二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問69 (学科3(建築構造) 問19)
問題文
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問題
二級建築士試験 令和2年(2020年) 問69(学科3(建築構造) 問19) (訂正依頼・報告はこちら)
- 建築物の耐震性は、一般に、強度と靱性によって評価されるが、靱性が乏しい場合には、強度を十分に高くする必要がある。
- エキスパンションジョイントのみで接している複数の建築物については、それぞれ別の建築物として構造計算を行う。
- 各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200以内となるようにする。
- 鉄骨造建築物において、大梁は、材端部が十分に塑性化するまで、継手で破断が生じないようにする。
- 鉄筋コンクリート造建築物において、柱や梁に接続する袖壁、腰壁については非耐力壁として考え、偏心率の算定に当たり、影響はないものとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は5です。
最も不適当なものを選びます。
1.記述は正しいです。
靭性が乏しい場合でも強度を十分に高くすれば、耐震性は確保できます。
また「靭性」とは、材料の粘り強さを指しています。
2.記述は正しいです。
エキスパンションジョイントのみで接している複数の建築物については、それぞれ別の建築物として構造計算を行います。
3.記述は正しいです。
各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200以内となるようにする必要があります。
「層間変形角」とは、地震や強風に対してどれだけ建物が変形してもよいか判断するための基準として用いられる指標のことです。
4.記述は正しいです。
鉄骨造建築物において、大梁は、材端部が十分に塑性化するまで、継手で破断が生じないようにします。
5.記述は誤りです。
偏心率、剛性率の算定において、耐力壁、袖壁、腰壁、垂れ壁などの剛性は、弾性剛性に基づいた値とします。
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02
正解は5です。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
1→設問の通り正しいです。強度を高めることにより、靭性が乏しくても耐震性を確保することができます。
2→設問の通り正しいです。
3→設問の通り正しいです。層間変形角は1/200以内とする必要があります。
4→設問の通り正しいです。大梁は接合する部分が十分に塑性化するまで接合部が破断しないようにします。
5→偏心率の算定について、鉄筋コンクリート造においては袖壁や腰壁の剛性を考慮しない場合の値の大きいほうを用います。よって設問の内容は誤りです。
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03
最も不適当なのは、「鉄筋コンクリート造建築物において、柱や梁に接続する袖壁、腰壁については非耐力壁として考え、偏心率の算定に当たり、影響はないものとする。」という記述です。
袖壁や腰壁は、耐力壁として設計していない場合でも、柱や梁と一体になっていると、建築物の剛性に影響します。
そのため、偏心率を求めるときに「影響はない」として無視することはできません。袖壁や腰壁などによる剛性への影響を適切に考える必要があります。
この記述は適当です。
建築物が地震に耐えるためには、大きく分けて強度と靱性が重要です。
強度は、地震の力にどれだけ耐えられるかを表します。
靱性は、大きく変形しても急に壊れず、粘り強く耐える能力です。
靱性が十分にあれば、大きく変形しながら地震のエネルギーを受け止めることができます。一方、靱性が小さい建築物では、大きく変形する前に壊れるおそれがあるため、その分、十分な強度を確保する必要があります。
この記述は適当です。
エキスパンションジョイントは、建築物どうしが地震や温度変化などによって別々に動けるように、構造的に切り離すための部分です。
エキスパンションジョイントによって互いに力を伝えないように分離されている部分は、それぞれ独立した構造として扱います。
そのため、それぞれ別に構造計算を行います。国土交通省の資料でも、エキスパンションジョイントなどで相互に応力を伝えない部分については、部分ごとに構造計算を扱う考え方が示されています。
この記述は適当です。
層間変形角とは、地震によってある階が上下の階に対してどの程度横に変形したかを表すものです。
一次設計用地震力に対しては、各階の層間変形角を原則として、
1/200以内
とします。
たとえば、階高が4mであれば、
4m×1/200=0.02m
となり、層間変位は20mm以内という考え方です。
この記述は適当です。
大きな地震が起きたとき、鉄骨梁では材端部を先に塑性化させ、粘り強く変形させることがあります。
このとき、梁そのものが十分に力を発揮する前に継手が破断すると、急激で粘りの少ない破壊につながります。
そのため、梁が十分に塑性化するまで継手が破断しないよう、継手には十分な耐力をもたせます。
このように、部材が十分に塑性化するまで接合部が壊れないようにする考え方を、保有耐力接合といいます。鉄骨梁の降伏する部分に継手を設ける場合、その継手を保有耐力接合とすることが基準上も求められています。
この記述が不適当です。
袖壁は柱の横に付く壁、腰壁は窓の下などに設ける低い壁です。
これらを耐力壁として設計していなくても、柱や梁と一体につくられていれば、柱や梁の変形を抑え、建築物の剛性を高める働きがあります。
偏心率は、建築物の重心と剛心のずれを確認するための値です。
袖壁や腰壁があると、その位置や剛性によって剛心の位置が変わる可能性があるため、偏心率にも影響します。
したがって、非耐力壁だからという理由だけで「偏心率には影響しない」とすることはできません。袖壁や腰壁を含むRC部材については、構造設計上、その強度や剛性を評価する考え方が用いられています。
この問題では、建築物全体が地震の力にどのように抵抗するかを考えることがポイントです。
耐震性は、強度だけではなく靱性も重要です。靱性が小さい場合には、その分、十分な強度を確保する必要があります。
エキスパンションジョイントによって構造的に分離された建築物は、それぞれ別に構造計算します。
一次設計用地震力に対する層間変形角は、原則として1/200以内とします。
鉄骨造の梁の継手は、梁が十分に塑性化する前に破断しないように設計することが重要です。
一方、RC造の袖壁や腰壁は、耐力壁として扱わない場合でも、建築物の剛性や剛心の位置に影響することがあります。そのため、偏心率の算定で一律に影響を無視することはできません。
したがって、袖壁・腰壁は偏心率に影響しないとする記述が最も不適当です。
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