二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問82 (学科4(建築施工) 問7)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問82(学科4(建築施工) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

土工事及び地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 土工事において、地盤沈下を防止するための地下水処理の工法として、ディープウェル工法を採用した。
  • 砂地業において、シルトを含まない山砂を使用した。
  • 基礎の墨出し、配筋、型枠の建込みをするために、捨てコンクリート地業を行った。
  • 場所打ちコンクリート杭の施工において、試験後の杭体の強度に十分な余裕があると予想されたので、試験杭を本杭とした。
  • 既製コンクリート杭の施工において、作業地盤面以下への打込みには、やっとこを使用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 記述は誤りです
 ディープウェル工法は、地下水を排水処理する工法のため、地盤沈下の防止には効果はありません。
地盤沈下対策をする場合は、地下水位を安定させるリチャージ工法を採用することになります。

2. 記述は正しいです
 シルトは微細な砂であるため、地盤が不安定になってしまうのでシルトを含まない砂を選定するようにします。

3. 記述は正しいです
 捨てコンクリート地業は、割栗地業の上に施工して基礎施工のための下書きをしたり、施工性の向上が目的となり、強度が必要なものではありません。

4. 記述は正しいです
 試験杭は、本杭の任意か所を試験するため、安全が確認された場合はその杭が本杭になり実際に用いられることになります。

5. 記述は正しいです
 やっとこ杭は、既製杭の杭頭を地中まで打込むために、仮に連結して延長させる打込み用サックになります。

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02

1. 不適当な記述です。
地盤沈下の防止には、リチャージ工法を採用します。

2. 正しい記述です。
砂地業ではシルトと呼ばれる沈泥(ちんでい)を含まない山砂を使用します。

3. 正しい記述です。
捨てコンクリート地業とは、基礎を平らにし、墨出しをしやすくする作業です。

4. 正しい記述です。
場所打ちコンクリート杭の試験後、試験杭を本杭とすることができます。

5. 正しい記述です。
作業地盤面以下への打込みには、やっとこ(鋼管製の仮杭)を使用します。

参考になった数14

03

最も不適当なのは、「土工事において、地盤沈下を防止するための地下水処理の工法として、ディープウェル工法を採用した。」という記述です。

ディープウェル工法は、深い井戸から地下水をくみ上げて、地下水位を低下させる工法です。掘削場所への湧水を減らしたり、掘削底面を安定させたりするために使われます。

しかし、地下水位を大きく下げると、周辺地盤が沈下することがあります。そのため、地盤沈下を防止するための工法としてディープウェル工法を採用するという説明は不適当です。農林水産省の資料でも、ディープウェルによる地下水位低下に伴う周辺地盤沈下への注意が示されています。

選択肢1. 土工事において、地盤沈下を防止するための地下水処理の工法として、ディープウェル工法を採用した。

この記述は不適当です。

ディープウェル工法は、地中に深い井戸を設け、ポンプで地下水をくみ上げることで、地下水位を低下させる工法です。

地下掘削のときに湧水を減らしたり、掘削底面を安定させたりする目的で用いられます。

一方、地下水をくみ上げすぎると、周囲の地下水位まで低下し、軟らかい地盤が縮んで地盤沈下を起こすおそれがあります。ディープウェル工法そのものは、地盤沈下を防止するための工法ではありません。

周辺の地盤沈下を抑える必要がある場合には、くみ上げた水を地盤に戻すリチャージ工法などによって、地下水位の低下を抑える方法があります。

選択肢2. 砂地業において、シルトを含まない山砂を使用した。

この記述は適切です。

砂地業は、基礎の下などに砂を敷き、締め固めて地盤を整えるものです。

使用する砂にシルトのような細かい土が多く混ざっていると、水を含んだときに締固めの状態が悪くなったり、安定性が低下したりすることがあります。

そのため、シルトなどの不純物を含まない山砂を使用することは適切です。

選択肢3. 基礎の墨出し、配筋、型枠の建込みをするために、捨てコンクリート地業を行った。

この記述は適切です。

捨てコンクリートは、建物を直接支える構造体ではなく、基礎工事を正確に進めやすくするために打つコンクリートです。

表面を平らにすることで、基礎の位置を示す墨出しを行いやすくなり、鉄筋や型枠も正確に設置しやすくなります

したがって、基礎の墨出し、配筋、型枠の建込みのために捨てコンクリート地業を行うことは適切です。

選択肢4. 場所打ちコンクリート杭の施工において、試験後の杭体の強度に十分な余裕があると予想されたので、試験杭を本杭とした。

この記述は適切です。

試験杭は、実際に杭へ荷重を加えるなどして、支持力や沈下の状態を確認するために使われます。

試験によって杭が傷んだり、沈下が建築物に悪い影響を与えたりするおそれがなければ、本杭を試験杭として利用することができます

杭の載荷試験に関する基準でも、杭体の強度に十分な余裕があり、試験後の沈下が構造物に悪影響を与えないと予想される場合には、本杭を試験杭とすることができるとされています。

選択肢5. 既製コンクリート杭の施工において、作業地盤面以下への打込みには、やっとこを使用した。

この記述は適切です。

「やっとこ」は、杭の上端を作業地盤面よりさらに下まで打ち込むときに使用する仮の杭のような道具です。

杭頭にやっとこを取り付け、その上から力を加えることで、本杭を地盤面より低い所まで打ち込むことができます。

したがって、作業地盤面以下へ既製コンクリート杭を打ち込むために、やっとこを使用することは適切です。

まとめ

この問題では、土工事や杭工事で使われる工法・材料・施工方法の目的を正しく理解することがポイントです。

特に注意したいのは、ディープウェル工法です。

ディープウェル工法=地下水をくみ上げて地下水位を下げる工法

であり、地盤沈下を防ぐための工法ではありません。地下水位を下げすぎると、反対に周辺地盤の沈下を起こすことがあります。

また、

砂地業=シルトなどを含まない良質な砂を使用する

捨てコンクリート=墨出しや配筋、型枠設置をしやすくする

試験杭=条件を満たせば本杭と兼ねることができる

やっとこ=杭を作業地盤面より下まで打ち込むときに使用する

という点も押さえておくとよいです。

したがって、地盤沈下を防止する目的でディープウェル工法を採用した記述が最も不適当です。

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