二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問58 (学科3(建築構造) 問8)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問58(学科3(建築構造) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、建築物の実況に応じて計算した値が3,900 N/m2未満の場合であっても3,900 N/m2とする。
  • 屋根面における積雪量が不均等となるおそれのある場合には、その影響を考慮して積雪荷重を計算する。
  • 特定行政庁が指定する多雪区域における地震時の計算に用いる積雪荷重は、短期の積雪荷重の0.7倍の数値とする。
  • 建築物の屋根版に作用する風圧力と、屋根葺き材に作用する風圧力とは、それぞれ個別に計算する。
  • 開放型の建築物で風上開放の場合、風圧力の計算に用いる風力係数は、一般に、正の内圧係数を用いて計算する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 記述は正しいです
令85条に関連します。
 構造設計において、用途に応じて積載荷重の規定があるため、当てはまる積載荷重によって計画を進めなければなりません。

2. 記述は正しいです
 積雪荷重は、屋根の雪下ろしをした場合1mまで減じて設計しても良いことになっており、
状況に応じて変化するため、積雪荷重の偏りも考慮に入れながら設計をすることになります。

3. 記述は誤りです
令82条に関連します
 多雪地域の地震時の積雪荷重は、長期の時が0.7倍で、短期の時が0.35倍で計算します。
短期と長期の倍数で正誤問題が出されますので、気を付けておきましょう。

4. 記述は正しいです
令87条に関連します
 屋根ふき材と規定を満たす建物の帳壁に関する風圧計算は、風圧に対する構造上の安全を確かめるために計算するものです。
建築物そのものの風圧の計算とは別になるので、注意しましょう。

5. 記述は正しいです
平12告1454号に関連します。
 開放型の風上開放の場合、内圧係数は0.6となり、正の内圧係数として風圧力を計算します。

参考になった数43

02

1. 正しい記述です。
倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、建築物の実況に応じて計算した値が3,900 N/m²未満の場合であっても3,900 N/m²としなければなりません。

2. 正しい記述です。
屋根面における積雪量が不均等となるおそれのある場合には、その影響を考慮して積雪荷重を計算します。

3. 不適当な記述です。
多雪区域における地震時の計算に用いる積雪荷重は、短期の場合0.35倍、長期の場合0.7倍で計算します。

4. 正しい記述です。
屋根葺き材とは、瓦やガルバリウム鋼板などのことで、建築物の屋根版に作用する風圧力とは別に計算します。

5. 正しい記述です。
風力係数は、開放型の建築物で風上開放の場合0.6、風下開放の場合−0.4となります。

参考になった数12

03

最も不適当なのは、「特定行政庁が指定する多雪区域における地震時の計算に用いる積雪荷重は、短期の積雪荷重の0.7倍の数値とする。」という記述です。

多雪区域で地震時の構造計算を行う場合に組み合わせる積雪荷重は、短期の積雪荷重の0.35倍です。

建築基準法施行令の荷重の組合せでは、多雪区域の地震時について、

G+P+0.35S+K

とされています。したがって、「0.7倍」としている点が誤りです。

選択肢1. 倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、建築物の実況に応じて計算した値が3,900 N/m2未満の場合であっても3,900 N/m2とする。

この記述は適切です。

倉庫では、重い荷物が置かれることを考えて、床の積載荷重について最低限の値が決められています。

倉庫業を営む倉庫では、実際の使用状況から計算した積載荷重が3,900N/m²より小さくても、3,900N/m²として計算しなければなりません

したがって、この記述は適切です。

選択肢2. 屋根面における積雪量が不均等となるおそれのある場合には、その影響を考慮して積雪荷重を計算する。

この記述は適切です。

屋根の形や周囲の状況によっては、雪が屋根全体に均等に積もるとは限りません。

たとえば、風によって一方に雪が吹き寄せられる場合などがあります。

このように積雪量が不均等になるおそれがある場合は、雪が偏って積もる影響も考えて積雪荷重を計算する必要があります。建築基準法施行令第86条でも、このことが定められています。

選択肢3. 特定行政庁が指定する多雪区域における地震時の計算に用いる積雪荷重は、短期の積雪荷重の0.7倍の数値とする。

この記述は不適当です。

多雪区域では、地震が起きたときに屋根に雪が積もっている可能性も考えて、積雪荷重を地震時の計算に加えます。

ただし、加える積雪荷重は短期の積雪荷重の0.35倍です。

地震時の荷重の組合せは、

G+P+0.35S+K

です。

したがって、

0.7倍→誤り

0.35倍→適切

となります。

選択肢4. 建築物の屋根版に作用する風圧力と、屋根葺き材に作用する風圧力とは、それぞれ個別に計算する。

この記述は適切です。

屋根版など建築物の構造部分に作用する風圧力と、瓦や金属板などの屋根葺き材に作用する局部的な風圧力は、同じものとして扱いません

建築物全体の構造計算で用いる風圧力とは別に、屋根葺き材についても、風で飛ばされたり外れたりしないように構造上の安全性を確認します。建築基準法施行令でも、屋根葺き材について風圧に対する安全性を確認することが求められ、屋根葺き材用の計算基準が別に定められています。

したがって、それぞれ個別に計算するという記述は適切です。

選択肢5. 開放型の建築物で風上開放の場合、風圧力の計算に用いる風力係数は、一般に、正の内圧係数を用いて計算する。

この記述は適切です。

風上側に大きな開口部がある建築物では、風が建物の中に入り込み、室内側から壁や屋根を外へ押す力が生じやすくなります。

そのため、風上側が開放された建築物では、一般に正の内圧係数を考えて風圧力を求めます。国土交通省の資料でも、風上開放型では正の内圧を考える扱いが示されています。

まとめ

この問題では、積載荷重・積雪荷重・風圧力の基本的な扱いを区別することがポイントです。

倉庫業を営む倉庫では、床の積載荷重は少なくとも3,900N/m²として計算します。

屋根の雪が偏って積もるおそれがある場合は、不均等な積雪の影響を考慮します。

また、多雪区域における地震時の荷重の組合せでは、

G+P+0.35S+K

となるため、地震時に考慮する積雪荷重は短期の積雪荷重の0.35倍です。

風圧力については、建築物の構造部分と屋根葺き材ではそれぞれ安全性を確認し、風上側が開放された建築物では一般に正の内圧を考えます。

したがって、「多雪区域の地震時の積雪荷重を0.7倍とする」記述が最も不適当で、正しくは0.35倍です。

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