二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問59 (学科3(建築構造) 問9)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問59(学科3(建築構造) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

地盤及び基礎構造に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
  • 負の摩擦力 -------- 軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することによって、杭の周面に下向きに作用する摩擦力
  • ヒービング -------- 砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象
  • 圧密 -------------- 透水性の低い粘性土が、荷重の作用によって、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象
  • 液状化 ------------ 水で飽和した砂質土等が、振動・衝撃等による間隙水圧の上昇によって、せん断抵抗を失う現象
  • 直接基礎 ---------- 基礎スラブからの荷重を直接地盤に伝える形式の基礎

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正しい記述です。
軟弱地盤では、負の摩擦力に注意しなければいけません。

2. 不適当な記述です。
「ヒービング」は軟弱粘土等が、山留めから回り込んで地盤を押し上げる現象です。
記述の現象は、「ボイリング」で、地下水位が高い砂質地盤で生じることがあります。

3. 正しい記述です。
軟弱地盤において、時間とともにゆっくりと地盤が収縮、沈下していくことです。

4. 正しい記述です。
地盤の砂が地下水に浸かっている状態で、地震などの振動が起こると、強さを失う現象です。

5. 正しい記述です。
建物の荷重が基礎スラブから直接、地盤に伝わる形式の基礎です。

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02

 地盤と基礎の用語に関する設問です。頻出問題ですので確認しておきましょう。

1. 負の摩擦力……杭は、自重に対抗するべく上に持ち上げようとする摩擦力が生じています。
       地盤が沈下すると、地面に引き込もうとする摩擦力が生じます。
       この力のことを負の摩擦力と呼びます。

2. ヒービング……ヒービングは、根切りなどで掘削し山留壁で仕切っているのに、
       山留の下から粘性土が回り込んで膨れ上がる現象です。
       記述にある砂質土が沸き上がる現象は「ボイリング」になります。

3. 圧密……圧密が長く続いて、次第に地盤が下がっていく現象が「圧密沈下」になります。

4. 液状化……大震災の際、水を含む砂質層が液状化してしまい、
     砂や水が吹き上がる現象(噴砂現象)が生じ、家屋が傾くなどの被害がありました。

5. 直接基礎……直接基礎には、主にフーチング基礎とべた基礎があり、地耐力に応じ選定します。
      直接基礎に対して杭基礎があり、「既製コンクリート杭」等があります。

 よって、 2. が正解となります。

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03

最も不適当なのは、「ヒービング -------- 砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象」です。

この説明は、ヒービングではなくボイリングの説明です。

ヒービングとは、主に軟弱な粘性土地盤を掘削したときに、土留め壁の外側の土が掘削底面側へ回り込み、掘削底面が持ち上がる現象です。国土交通省の資料でも、粘性土地盤で周囲の地盤が掘削底面側へ回り込み、底面が盛り上がる現象として説明されています。

選択肢1. 負の摩擦力 -------- 軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することによって、杭の周面に下向きに作用する摩擦力

この組合せは適切です。

杭の周囲の地盤が圧密などによって沈下すると、地盤が杭を下向きに引きずるような力が生じることがあります。

このように、杭の周面に下向きに働く摩擦力を負の摩擦力といいます。

負の摩擦力が生じる可能性がある場合は、杭の設計でその影響を考える必要があります。

選択肢2. ヒービング -------- 砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象

この組合せは不適当です。

砂質地盤で、地下水が上向きに流れる力によって砂粒が浮き上がり、地盤が沸騰するように乱れる現象はボイリングです。

一方、ヒービングは、主に軟弱な粘性土地盤を掘削したときに、土留め壁の外側の土が掘削底面側へ回り込み、底面が持ち上がる現象です。

したがって、この説明ではヒービングとボイリングを取り違えています。

選択肢3. 圧密 -------------- 透水性の低い粘性土が、荷重の作用によって、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象

この組合せは適切です。

粘性土は水を通しにくいため、荷重がかかっても、土の中の水がすぐには抜けません。

時間をかけて少しずつ水が外へ出ることで、土の体積が小さくなり、地盤が沈下します。

この現象を圧密といいます。

軟弱な粘性土地盤では、建築後しばらくしてから沈下が進むことがあるため、基礎を設計するときに注意が必要です。

選択肢4. 液状化 ------------ 水で飽和した砂質土等が、振動・衝撃等による間隙水圧の上昇によって、せん断抵抗を失う現象

この組合せは適切です。

液状化は、水を多く含んだ砂質地盤などが地震による振動を受け、土の粒どうしが支え合う力を失って、地盤が液体のような状態になる現象です。

その結果、建築物が沈下したり傾いたり、地中のマンホールなどが浮き上がったりすることがあります。

選択肢5. 直接基礎 ---------- 基礎スラブからの荷重を直接地盤に伝える形式の基礎

この組合せは適切です。

直接基礎は、杭などを使わず、基礎底面から建築物の荷重を直接地盤へ伝える基礎です。

独立基礎、布基礎、べた基礎などが代表的なものです。

直接基礎では、基礎底面に生じる力が地盤の許容できる範囲に収まることや、有害な沈下が生じないことを確認します。

まとめ

この問題では、地盤や基礎に関する似た用語を正しく区別することがポイントです。

特に、

ヒービング=主に粘性土地盤で、周囲の土が掘削底面へ回り込み、底面が持ち上がる現象

ボイリング=主に砂質地盤で、上向きの水の流れによって砂が湧き上がる現象

という違いが重要です。

したがって、砂中を上向きに流れる水によって砂粒が湧き上がる現象を「ヒービング」としている組合せが最も不適当です。

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