5 mとし、端部は0.5 m以内とします。
スラブのスペーサーは、上端配筋・下端配筋ともに約1.3 個/㎡(0.9 m間隔、端部0.1 m以内)を目安に設置します。
スペーサーの材質は鋼製・コンクリート製・モルタル製とし、側面用に限ってプラスチック製を用いても差し支えありません。
記述は誤りです
180度折り曲げ鉄筋の余長は4d以上、135度折り曲げの場合は6d以上、90度折り曲げでは10d以上となります。
記述は正しいです
圧接の軸ずれが既定値を超えたり、著しい圧接部の不良がみられる場合などは、圧接部分を切り取ったうえで、再圧接して修正します。
※2022年JASS5 鉄筋コンクリート工事標準仕様書 の改正に伴い、解説文を一部修正しました。
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02
以下で解説します。
正しい記述です。
最上階の柱頭の四隅にある主筋には、フックを設けます。
正しい記述です。
鉄筋の加工寸法の検査を、加工種別ごとに搬入時の最初の一組について行うのは適切な手順です。
梁の配筋において、鉄筋のかぶり厚さを確保するためのスペーサーの配置は、特記がなかったので、間隔を1.5 m程度とし、端部については0.5 m以内となるようにした。
正しい記述です。
梁の配筋のスペーサーは、間隔を1.5 m程度とし、端部は0.5 m以内とします。
不適当な記述です。
鉄筋の折曲げ形状が180度フックの場合余長を4d以上とします。135度フックの場合余長6d以上、90度フックの場合余長8d以上となります。
正しい記述です。
ふくらみの直径や長さが規定値を満たさず不合格となった圧接部は、再加熱・再加圧することができます。
※2022年JASS5 鉄筋コンクリート工事標準仕様書 の改正に伴い、解説文を一部修正しました。
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03
最も不適当なのは、「D19の異形鉄筋の端部に設ける180度フックにおいて、折り曲げた余長を3dとした。」という記述です。
鉄筋の180度フックでは、折り曲げた後の直線部分である余長を4d以上とする必要があります。
D19の場合は、
19mm×4=76mm以上
が必要です。
したがって、3d、つまり57mmとしたのでは余長が不足しています。
なお、この問題は2022年版JASS 5の改定に合わせて、梁のスペーサーの端部位置が従来の内容から修正されています。現在は、梁のスペーサーは端部0.5m以内、その他は1.5m程度とする扱いです。
この記述は適切です。
最上階では柱の上にさらに柱が続かないため、柱主筋の上端を適切に定着させる必要があります。
特に、最上階の柱頭の四隅にある主筋にはフックを設けることが標準的な納まりです。公共建築工事の配筋標準でも、最上階の柱頭にある四隅の主筋にはフックを付けることが示されています。
フックを設けることで、主筋をコンクリートにしっかり定着させます。
この記述は適切です。
鉄筋は、切断した長さや曲げた位置・寸法が設計どおりになっているか確認する必要があります。
加工寸法の検査は、加工種別ごとに、加工鉄筋を搬入したときの最初の1本または1組について測定する方法で行います。
最初の加工品を確認することで、同じ方法で加工される鉄筋に間違いがないかを早い段階で確認できます。
梁の配筋において、鉄筋のかぶり厚さを確保するためのスペーサーの配置は、特記がなかったので、間隔を1.5 m程度とし、端部については0.5 m以内となるようにした。
この記述は適切です。
スペーサーは、鉄筋と型枠との距離を保ち、必要なかぶり厚さを確保するために設けるものです。
2022年版JASS 5では、梁のスペーサーについて、特記がない場合、
端部以外=1.5m程度の間隔
端部=0.5m以内
を目安として配置します。
したがって、この配置は適切です。
この記述は不適当です。
180度フックでは、折り曲げた先に残す直線部分の長さ、つまり余長を4d以上とする必要があります。
ここで、dは異形鉄筋の呼び名に用いる数値です。
D19の場合、
4d=4×19=76mm
です。
一方、この記述の3dでは、
3d=3×19=57mm
しかありません。
したがって、
57mm<76mm
となり、必要な余長が不足しています。
この記述は適切です。
ガス圧接では、鉄筋どうしを加熱・加圧して接合するため、接合部分にふくらみができます。
外観検査で、ふくらみの直径や長さが不足している場合には、再加熱して圧力を加え、必要なふくらみになるよう修正できます。
ただし、どの不具合でも再加熱で直せるわけではありません。
たとえば、鉄筋の中心軸のずれや偏心が大きい場合などは、圧接部を切り取って再圧接する必要があります。
不合格となった原因によって修正方法が異なる点に注意が必要です。
この問題では、鉄筋工事のフック・加工検査・スペーサー・ガス圧接についての基本を正しく区別することがポイントです。
特に重要なのは、180度フックの余長です。
180度フックの余長=4d以上
なので、D19では、
19×4=76mm以上
必要です。
したがって、余長を3dとした記述が最も不適当です。
また、2022年版JASS 5に対応した内容として、
最上階の柱頭の四隅の主筋=フックを設ける
鉄筋の加工寸法=加工種別ごとに最初の1本または1組を検査
梁のスペーサー=端部0.5m以内、その他1.5m程度
圧接部のふくらみ不足=再加熱・加圧による修正が可能
という点もあわせて整理しておくとよいです。
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