二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問57 (学科3(建築構造) 問7)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問57(学科3(建築構造) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

構造計算における設計用地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 許容応力度等計算において、地盤が著しく軟弱な区域として指定された区域内における木造の建築物の標準せん断力係数Coは、原則として、0.3以上とする。
  • 振動特性係数Rtの算出のための地盤種別は、基礎底部の直下の地盤が、主として岩盤や硬質砂れき層などの地層によって構成されている場合、第一種地盤とする。
  • 建築物の地上部分の各階における地震層せん断力係数Ciは、一般に、上階になるほど小さくなる。
  • 建築物の地下の各部分に作用する地震力の計算に用いる水平震度kは、一般に、地盤面から深さ20mまでは深さが深くなるほど小さくなる。
  • 地震地域係数Zは、過去の震害の程度及び地震活動の状況などに応じて、各地域ごとに1.0から0.7までの範囲内において定められている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→設問のとおり正しいです。

標準せん断力係数は中規模地震を想定して0.2以上としますが、計算の種類によって標準せん断力係数の下限値が定められています。

2→設問のとおり正しいです。

地盤種別は第一種地盤(硬質)、第二種地盤(普通)、第3種地盤(軟弱)となっています。

3→地震層せん断力Ciの公式は次式です。

Ci = Z・Rt・Ai・C₀

(Z:地震地域係数、Rt:振動特性係数、Ai:高さ方向の分布係数、C₀:標準せん断力係数)

Aiは上階になるほど大きくなるのでCiも上階になるほど大きくなります。

以上のことより、選択肢3は誤りです。

4→設問の通り正しいです。

5→設問の通り正しいです。

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02

正解は3です。

最も不適当なものを選びましょう。

3の正しい記述は、下記です。
→建築物の地上部分の各階における地震層せん断力係数Ciは、一般に、上階になるほど大きくなります。

建築物の設計用地震力

Ci= Z・Rt・Ai・C0

Z:地震地域係数

Rt:振動特性係数

Ai:地震層せん断力係数の高さ方向の分布係数

  1階を1.0とし、上階ほど値が大きくなります。  

C0:標準せん断力係数

参考になった数8

03

最も不適当なのは、「建築物の地上部分の各階における地震層せん断力係数Ciは、一般に、上階になるほど小さくなる。」という記述です。

地震層せん断力係数Ciは、

Ci=Z×Rt×Ai×Co

で求めます。

このうちAiは、地震力を高さ方向にどのように分布させるかを表す係数で、一般に上階ほど大きくなります。そのため、Ciも一般に上階ほど大きくなります。問題文は「上階になるほど小さくなる」としているため、反対です。

選択肢1. 許容応力度等計算において、地盤が著しく軟弱な区域として指定された区域内における木造の建築物の標準せん断力係数Coは、原則として、0.3以上とする。

この記述は適当です。

許容応力度等計算で地震力を求める場合、標準せん断力係数Coは、原則として0.2以上とします。

ただし、特定行政庁が「地盤が著しく軟弱な区域」として指定した区域内の木造建築物では、地震の影響をより大きく見込む必要があるため、Coを0.3以上とします。

したがって、この記述は基準に合っています。

選択肢2. 振動特性係数Rtの算出のための地盤種別は、基礎底部の直下の地盤が、主として岩盤や硬質砂れき層などの地層によって構成されている場合、第一種地盤とする。

この記述は適当です。

振動特性係数Rtを求めるときには、地盤を第一種・第二種・第三種に分けます。

第一種地盤は、岩盤や硬質砂れき層など、比較的硬い地盤です。

これに対して、軟らかい沖積層などで一定の条件に当てはまる地盤は第三種地盤となり、その中間が第二種地盤となります。

したがって、岩盤や硬質砂れき層などを第一種地盤とする記述は適当

選択肢3. 建築物の地上部分の各階における地震層せん断力係数Ciは、一般に、上階になるほど小さくなる。

この記述が不適当です。

地震層せん断力係数Ciは、

Ci=Z×Rt×Ai×Co

で求めます。

Z、Rt、Coが同じ建築物の中で共通である場合、各階でCiが変わる主な理由はAiです。

Aiは、地震による力を高さ方向に分布させるための係数で、一般に上階ほど大きくなります。

そのため、地震層せん断力係数Ciも、

一般に上階ほど大きくなります。

したがって、「上階になるほど小さくなる」としている点が誤りです。

選択肢4. 建築物の地下の各部分に作用する地震力の計算に用いる水平震度kは、一般に、地盤面から深さ20mまでは深さが深くなるほど小さくなる。

この記述は適当です。

地下部分の水平震度kは、原則として次の式によります。

k≧0.1(1-H/40)Z

Hは地盤面からの深さで、20mを超える場合は20mとして計算します。

この式を見ると、Hが大きくなるほど、

1-H/40

の値が小さくなります。

つまり、地盤面から深さ20mまでは、深くなるほど水平震度kは小さくなります。

なお、20mを超える深さについてはH=20mとして扱うため、それ以上深くなっても、この式による値はさらに小さくなりません。

選択肢5. 地震地域係数Zは、過去の震害の程度及び地震活動の状況などに応じて、各地域ごとに1.0から0.7までの範囲内において定められている。

この記述は適当です。

地震地域係数Zは、地域による地震の危険性の違いを設計用地震力に反映するための係数です。

現在、地域ごとに、

1.0、0.9、0.8、0.7

などの値が定められています。

国土交通省も、過去の地震動の大きさや頻度などを踏まえ、0.7~1.0の範囲で地域ごとに設定されていると説明しています。

まとめ

この問題では、設計用地震力を求めるときに使う各係数の意味を整理することがポイントです。

標準せん断力係数Coは、地盤が著しく軟弱な指定区域内の木造建築物では、原則として0.3以上とします。

振動特性係数Rtを求めるための第一種地盤は、岩盤や硬質砂れき層などの硬い地盤です。

地下部分の水平震度kは、地盤面から20mまでは、深くなるほど小さくなります。

地震地域係数Zは、地域によって0.7~1.0の値が定められています。

一方、地上部分の地震層せん断力係数Ciは、Aiの影響によって一般に上階ほど大きくなります。したがって、「上階になるほど小さくなる」という記述が最も不適当です。

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