二級建築士 過去問
平成29年(2017年)
問29 (学科2(建築法規) 問4)

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問題

二級建築士試験 平成29年(2017年) 問29(学科2(建築法規) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

木造2階建て、延べ面積100m2の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
  • 階段(高さ3.0mの屋内の直階段)の高さ1.5mの位置に、踏幅1.1mの踊場を設けた。
  • 1階の居室の床下をコンクリートで覆ったので、床の高さを、直下の地面からその床の上面まで30cmとした。
  • 子ども部屋のクロゼット(収納スペース)の天井の高さを、2.0mとした。
  • 発熱量の合計が12kWの火を使用する器具(「密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた器具」ではない。)のみを設けた調理室(床面積10m2)に、0.9m2の有効開口面積を有する開口部を換気上有効に設けたので、その他の換気設備を設けなかった。
  • 階段に代わる高さ1.2mの傾斜路に幅10cmの手すりを設けたので、当該傾斜路の幅の算定に当たっては、手すりはないものとみなした。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1-この階段は一戸建て住宅の高さ3.0mの直階段です。高さ4mを超えないため、踊場を設ける義務はありません。


2-床の高さは、直下の地面からその床の上面までが45cm以上としなければなりません。
  しかし、床下をコンクリート等で覆う場合は床の高さに制限は受けません。

3-居室の天井の高さは、2.1m以上としなければなりませんが、子ども部屋のクロゼットは居室ではないので、2.0mでも問題ありません。

4-次の3つの条件を満たす住宅の調理室は換気設備は不要です。
 ①住宅の床面積が100㎡以内
 ②火を使用する器具の発熱量が12kW以下
 ③調理室の床面積の1/10以上かつ0.8㎡以上の換気上有効な開口部が設置されている
  設問の調理室は10㎡なので、0.9㎡では上記を満たしていません。
  よって、建築基準法に適合しません。

5-階段等の幅は、手すり等の幅が10cm以内であれば、その手すり等はないものとして算定します。

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02

正解は4です。

1.施行令第24条より、第23条第1項の表の(1)又は(2)に該当する階段で、その高さが3mを超えるものにあっては、高さ3m以内ごとに踊り場を設けなければなりませんが、一戸建て住宅は該当しません。
同条より、その他の階段でその高さが4mを超えるものにあっては、高さ4m以内ごとに踊り場を設けなければなりませんが、設問は高さ3mですので、この制限は受けないということになります。
したがって、記述は正しいです。

2.施行令第22条第一号より、最下階の居室の床が木造である場合、床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45㎝以上としなければなりません。
ただし、床下をコンクリート、たたきその他これらに類する材料で覆う場合は、制限を受けません。
したがって、記述は正しいです。

3.施行令第21条第1項より、居室の天井高さは、2.1m以上と定められていますが、クロゼットは居室ではないので、制限を受けません。
したがって、記述は正しいです。

4.法第28条第3項より、建築物の調理室で火を使用する設備若しくは器具を設けたものには、原則として、換気設備を設けなくてはなりません。
ただし、政令で定めるもの(施行令第20条の3第1項各号)は除かれます。
設問は、これに該当しないため、換気設備を設けなければなりません。
したがって、記述は誤りです。

5.施行令第23条第3項より、階段及び踊場の幅は、手すりの幅が10㎝を限度として、ないものとみなして算定します。
これは、傾斜路にも準用されます。(施行令第26条第2項)
したがって、記述は正しいです。

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03

建築基準法に適合しないのは、「発熱量の合計が12kWの火を使用する器具のみを設けた調理室(床面積10m²)に、0.9m²の有効開口面積を有する開口部を換気上有効に設けたので、その他の換気設備を設けなかった。」です。

延べ面積100m²以内の住宅の調理室で、発熱量が12kW以下の場合、一定の大きさ以上の換気上有効な開口部があれば、換気設備を省略できます。ただし、その開口部は調理室の床面積の1/10以上が必要です。

