二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問72 (学科3(建築構造) 問22)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問72(学科3(建築構造) 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリートの材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • フライアッシュを使用することにより、フレッシュコンクリートのワーカビリティーを良好にすることができる。
  • 高炉スラグ微粉末を使用することにより、硬化後のコンクリートの水密性や化学抵抗性を向上させることができる。
  • 膨張材を使用することにより、硬化後のコンクリートの乾燥収縮によるひび割れを低減することができる。
  • AE剤を使用することにより、コンクリートの凍結融解作用に対する抵抗性を大きくすることができる。
  • 実積率の小さい粗骨材を使用することにより、同一スランプを得るための単位水量を小さくすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

最も不適当なものを選びます。

1. 記述は正しいです。

 フライアッシュを使用することにより、フレッシュコンクリートのワーカビリティーを良好にすることができます。
また、「フライアッシュセメント」とは混合材として,フライアッシュを用いた混合セメントをさします。
(「JIS A コンクリート用語 0203:2019 フライアッシュセメント」より)

2. 記述は正しいです。

 高炉スラグ微粉末を使用することにより、硬化後のコンクリートの水密性や化学抵抗性を向上させることができます。

3. 記述は正しいです。

 膨張材を使用することにより、硬化後のコンクリートの乾燥収縮によるひび割れを低減することができます。

4. 記述は正しいです。

 AE剤を使用することにより、コンクリートの凍結融解作用に対する抵抗性を大きくすることができます。
また、「AE剤』とは、コンクリートなどの中に,多数の微細な独立した空気泡を一様に分布させ,ワーカビリティー及び耐凍害性を向上させるために用いる混和剤のことです。
(「JIS A コンクリート用語 0203:2019 AE剤」より)

5. 記述は誤りです。

 実積率の大きな粗骨材を用いると、同じスランプを得るための単位水量を減少させることができます。

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02

正解は5です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→設問の通り正しいです。フライアッシュとは、コンクリートの施工性をよくする働きがあります。ですが、中性化速度は速くなります。

2→設問の通り正しいです。高炉スラグ微粉末とは、コンクリートの温度上昇の抑制や、水密性の向上、化学抵抗性の向上などの働きがあります。

3→設問の通り正しいです。膨張剤はコンクリートに膨張性を与え、収縮によるひび割れの発生を低減することができます。

4→設問の通り正しいです。AE剤を使用することによりコンクリート中の空気泡が連行され、対凍害性を高めることができます。

5→実績率は骨材の容積を表す指標で大きいほうが良好とされるため、設問の内容は誤りです。

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03

最も不適当なのは、「実積率の小さい粗骨材を使用することにより、同一スランプを得るための単位水量を小さくすることができる。」という記述です。

粗骨材の実積率が大きいほど、骨材どうしの隙間が少なくなり、必要なモルタルや水の量を少なくしやすくなります。

そのため、一般に、実積率の大きい粗骨材を使用するほうが、同じスランプを得るための単位水量を小さくできます。実積率が小さい場合は、反対に単位水量が多くなる傾向があります。

選択肢1. フライアッシュを使用することにより、フレッシュコンクリートのワーカビリティーを良好にすることができる。

この記述は適当です。

フライアッシュは、石炭を燃焼したときに生じる細かな灰を利用した混和材です。

粒子が細かく、丸みを帯びたものが多いため、コンクリートの材料どうしが動きやすくなります。

そのため、適切に使用すると、フレッシュコンクリートの流動性が高まり、ワーカビリティーを良くすることができます。

また、配合などによっては、必要な単位水量を減らす効果も期待できます。

選択肢2. 高炉スラグ微粉末を使用することにより、硬化後のコンクリートの水密性や化学抵抗性を向上させることができる。

この記述は適当です。

高炉スラグ微粉末は、製鉄のときにできる高炉スラグを細かく砕いた混和材です。

適切に使用すると、コンクリート内部の組織が密になり、水が通りにくくなるため、水密性が高まります。

また、化学物質などによる劣化にも強くなるため、化学抵抗性の向上にも有効です。高炉スラグを用いた材料は、化学抵抗性や耐海水性などに優れることが示されています。

選択肢3. 膨張材を使用することにより、硬化後のコンクリートの乾燥収縮によるひび割れを低減することができる。

この記述は適当です。

コンクリートは乾燥すると縮む性質があり、この収縮によってひび割れが生じることがあります。

膨張材を加えると、硬化の初期にコンクリートを適度に膨張させることができます。

この膨張によって後の収縮を補うため、乾燥収縮によるひび割れを減らす効果があります。

選択肢4. AE剤を使用することにより、コンクリートの凍結融解作用に対する抵抗性を大きくすることができる。

この記述は適当です。

AE剤は、コンクリートの中に非常に細かな独立した気泡をつくる混和剤です。

コンクリート内部の水が凍ると体積が増えますが、細かな気泡があると、その膨張する水の逃げ場所になります。

そのため、凍結と融解を繰り返したときにコンクリートが傷みにくくなり、凍結融解作用に対する抵抗性が高くなります。

選択肢5. 実積率の小さい粗骨材を使用することにより、同一スランプを得るための単位水量を小さくすることができる。

この記述が不適当です。

実積率とは、一定の容器の中に粗骨材を詰めたとき、骨材そのものが占める割合を表したものです。

実積率が大きい粗骨材は、粒どうしの隙間が少なく、密に詰まります。

そのため、隙間を埋めるために必要なモルタル量を少なくでき、同じスランプを得るための単位水量も小さくしやすくなります。

反対に、実積率が小さい粗骨材では隙間が多くなり、一般に必要な単位水量は増える傾向があります。実際の調査でも、骨材の実積率が小さい場合には単位水量が多くなる傾向が確認されています。

したがって、正しくは、「実積率の大きい粗骨材を使用することにより、単位水量を小さくすることができる」となります。

まとめ

この問題では、コンクリートに使用する混和材料や骨材が、コンクリートの性質にどのような影響を与えるかを理解することがポイントです。

フライアッシュはワーカビリティーの改善、高炉スラグ微粉末は水密性や化学抵抗性の向上に役立ちます。

膨張材は乾燥収縮によるひび割れを減らし、AE剤は凍結融解に対する抵抗性を高めます。

一方、粗骨材については、実積率が大きいほど骨材の隙間が少なくなり、同じスランプを得るための単位水量を少なくしやすくなります。

したがって、「実積率の小さい粗骨材を使用すると単位水量を小さくできる」とする記述が最も不適当です。

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