二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問61 (学科3(建築構造) 問11)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問61(学科3(建築構造) 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

木質構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • ボルト接合においては、一般に、接合部が降伏する前に、木材に割裂、せん断、引張り等による脆(ぜい)性的な破壊が生じないようにする。
  • 針葉樹合板を釘で接合する場合、打込み過ぎにより釘頭部が合板に過度にめり込むと、終局耐力や靱(じん)性が低下しやすくなる。
  • ドリフトピン接合は、ボルト接合と異なり、降伏後の耐力上昇が期待できないので、終局せん断耐力は降伏耐力とほぼ同じ値となる。
  • ボルト接合部において、せん断を受けるボルトの間隔は、木材の繊維に対する加力方向の違いに関係なく一定とする。
  • 木ねじ接合部は、一般に、ねじ部分の影響により、釘接合部に比べて変形性能が小さい。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 記述は正しいです
 木材が破壊を起こす前に、接合部のボルトが降伏するように設計します。
せん断を受ける接合部のボルトは、靭性の性能を上げるために細長いボルトを用いるようにします。

2. 記述は正しいです
 合板に釘が極度にめり込んでしまうと、その部分が局所破壊されて(パンチングアウト)しまい、構造として機能しなくなります。

3. 記述は正しいです
 ドリフトピン接合は、ボルト接合よりも接合部の剛性が高くなります。
そのために脆性の性質になるため、終局せん断耐力は降伏耐力として考えます。

4. 記述は誤りです
 せん断を受けるボルト接合のボルト間隔は、繊維方向に力が生じる場合と繊維と垂直方向に力が生じる場合とでは異なります。

5. 記述は正しいです
 ねじ接合は、釘接合に比べてスクリューで強固に緊結するために、接合部分の変形は少なくなります。

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02

1. 正しい記述です。
ボルト接合の接合部が降伏する前に、木材に割裂、せん断、引張り等による脆(ぜい)性的な破壊が生じないようにします。

2. 正しい記述です。
釘のめり込みは、合板の耐力低下を引き起こすので避けます。

3. 正しい記述です。
ドリフトピン接合は、ドリフトピンといわれる金物を使って、柱、梁、土台を接合する工法です。

4. 不適当な記述です。
ボルト接合部において、せん断を受けるボルトの間隔は、木材の繊維方向と繊維に直角になる方向の場合で異なります。

5. 正しい記述です。
木ねじ接合部は、釘接合部に比べて変形しづらくなります。

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03

最も不適当なのは、「ボルト接合部において、せん断を受けるボルトの間隔は、木材の繊維に対する加力方向の違いに関係なく一定とする。」です。

ボルト接合では、木材が繊維方向に力を受ける場合と、繊維に直角方向に力を受ける場合とで、割れ方や耐力が異なります。

そのため、ボルトの最小間隔や端からの距離は、加力方向によって変える必要があります。実際の設計基準でも、繊維方向と繊維直角方向とで異なる値が定められています。

選択肢1. ボルト接合においては、一般に、接合部が降伏する前に、木材に割裂、せん断、引張り等による脆(ぜい)性的な破壊が生じないようにする。

この記述は適切です。

木質構造の接合部では、木材が急に割れるような壊れ方よりも、ボルトなどの接合具が先に変形して、粘り強く力を負担するほうが安全です。

そのため、設計では、木材の割裂・せん断・引張りなどによる急激な破壊が先に起こらないようにすることが重要です。

ボルトやドリフトピンの間隔を十分に取ることも、このような脆い破壊を防ぐために必要です。接合具の間隔が小さすぎると、割裂がつながって終局耐力が低下することがあります。

選択肢2. 針葉樹合板を釘で接合する場合、打込み過ぎにより釘頭部が合板に過度にめり込むと、終局耐力や靱(じん)性が低下しやすくなる。

この記述は適切です。

釘を強く打ち込みすぎて、釘の頭が合板の中へ深く入り込むと、釘頭が合板を押さえる力が弱くなります。

その結果、最大耐力や変形に耐える能力が低下しやすくなります

日本合板工業組合連合会も、釘頭が大きくめり込んだ試験では、最大耐力や変形性能が低下した例を示し、釘頭を過度にめり込ませないよう注意を呼びかけています。

選択肢3. ドリフトピン接合は、ボルト接合と異なり、降伏後の耐力上昇が期待できないので、終局せん断耐力は降伏耐力とほぼ同じ値となる。

この記述は適切です。

ドリフトピンは、ボルトのようにナットで木材を締め付けるものではなく、穴に棒状の接合具を差し込んで接合します。

そのため一般的な設計上の扱いでは、降伏した後に大きな耐力の上昇を見込まず、終局せん断耐力は降伏耐力に近い値として考えます

ボルト接合とドリフトピン接合では、降伏後の性質に違いがある点がポイントです。

選択肢4. ボルト接合部において、せん断を受けるボルトの間隔は、木材の繊維に対する加力方向の違いに関係なく一定とする。

この記述は不適当です。

木材は、繊維方向と繊維に直角な方向とで強さや割れやすさが違います

そのため、ボルトの必要な間隔も同じではありません。

たとえば、接合具の配置基準では、加力方向が繊維方向の場合と繊維直角方向の場合とで、ボルト径dに対する必要な間隔がそれぞれ異なって定められています。

したがって、「加力方向に関係なく一定」とする部分が誤りです。

選択肢5. 木ねじ接合部は、一般に、ねじ部分の影響により、釘接合部に比べて変形性能が小さい。

この記述は適切です。

木ねじにはねじ山があり、木材に強くかみ合います。そのため、釘に比べて抜けにくく、接合部の剛性を高くできます。

一方で、釘接合のように大きく変形しながら力を負担する性質は小さくなりやすいため、一般に木ねじ接合部は釘接合部より変形性能が小さいと考えます。

まとめ

この問題では、木質構造の接合部について、木材は繊維方向によって性質が大きく違うことを理解しておくことが重要です。

特にボルト接合では、繊維方向に力が加わる場合と、繊維に直角方向に力が加わる場合とで、必要なボルト間隔や端からの距離が異なります。

したがって、

「ボルトの間隔は、木材の繊維に対する加力方向の違いに関係なく一定とする」

という記述が最も不適当です。

あわせて、

木材の脆い破壊を先に起こさないこと

釘を合板へ打ち込みすぎないこと

ドリフトピンは降伏後の大きな耐力上昇を期待しないこと

木ねじは釘より変形性能が小さくなりやすいこと

も押さえておくとよいです。

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