この調理室では、

10m²×1/10=1.0m²

必要ですが、実際は0.9m²しかないため、換気設備を省略することはできません。建築基準法施行令第20条の3では、この開口面積を「床面積の1/10(それが0.8m²未満の場合は0.8m²)以上」としています。

選択肢1. 階段(高さ3.0mの屋内の直階段)の高さ1.5mの位置に、踏幅1.1mの踊場を設けた。

この記述は適合します。

この住宅の階段は、一般的な住宅の階段に当たります。

建築基準法施行令では、このような階段について、高さが4mを超える場合に、高さ4m以内ごとに踊場を設けることとされています。

今回の階段は高さ3.0mなので、法令上、途中に踊場を設ける義務はありません。

また、直階段の踊場について「踏幅1.2m以上」という規定がありますが、これは法令によって設置が必要となる踊場についてのものです。今回のように高さ3.0mの階段に任意で設ける踊場には、この1.2m以上の規定は適用されません。

選択肢2. 1階の居室の床下をコンクリートで覆ったので、床の高さを、直下の地面からその床の上面まで30cmとした。

この記述は適合します。

木造住宅の最下階にある居室では、原則として、床の高さを直下の地面から床の上面まで45cm以上とする必要があります。

ただし、床下をコンクリートなどで覆った場合は、この45cm以上という規定の対象外になります。

今回は床下をコンクリートで覆っているため、床の高さを30cmとしても、この規定には違反しません。

選択肢3. 子ども部屋のクロゼット(収納スペース)の天井の高さを、2.0mとした。

この記述は適合します。

建築基準法施行令では、居室の天井の高さは2.1m以上とする必要があります。

しかし、クロゼットは衣類などを収納する場所であり、人が継続して生活するための「居室」ではありません。

建築基準法でいう居室とは、居住・執務・作業・集会・娯楽などのために継続的に使用する室をいいます。したがって、収納用のクロゼットには居室の天井高さ2.1m以上という規定は適用されず、2.0mでも問題ありません

選択肢4. 発熱量の合計が12kWの火を使用する器具(「密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた器具」ではない。)のみを設けた調理室(床面積10m2)に、0.9m2の有効開口面積を有する開口部を換気上有効に設けたので、その他の換気設備を設けなかった。

この記述は適合しません。

延べ面積100m²以内の住宅では、発熱量12kW以下の火を使用する器具を設けた調理室について、一定の開口部があれば換気設備を省略できる場合があります。

必要な有効開口面積は、

調理室の床面積の1/10以上

です。ただし、その計算結果が0.8m²未満なら、0.8m²以上が必要です。

今回は、

10m²×1/10=1.0m²

となるため、少なくとも1.0m²の有効開口面積が必要です。

0.9m²では、

0.9m²<1.0m²

となり、条件を満たしていません。

したがって、0.9m²の開口部だけを設けて、その他の換気設備を設けない計画は認められません

選択肢5. 階段に代わる高さ1.2mの傾斜路に幅10cmの手すりを設けたので、当該傾斜路の幅の算定に当たっては、手すりはないものとみなした。

この記述は適合します。

建築基準法施行令では、階段や踊場に手すりを設けた場合、手すりの幅は10cmを限度として、幅の算定上はないものとみなすことができます

また、この規定は階段に代わる傾斜路にも準用されます。

したがって、幅10cmの手すりについて、傾斜路の有効幅を計算するときに「ないもの」として扱うことができます。

まとめ

この問題で特に重要なのは、火を使用する調理室の換気設備を省略できる条件です。

延べ面積100m²以内の住宅で、発熱量12kW以下の器具を設ける場合でも、換気上有効な開口部には、

床面積の1/10以上

が必要です。ただし、1/10が0.8m²未満なら、最低でも0.8m²必要です。

今回の調理室は10m²なので、

10m²×1/10=1.0m²

必要です。

したがって、0.9m²の開口部では不足し、換気設備を省略することはできません

また、床下をコンクリートで覆った場合は床高さ45cm以上の規定が除外されること、クロゼットは居室ではないため天井高さ2.1m以上の規定を受けないこと、手すりの幅は10cmまで幅の算定上ないものとみなせることも整理しておくとよいです。

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