二級建築士 過去問
平成29年(2017年)
問21 (学科1(建築計画) 問21)

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問題

二級建築士試験 平成29年(2017年) 問21(学科1(建築計画) 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 気化式加湿器は、一般に、加湿素子を水で濡らし、これに空気を接触させ、空気のもつ顕熱により水を蒸発させて加湿を行うものである。
  • 床吹出し空調方式は、通常の天井吹出しよりも冷房時の給気温度を上げる必要がある。
  • 空気熱源ヒートポンプ方式のルームエアコンの暖房能力は、外気の温度が低くなるほど向上する。
  • ファンコイルユニット方式は、ユニットごとに風量を調節することができる。
  • 二重ダクト空調方式は、冷風と温風の2系統のダクトによる給気を混合させて温度制御を行うので、個別制御性は高いが、エネルギー損失は大きい。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.気化式加湿器は、水の蒸発を利用して加湿を行います。
加湿方法には、水を含む性質をもつフィルターなどの加湿素子を水で濡らして空気と接触させ、空気の持つ顕熱により水を蒸発させる加湿方法があります。

2.床吹き出し空調方式とは、フリーアクセスフロアなどの二重床に空調空気を送風し、床吹き出し口から空調する方式です。
冷房時に給気温度を下げると、足元が低温となり不快に感じてしまうため、給気温度の下限制限(18~20℃)が設けられています。

3.空気熱源ヒートポンプ方式とは、冷房時は蒸発により室内から熱を奪い、暖房時は蒸発により大気から熱を奪う方式のことをいいます。
標準の外気温度7℃よりも外気温度が低くなるほど、暖房能力と効率は悪くなります。

4.ファンコイルユニット方式とは、冷水や温水を屋内の各空調区域や各室に設置されたファンコイルユニットに供給し、空調を行う方式です。
この方式は、ユニットごとの風量の調節ができるため、個別制御が容易です。

5.二重ダクト空調方式とは、温風と冷風を2つのダクトで送風し、混合ボックスでそれぞれの熱負荷に応じて混合した空気を、各室に送風できる空調方式のことです。
個別制御性の高い方式ですが、温風と冷風を同時に扱うことから、混合損失が発生し、エネルギー損失も大きくなります。

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02

正解は3です。

1-設問の通りです。

2-設問の通りです。
 床吹き出し空調方式はフリーアクセス空調方式とも言われます。
 床上1.8m以内の空間を空調対象にするため、少ない風量で冷暖房効果が得られエネルギー節減を図ることができます。

3-空気熱源ヒートポンプ方式は、暖房時には気温が低下するにつれて屋外ユニットの効率が悪くなり、寒冷地には不適です。

4-設問の通りです。

5-設問の通りです。
 二重ダクト方式は各室で細かく温度調整が可能ですが、ダクトスペースは大きくなります。

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03

最も不適当なのは、「空気熱源ヒートポンプ方式のルームエアコンの暖房能力は、外気の温度が低くなるほど向上する。」です。

空気熱源ヒートポンプは、外気から熱を取り出して室内を暖めます。そのため、外気温が低くなるほど外気から取り出せる熱が少なくなり、一般に暖房能力は低下します

選択肢1. 気化式加湿器は、一般に、加湿素子を水で濡らし、これに空気を接触させ、空気のもつ顕熱により水を蒸発させて加湿を行うものである。

この記述は適当です。

気化式加湿器は、水で濡らした加湿素子に空気を通し、水を蒸発させて空気中の水蒸気を増やす方式です。

水が蒸発するときには熱が必要ですが、その熱は空気がもっている顕熱から使われます。そのため、加湿すると空気の温度は少し下がる傾向があります。

選択肢2. 床吹出し空調方式は、通常の天井吹出しよりも冷房時の給気温度を上げる必要がある。

この記述は適当です。

床吹出し空調方式では、床から冷たい空気を室内へ吹き出します。

人の足元に近い位置から給気するため、空気が冷たすぎると不快に感じやすくなります。

そのため、一般に天井から吹き出す方式よりも、冷房時の給気温度を高めに設定します

選択肢3. 空気熱源ヒートポンプ方式のルームエアコンの暖房能力は、外気の温度が低くなるほど向上する。

この記述が不適当です。

ヒートポンプ暖房は、外気がもっている熱を取り出して室内へ運ぶ仕組みです。

外気温が低くなると、外気から熱を取り出しにくくなります。また、外気温が低いと室外機に霜が付くことがあり、霜を溶かすための除霜運転が必要になる場合もあります。

そのため、一般に、

外気温が低くなるほど暖房能力は低下します

「向上する」としている部分が逆です。

選択肢4. ファンコイルユニット方式は、ユニットごとに風量を調節することができる。

この記述は適当です。

ファンコイルユニットは、室内に設けたユニットの中で、冷水や温水と空気との間で熱を交換して冷暖房する設備です。

各ユニットにはファンがあり、ユニットごとに風量を調節できます

そのため、部屋ごとの使い方や温度の状態に合わせて調整しやすいという特徴があります。

選択肢5. 二重ダクト空調方式は、冷風と温風の2系統のダクトによる給気を混合させて温度制御を行うので、個別制御性は高いが、エネルギー損失は大きい。

この記述は適当です。

二重ダクト空調方式では、冷たい空気を送るダクトと暖かい空気を送るダクトをそれぞれ設けます。

各室の必要な温度に合わせて、冷風と温風を混ぜて給気するため、部屋ごとの温度調節を行いやすく、個別制御性は高くなります。

一方で、いったん冷やした空気と暖めた空気を混ぜるため、エネルギーを無駄にしやすいという欠点があります。

まとめ

この問題で特に重要なのは、空気熱源ヒートポンプと外気温の関係です。

空気熱源ヒートポンプでは、

外気温が高い → 外気から熱を取り出しやすい

外気温が低い → 外気から熱を取り出しにくく、暖房能力が低下しやすい

という関係になります。

また、気化式加湿器は空気の顕熱を使って水を蒸発させる、床吹出し空調は冷房時の給気温度を高めにする、ファンコイルユニットは個別に風量調節できる、二重ダクト方式は個別制御しやすいがエネルギー損失が大きいという特徴もあわせて整理しておくとよいです。

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