二級建築士 過去問
平成29年(2017年)
問22 (学科1(建築計画) 問22)

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問題

二級建築士試験 平成29年(2017年) 問22(学科1(建築計画) 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 給水設備における水道直結直圧方式の必要圧力の算定においては、水道本管から給水する上で最も不利な状態にある水栓又は器具までの摩擦損失についても考慮する。
  • 深夜電力温水器において、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐためには、貯湯槽内の湯の温度を40°C程度に保つ必要がある。
  • シングルレバー水栓や全自動洗濯機への配管において、ウォーターハンマーの発生を防止するためには、エアチャンバーの設置が有効である。
  • 給湯配管において、直線部の配管長をやむを得ず長くする場合は、配管の線膨張に対する配慮が必要である。
  • 排水管のトラップの破封防止や円滑な排水のために設ける通気管の大気開口部においては、害虫などが侵入しないように防虫網を設ける必要がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

1.水道直結直圧方式のポンプの必要圧力の算定において、高低差や器具の必要圧力、給水する上で最も不利な状態にある水栓又は器具までの摩擦損失などを考慮します。

2.レジオネラ属菌は、35~40℃が菌にとって最適とされていて、60℃以上で死滅します。
したがって、貯湯槽の給湯温度は、60℃以上を保つようにする必要があります。

3.ウォーターハンマーとは、水栓や弁を急に止めたとき、騒音振動が生じる現象のことです。
これを防止するには、管径を太くすることや、エアチャンバーなどを設けることが有効です。

4.給湯配管に用いられるステンレス鋼などは、熱で膨張する性質があります。
配管長を長くする場合には、配管長さが延びてしまう線膨張の恐れがあり、配管が破損する可能性があります。
線膨張への配慮として、伸縮継手を設けるなどの対策が挙げられます。

5.通気管の大気開口部から害虫が侵入するのを防ぐため、防虫網などを設ける対策が必要です。

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02

正解は2です。

1-設問の通りです。
 水道直結直圧方式では、管内の摩擦損失を考慮すると2~3階までが限度となります。

2-レジオネラ属菌の繁殖最適温度は35~36℃です。
 繁殖を防ぐためには、貯湯槽内の湯の温度を60℃以上に保つ必要があります。

3-設問の通りです。
 ウォーターハンマーは管内の圧力上昇により生じる振動や衝撃音のことです。
 流速が速いほど、流量が多いほど発生しやすくなるので、緩衝装置(エアチャンバー)を配管中に設置して、ウォーターハンマーを防止します。

4-設問の通りです。
 配管が長くなるほど、長手方向の伸縮が問題となりやすくなるので、考慮が必要です。

5-設問の通りです。

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03

最も不適当なのは、「深夜電力温水器において、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐためには、貯湯槽内の湯の温度を40°C程度に保つ必要がある。」です。

レジオネラ属菌は、ぬるい温度の水で増えやすいため、40°C程度に保つのは適切ではありません。厚生労働省の指針では、貯湯式の給湯設備について、貯湯槽内は60°C以上となるようにすることが示されています。

選択肢1. 給水設備における水道直結直圧方式の必要圧力の算定においては、水道本管から給水する上で最も不利な状態にある水栓又は器具までの摩擦損失についても考慮する。

この記述は適当です。

水道直結直圧方式は、水道本管の圧力を利用して建物内へ直接給水する方式です。

水は配管の中を流れると、管の内側との摩擦や、曲がり、バルブ、水栓などによって圧力を失います。そのため、最も給水条件が厳しい水栓や器具でも必要な水圧を確保できるよう、配管などによる摩擦損失を含めて必要圧力を計算します。千葉市の給水装置工事基準でも、末端の給水用具までの管の摩擦損失などを総損失水頭として考えることが示されています。

選択肢2. 深夜電力温水器において、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐためには、貯湯槽内の湯の温度を40°C程度に保つ必要がある。

この記述が不適当です。

レジオネラ属菌は、20~50°C前後の水で増殖するおそれがあります。40°C程度は、菌の繁殖を防ぐための温度としては低すぎます。

厚生労働省の指針では、貯湯式の給湯設備では、貯湯槽内の湯温を60°C以上、中央式給湯設備では末端の給湯栓でも55°C以上となるようにすることが示されています。

したがって、「40°C程度」ではなく、レジオネラ属菌対策としては60°C以上の高温で貯湯することが基本です。

選択肢3. シングルレバー水栓や全自動洗濯機への配管において、ウォーターハンマーの発生を防止するためには、エアチャンバーの設置が有効である。

この記述は適当です。

ウォーターハンマーとは、流れている水を急に止めたときに、配管内の圧力が急激に変化して「ドン」という衝撃音や振動が発生する現象です。

シングルレバー水栓や全自動洗濯機などは、水を急に止めることがあるため、ウォーターハンマーが発生しやすくなります

エアチャンバーは、内部の空気によって急激な圧力変化をやわらげるための設備です。給水装置の構造・材質に関する基準でも、エアチャンバーなどの水撃防止器具による対策が示されています。

選択肢4. 給湯配管において、直線部の配管長をやむを得ず長くする場合は、配管の線膨張に対する配慮が必要である。

この記述は適当です。

給湯配管は、お湯が流れることで温度が上がり、配管そのものが熱によって伸びます

特に直線部分が長いほど、全体として伸びる長さも大きくなるため、そのままでは配管や接続部分に無理な力がかかることがあります。

そのため、長い配管では、伸縮を吸収する継手などを利用して、温度変化による配管の伸び縮みに対応する必要があります。配管の温度変化による伸縮を伸縮継手などで吸収する考え方が、設備設計でも用いられています。

選択肢5. 排水管のトラップの破封防止や円滑な排水のために設ける通気管の大気開口部においては、害虫などが侵入しないように防虫網を設ける必要がある。

この記述は適当です。

通気管は、排水管内の空気の流れを整え、トラップの封水が吸い出されたり押し出されたりする「破封」を防ぐ役割があります。国土交通省の建築設備設計基準でも、通気は排水を円滑にし、トラップの破封を防ぐために設けるとされています。

また、大気に開放する部分から害虫などが入らないよう、防虫網を設ける計画があります。例えば大阪市の特定建築物に関する基準では、排水通気管に2mm目程度の耐食性防虫網を設けることが示されています。

まとめ

この問題で特に重要なのは、レジオネラ属菌と貯湯温度の関係です。

レジオネラ属菌対策では、

40°C程度 → 菌が増殖するおそれがあり、低すぎます

貯湯槽内 → 60°C以上が基本です

と覚えておくとよいです。

また、給排水設備では、直結直圧方式では摩擦損失を考える、ウォーターハンマーにはエアチャンバーが有効、長い給湯配管では熱による伸縮に配慮する、通気管はトラップの破封防止に役立つという基本もあわせて整理しておきましょう。

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