二級建築士 過去問
平成30年(2018年)
問61 (学科3(建築構造) 問11)

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問題

二級建築士試験 平成30年(2018年) 問61(学科3(建築構造) 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

木質構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • ラグスクリューを木口に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面打ちの場合の値の2/3とする。
  • メタルプレートコネクター接合において、プレート圧入時の木材は、気乾状態である必要がある。
  • 釘接合及びボルト接合において、施工時の木材の含水率が20%以上の場合には、接合部の許容耐力を低減する。
  • 釘を用いた木材と木材の一面せん断接合において、有効主材厚は釘径の9倍以上とし、側材厚は釘径の6倍以上とする。
  • 同一の接合部に力学特性の異なる接合法を併用する場合の許容耐力は、一般に、個々の接合法の許容耐力を加算して算出する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。


1、ラグスクリューを木口に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面打ちの場合の値の2/3とします。
したがって正しい記述となります。

2、 メタルプレートコネクター接合において、プレート圧入時の木材は、気乾状態とします。
気乾状態は含水率が15%で湿度と釣り合い状態にある時のことをさします。
したがって正しい記述となります。

3、釘接合及びボルト接合において施工時の木材の含水率が20%以上の場合、乾燥収縮によるひび割れが生じてしまうため、接合部の許容耐力を低減します。
したがって正しい記述となります。

4、釘を用いた木材と木材の一面せん断接合において、有効主材厚は釘径の9倍以上、側材厚は釘径の6倍以上とします。
したがって正しい記述となります。

5、同一の接合部に力学特性の異なる接合法を併用する場合の許容耐力は、個々の接合法の許容耐力を加算することはできません。
耐力の発生の仕方が違うためです。
したがって誤りの記述となります。

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02

1. 記述は正しいです
 ねじ接合において、小口に打ち込んだ場合のせん断力は、木材が負担できずに木材を割ってしまうため、十分に負担できる側面に取り付けるよりも小さな耐力で検討します。

2. 記述は正しいです
 メタルプレートコネクターを用いる場合、プレート取付時に木材が気乾状態であり、木材の接合部は隙間なく取り付けるようにします。

3. 記述は正しいです
 木材の含水率は強度に影響を及ぼすため、含水率20%以上の木材では、構造強度を2/3に低減して検討します。

4. 記述は正しいです
 記述のほか、木材と金属の1面せん断接合では、許容せん断耐力を25%増加させることができます

5. 記述は誤りです
 併用接合であっても、摩擦接合とせん断接合が混在するような併用方法は、耐力を合計して検討してはいけません。

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03

最も不適当なのは、「同一の接合部に力学特性の異なる接合法を併用する場合の許容耐力は、一般に、個々の接合法の許容耐力を加算して算出する。」です。

釘、ボルト、ラグスクリューなどは、力を受けたときの変形のしかたや、最大の耐力を発揮するまでの変形量がそれぞれ異なります。そのため、異なる接合法を同じ接合部で併用しても、個々の許容耐力を単純に足し合わせることはできません。

選択肢1. ラグスクリューを木口に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面打ちの場合の値の2/3とする。

この記述は適当です。

木口とは、木材を繊維方向に対して直角に切った面です。木口への接合は、側面への接合に比べて木材が割れやすいなど、耐力上不利になります。

そのため、ラグスクリューを木口に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面打ちの場合の2/3として評価します。

選択肢2. メタルプレートコネクター接合において、プレート圧入時の木材は、気乾状態である必要がある。

この記述は適当です。

メタルプレートコネクターは、多数の爪が付いた金属板を木材に圧入して接合するものです。

木材の含水率が高い状態で圧入すると、その後の乾燥によって木材が収縮し、プレートの爪とのかみ合わせが弱くなるおそれがあります。

そのため、プレートを圧入するときの木材は、気乾状態としておく必要があります。二級建築士試験の基準に沿った設問でも、この条件が示されています。

選択肢3. 釘接合及びボルト接合において、施工時の木材の含水率が20%以上の場合には、接合部の許容耐力を低減する。

この記述は適当です。

含水率の高い木材は、その後に乾燥すると収縮します。

その結果、釘やボルトの周囲にすき間ができたり、木材に割れが生じたりして、接合部の性能が低下するおそれがあります。

そのため、施工時の木材の含水率が20%以上の場合には、接合部の許容耐力を低減して評価します。

選択肢4. 釘を用いた木材と木材の一面せん断接合において、有効主材厚は釘径の9倍以上とし、側材厚は釘径の6倍以上とする。

この記述は適当です。

釘接合で十分な耐力を得るためには、釘を打ち込む木材に必要な厚さを確保する必要があります。

木材と木材を釘で一面せん断接合する場合は、

有効主材厚:釘径の9倍以上

側材厚:釘径の6倍以上

とします。

木材が薄すぎると、釘が十分に力を伝える前に、木材が割れたり変形したりするおそれがあります。

選択肢5. 同一の接合部に力学特性の異なる接合法を併用する場合の許容耐力は、一般に、個々の接合法の許容耐力を加算して算出する。

この記述が最も不適当です。

例えば、釘接合とボルト接合では、荷重が加わったときの変形量と耐力の関係が異なります

一方の接合法が大きな耐力を発揮するときに、もう一方も同時に最大耐力を発揮するとは限りません。

そのため、

釘の許容耐力+ボルトの許容耐力

のように、異なる接合法の許容耐力を単純に加算することはできません

まとめ

この問題では、異なる接合法を併用した場合の耐力の考え方がポイントです。

釘、ボルト、ラグスクリューなどは、それぞれ力を受けたときの変形のしかたが違います。そのため、同じ接合部で併用しても、

個々の許容耐力をそのまま足し合わせることはできません

あわせて、

ラグスクリューの木口打ち→側面打ちの2/3

メタルプレートコネクター→木材は気乾状態で圧入

含水率20%以上→釘・ボルト接合の許容耐力を低減

釘の一面せん断接合→有効主材厚9d以上、側材厚6d以上

という点も整理しておくとよいです。

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