二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問87 (学科4(建築施工) 問12)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問87(学科4(建築施工) 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事における溶接に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 吸湿の疑いのある溶接棒は、再乾燥させてから使用した。
  • 溶接部に割れがあったので、溶接金属を全長にわたって削り取り、再溶接を行った。
  • 作業場所の気温が4℃であったので、溶接線から50 mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行った。
  • スタッド溶接の溶接面に著しい錆(さび)が付着していたので、スタッド軸径の2倍以上の範囲の錆(さび)をグラインダーで除去し、溶接を行った。
  • スタッド溶接後の打撃曲げ試験において15度まで曲げたスタッドのうち、欠陥のないものについては、そのまま使用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 記述は正しいです
 溶接材料においても、湿気を吸収しないように保管をします。
湿気を帯びた場合は、乾燥機などで乾燥させてから使用します。

2. 記述は正しいです
 溶接部の割れは、電流過大や母材の不良によるもので生じます。
割れた部分から両端50㎜分を含めてはつり取ったのち、母材を船底型に成形したうえ補修溶接を行います。

3. 記述は誤りです
 気温が-5~5℃の範囲の場合は、溶接線から100mm程度の範囲の母材部分を適切な方法で加熱してから、溶接作業をすることができます。作業場所の気温が−5℃から5℃までの場合は、溶接を行います。

この選択肢では、気温が4℃であるにもかかわらず、溶接線から50mmまでの範囲しか加熱していないため不適切です。

なお、作業場所の気温が−5℃を下回る場合は、溶接を行いません。

4. 記述は正しいです
 スタッド溶接以外でも、母材に油や水など溶接に支障のあるものがある場合、溶接部近傍を清掃や除去しなければなりません。

5. 記述は正しいです
 スタッド曲げ試験では、溶接前の曲げ角度が30度の傾き、溶接後の曲げ角度が15度の傾きになるまでスタッドハンマーで叩いて、欠陥が生じていないか確認します。

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02

1. 正しい記述です。
吸湿の疑いのある溶接棒は、再乾燥させてから使用します。

2. 正しい記述です。
溶接部にみられる割れは、原則として、溶接金属を全長にわたり削り取り、再溶接を行います。
試験により割れの限界が定まった場合でも、割れの端から 50mm 以上を削り取り、再溶接を行います。

3. 不適当な記述です。
気温が-5℃から5℃の場合は、溶接線から100mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行います。

4. 正しい記述です。
錆(さび)や汚れなどは除去してから溶接を行います。

5. 正しい記述です。
スタッド溶接後の打撃曲げ試験の後、欠損のないものはそのまま使用することができます。

参考になった数14

03

最も不適当なのは、「作業場所の気温が4℃であったので、溶接線から50mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行った。」という記述です。

この問題で用いられる鉄骨工事の基準では、作業場所の気温が-5℃以上5℃以下の場合、溶接線から100mm程度の範囲の母材を加熱してから溶接します。

気温4℃はこの範囲に入りますが、この記述では50mmまでしか加熱していないため、加熱範囲が不足しています。

選択肢1. 吸湿の疑いのある溶接棒は、再乾燥させてから使用した。

この記述は適切です。

溶接棒が湿気を吸うと、溶接部分に割れなどの欠陥が生じやすくなります。

そのため、吸湿した疑いがある溶接棒は、そのまま使用せず、決められた方法で再乾燥させてから使用します

溶接材料は湿気を避けて保管し、吸湿した場合には適切に乾燥することが重要です。

選択肢2. 溶接部に割れがあったので、溶接金属を全長にわたって削り取り、再溶接を行った。

この記述は適切です。

溶接部に割れがある場合は、そのまま残すと強度や安全性に大きな問題が生じます。

そのため、原則として溶接金属を全長にわたって除去し、再溶接します。

ただし、適切な検査によって割れの範囲がはっきりしている場合は、割れ部分と、その端から50mm以上の範囲を除去して再溶接する方法も認められています。

選択肢3. 作業場所の気温が4℃であったので、溶接線から50 mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行った。

この記述は不適当です。

気温が低いと、溶接した部分が急速に冷え、割れなどが発生しやすくなります。

この問題で用いられる基準では、作業場所の気温が、

-5℃以上5℃以下

の場合、溶接線から100mm程度の範囲を適切に加熱して溶接します。

この場合は4℃なので加熱が必要ですが、

50mm<100mm

となり、加熱する範囲が不足しています。

したがって、50mmではなく100mm程度の範囲を加熱する必要があります。

選択肢4. スタッド溶接の溶接面に著しい錆(さび)が付着していたので、スタッド軸径の2倍以上の範囲の錆(さび)をグラインダーで除去し、溶接を行った。

この記述は適切です。

スタッドを溶接する面に錆や水分、塗料などが残っていると、十分な溶接ができないおそれがあります。

そのため、著しい錆などがある場合は、スタッド軸径の2倍以上の範囲をグラインダーなどで除去し、清掃してから溶接します。

この記述では2倍以上の範囲を処理しているため、適切です。

選択肢5. スタッド溶接後の打撃曲げ試験において15度まで曲げたスタッドのうち、欠陥のないものについては、そのまま使用した。

この記述は適切です。

スタッド溶接では、溶接部分の状態を確認するために、スタッドをハンマーなどで15度まで曲げる打撃曲げ試験を行うことがあります。

15度まで曲げても、溶接部分に割れなどの有害な欠陥が生じなければ、曲げたスタッドはそのまま使用できます

元の角度に戻す必要はありません。

まとめ

この問題では、鉄骨工事の溶接について、材料の管理、欠陥の補修、低温時の施工、スタッド溶接の注意点を理解することがポイントです。

特に覚えておきたいのは、低温時の溶接です。

この問題で用いられる基準では、

気温-5℃未満=溶接しない

気温-5℃以上5℃以下=溶接線から100mm程度の範囲を加熱して溶接する

とします。

また、

吸湿した疑いのある溶接棒=再乾燥して使用する

溶接部の割れ=原則として溶接金属を全長除去して再溶接する

スタッド溶接面の著しい錆=軸径の2倍以上の範囲を除去する

15度打撃曲げ試験で欠陥がないスタッド=そのまま使用できる

という点も押さえておくとよいです。

したがって、気温4℃で、溶接線から50mmまでしか母材を加熱していない記述が最も不適当です。

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