二級建築士 過去問
平成30年(2018年)
問57 (学科3(建築構造) 問7)

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問題

二級建築士試験 平成30年(2018年) 問57(学科3(建築構造) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

構造計算における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 同一の室における床の単位面積当たりの積載荷重は、一般に、「床の構造計算をする場合」より「地震力を計算する場合」のほうが小さい。
  • 各階が事務室である建築物において、垂直荷重による柱の圧縮力を低減して計算する場合の「積載荷重を減らすために乗ずべき数値」は、一般に、その柱が支える床の数が多くなるほど小さくなる。
  • 屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き、その勾配が60度を超える場合においては、零とすることができる。
  • 地震力の計算に用いる地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を示す係数Aiは、一般に、上階になるほど大きくなり、かつ、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほどその傾向が著しくなる。
  • 地震力の計算に用いる振動特性係数Rtは、同一の地盤種別の場合、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど大きくなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。


1、床の単位面積当たりの積載荷重の大小関係は、
 床設計用>柱・梁・基礎設計用>地震力算定用 となります。
したがって正しい記述となります。

2、柱の圧縮力を計算する際、積載荷重はその柱が支える床の数に応じて低減することができます。
その低減できる倍率は床の数が多くなるほど小さくなります。
したがって正しい記述となります。

3、屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き勾配が60度を超える場合、荷重を0とすることができます。
したがって正しい記述となります。
「屋根に雪止めがある場合を除き」や「雪止めがない場合」など、言い回しの違いに気をつけましょう。

4、地震力の計算に用いる地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を示す係数Aiは、上階になるほど大きくなります。
また設計用一次固有周期Tが長くなるほどより大きくなります。
したがって正しい記述となります。

5、地震力の計算に用いる振動特性係数Rtは、同一の地盤種別の場合、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど小さくなります。
したがって誤りの記述となります。

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02

1. 記述は正しいです
 令85条に関連します。
積載荷重は、「床の構造計算用」「各種架構の構造計算用」「地震力計算用」それぞれがあり、計算ごとに数値が異なります。

2. 記述は正しいです
 柱や基礎の垂直荷重を算定する際、支える床の数が1つ増えるごとに5%の低減ができ、最大で60%の低減まで掛けることができます。

3. 記述は正しいです
 令86条に関連します。
雪荷重において、一般的に60°勾配の屋根では、雪が滑り落ちることを前提とするため、雪荷重が生じないものとして計算します。

4. 記述は正しいです
 Aiは、建築物の高さが増していくとその数値は大きくなります。
一次固有周期が長くなるほど、Aiの値は顕著に大きくなる傾向があります。

5. 記述は誤りです
 振動特性係数は、固有周期が0の時に1.0で最大値になります。
固有周期が大きくなると、振動特性係数は小さい値になります。

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03

最も不適当なのは、「地震力の計算に用いる振動特性係数Rtは、同一の地盤種別の場合、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど大きくなる。」です。

振動特性係数Rtは、同じ地盤で比べた場合、設計用一次固有周期Tが長くなるにつれて大きくなるのではなく、一定または小さくなります

建築基準法施行令第88条では、地震層せん断力係数を

Ci=Z・Rt・Ai・Co

によって求めます。Rtは建築物の固有周期と地盤の種類によって決まる係数です。

選択肢1. 同一の室における床の単位面積当たりの積載荷重は、一般に、「床の構造計算をする場合」より「地震力を計算する場合」のほうが小さい。

この記述は適当です。

積載荷重は、何の計算に使うかによって数値が異なります。

例えば事務室では、

床の構造計算をする場合:2,900N/m²

地震力を計算する場合:800N/m²

です。

地震時に、床の上にある机や人などがすべて最大の状態で存在しているとは限らないため、地震力を計算するときには小さい値を使えるようになっています。

したがって、一般に地震力を計算する場合の積載荷重のほうが小さくなります

選択肢2. 各階が事務室である建築物において、垂直荷重による柱の圧縮力を低減して計算する場合の「積載荷重を減らすために乗ずべき数値」は、一般に、その柱が支える床の数が多くなるほど小さくなる。

この記述は適当です。

柱が何階もの床を支えている場合、すべての階で同時に最大の積載荷重がかかる可能性は低くなります。

そのため、柱や基礎の圧縮力を計算するときは、支える床の数が多いほど積載荷重を小さくできます。

例えば、積載荷重に乗じる数値は、

支える床が2つ:0.95

5つ:0.80

9つ以上:0.60

となっています。

したがって、支える床が多いほど乗ずる数値は小さくなるという記述は適切です。

選択肢3. 屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き、その勾配が60度を超える場合においては、零とすることができる。

この記述は適当です。

屋根の傾きが大きくなるほど、雪は屋根の上に残りにくくなります。

建築基準法施行令第86条では、屋根勾配が60度を超える場合、雪止めがある場合を除いて、屋根の積雪荷重を0とすることができます

「60度以上」ではなく、60度を超える場合であることにも注意が必要です。

選択肢4. 地震力の計算に用いる地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を示す係数Aiは、一般に、上階になるほど大きくなり、かつ、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほどその傾向が著しくなる。

この記述は適当です。

Aiは、地震力を建築物の高さ方向にどのように分布させるかを表す係数です。

一般に、上の階ほどAiは大きくなります。つまり、上階ほど地震による水平力を大きめに考える仕組みになっています。

また、Aiの算定式には設計用一次固有周期Tが含まれており、Tが長くなるほど上階のAiが大きくなる傾向が強くなります

そのため、高層で揺れの周期が長い建築物ほど、上部の地震力が大きくなるような分布になります。

選択肢5. 地震力の計算に用いる振動特性係数Rtは、同一の地盤種別の場合、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど大きくなる。

この記述が最も不適当です。

Rtは、建築物の揺れやすさと地盤の性質を地震力に反映する係数です。

同じ地盤の場合、Rtは、

T<TcではRt=1

となります。

さらにTが長くなると、

Tc≦T<2Tcでは徐々に小さくなり

2Tc≦TではRt=1.6Tc/T

となります。

最後の式を見ると、Tが大きくなるほどRtは小さくなることが分かります。

したがって、

Tが長くなるほどRtが大きくなる

という説明は逆です。

正しくは、同一の地盤種別では、RtはTが長くなっても大きくならず、一定または小さくなります

まとめ

この問題では、地震力に関係するAiとRtの違いを区別することが重要です。

Ai
→地震力の高さ方向の分布を表す係数です。
→一般に上階ほど大きくなります
→Tが長いほど、上階で大きくなる傾向が強くなります。

Rt
→建築物の固有周期と地盤の性質を反映する係数です。
→同じ地盤なら、Tが長くなるにつれて一定または小さくなります

そのため、最も不適当なのは、「Rtは、Tが長くなるほど大きくなる」とした記述です。

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