二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問73 (学科3(建築構造) 問23)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問73(学科3(建築構造) 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鋼を熱間圧延して製造するときに生じる黒い錆(黒皮)は、鋼の表面に被膜として形成されるので防食効果がある。
  • 鋼材は、炭素含有量が多くなると硬質になり、引張強さが大きくなる。
  • 鋼材の引張強さは、一般に、温度が200~300℃程度で最大となり、それ以上の温度になると急激に低下する。
  • 溶接構造用圧延鋼材SM490Aの降伏点の下限値は、490N/mm2である。
  • 建築構造用圧延鋼材は、SN材と呼ばれ、建築物固有の要求性能を考慮して規格化された鋼材である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→設問の通り正しいです。黒い錆は鋼材を高温で熱することにより、表面に酸化膜が形成されたもののことを言います。この黒い錆には赤錆の発生を防ぐ効果があります。

2→設問の通り正しいです。炭素量が増加すると鋼材の硬度は増加しますが、溶接性は低下します。

3→設問の通り正しいです。軟鋼は250℃付近で引張強度が最大となり、300℃を超えると温度の上昇につれて強度は低下します。

4→鋼材の数値は降伏点の下限値ではなく、引張強さの下限値を表すものです。よって設問の内容は誤りです。

5→設問の通り正しいです。建築構造用圧延鋼材はSN材と呼ばれ、JISにより規格化された鋼材です。

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02

正解は4です。

最も不適当なものを選びます。

1. 記述は正しいです。

 黒い錆(黒皮)は、鋼の表面に被膜として形成されるので防食効果があります。

2. 記述は正しいです。

 鋼材は、炭素含有量が多くなると硬質になり、引張強さが大きくなります。

3. 記述は正しいです。

 鋼材の引張強さは、一般に、温度が200~300℃程度で最大となり、それ以上の温度になると急激に低下します。

4. 記述は誤りです。

 鋼材のSM490Aの数値は降伏点の下限値ではなく、引張強さの下限値をさします。

5. 記述は正しいです。

 「建築構造用圧延鋼材」は、SN材と呼ばれ、建築物固有の要求性能を考慮して規格化された鋼材です。

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03

最も不適当なのは、「溶接構造用圧延鋼材SM490Aの降伏点の下限値は、490N/mm²である。」という記述です。

SM490Aの「490」は、降伏点ではなく引張強さの下限値を表しています。

SM490Aの引張強さは490~610N/mm²ですが、降伏点または耐力の下限値は鋼材の厚さによって異なります。たとえば、厚さ16mm以下では325N/mm²以上です。したがって、降伏点の下限値を490N/mm²とする記述は誤りです。

選択肢1. 鋼を熱間圧延して製造するときに生じる黒い錆(黒皮)は、鋼の表面に被膜として形成されるので防食効果がある。

この記述は適当です。

黒皮とは、鋼材を高温で圧延するときに、表面にできる黒い酸化鉄の皮膜です。

黒皮が鋼材の表面を覆っている間は、外部の空気や水分が鋼材そのものに触れにくくなるため、ある程度の防食効果があります。

ただし、黒皮にはひび割れやはがれが生じることがあり、完全な防錆方法ではありません。塗装などを行う場合には、黒皮を除去することもあります。

選択肢2. 鋼材は、炭素含有量が多くなると硬質になり、引張強さが大きくなる。

この記述は適当です。

一般に、鋼に含まれる炭素の量が増えると、硬さや引張強さが大きくなります。

一方で、炭素量が多くなりすぎると、粘り強さや溶接のしやすさが低下する傾向があります。

そのため、建築用鋼材では、強さだけでなく、靱性や溶接性とのバランスも考えて炭素量が決められています。

選択肢3. 鋼材の引張強さは、一般に、温度が200~300℃程度で最大となり、それ以上の温度になると急激に低下する。

この記述は適当です。

鋼材は温度が上昇すると基本的には強さが低下していきますが、200~300℃程度では、青熱脆性と呼ばれる現象が起こります。

この温度付近では、引張強さや硬さが一時的に大きくなり、反対に伸びなどは小さくなります。

さらに温度が高くなると、鋼材の強度は大きく低下していきます。

選択肢4. 溶接構造用圧延鋼材SM490Aの降伏点の下限値は、490N/mm2である。

この記述が不適当です。

SM490Aの「490」は、引張強さの下限値です。

SM490Aの引張強さは、

490~610N/mm²

とされています。

一方、降伏点または耐力の下限値は鋼材の厚さによって変わります。

たとえば、

厚さ16mm以下では325N/mm²以上

厚さ16mmを超え40mm以下では315N/mm²以上

などとなります。

したがって、490N/mm²は降伏点の下限値ではありません。

選択肢5. 建築構造用圧延鋼材は、SN材と呼ばれ、建築物固有の要求性能を考慮して規格化された鋼材である。

この記述は適当です。

建築構造用圧延鋼材は、JIS G 3136に定められている鋼材で、SN材と呼ばれます。JIS G 3136は現在も有効な規格です。

SN材は、建築物で使うことを目的として、降伏点や降伏比、靱性、溶接性など、建築構造物で特に重要となる性能を考えて規格化された鋼材です。

まとめ

この問題では、鋼材の性質と鋼材記号が表す意味を理解することがポイントです。

黒皮は、熱間圧延によって鋼材表面にできる酸化皮膜で、ある程度の防食効果があります。

鋼材は、一般に炭素量が増えると硬くなり、引張強さも大きくなります。また、200~300℃程度では青熱脆性によって引張強さが一時的に大きくなります。

建築構造用圧延鋼材であるSN材は、建築物に必要な靱性や溶接性などを考えて規格化された鋼材です。

特に覚えておきたいのは、SM490Aの「490」は降伏点ではなく、引張強さの下限値を表しているという点です。

したがって、「SM490Aの降伏点の下限値は490N/mm²である」とする記述が最も不適当です。

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