二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問25 (学科1(建築計画) 問25)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問25(学科1(建築計画) 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

環境に配慮した建築設備計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 電気設備において、配電線路における電力損失を低減するために、配電電圧を高めた。
  • 受変電設備において、変換効率を高めるために、トップランナー仕様の変圧器を使用した。
  • 空調負荷を低減するために、地中熱を利用したクールチューブを採用した。
  • 外気負荷を低減するために、全熱交換型の換気設備を採用した。
  • 居室の南側に付室を設け、そこで集めた熱を室内に循環する方式であるソーラーチムニー方式を採用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 記述は正しいです
 発電所で作られる電気は数十万Vであるのは、送電時に抵抗でエネルギー損失しないようにするためです。高圧配電により抵抗が小さくなるのでエネルギー効率が良くなります。

2. 記述は正しいです
 トップランナー変圧器に交換することで、従来の変圧器よりも効率が良く省エネルギーに貢献可能になります。

3. 記述は正しいです
 地中熱は、一定の温度を保つため非常に効率よく熱交換が可能なのが特徴です。
しかし、設備設置のコストが比較的高いのがデメリットです。

4. 記述は正しいです
 全熱交換換気設備を用いることで、冬季の暖房エネルギーの削減、夏季の冷房エネルギーの削減を図ることができます。

5. 記述は誤りです
 チムニーとは煙突の意味です。
ソーラーチムニーは、建物上部に換気用の温室を設け、太陽で暖まった空気を煙突効果で換気するシステムです。

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02

正解は5です。

1.正しいです。
 電圧を高くし、電流を減らすことで電力損失は減らせます。

2.正しいです。
 トップランナー仕様の変圧器を用いることで高い変換効率を出すことができます。

3.正しいです。
 クールチューブを用いることで、地中で熱交換を行い、その熱を利用できます。
 そのため空調負荷の低減が可能です。

4.正しいです。
 全熱交換とは、室内からの排気と外気で顕熱と潜熱を同時に交換することで外気を室内の空気に近い状態(気温、湿度)で取り入れるため、負荷の低減が可能です。

5.誤りです。
 ソーラーチムニーとは、温度差による自然換気(煙突効果)を積極的に活用する手法です。

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03

最も不適当なのは、「居室の南側に付室を設け、そこで集めた熱を室内に循環する方式であるソーラーチムニー方式を採用した。」という記述です。

ソーラーチムニーは、太陽熱でチムニー内の空気を暖め、その空気が上昇する力を利用して、建物内の自然換気を促す方式です。

南側の付室などで太陽熱を集め、その熱を室内に利用する方式とは異なります。

選択肢1. 電気設備において、配電線路における電力損失を低減するために、配電電圧を高めた。

この記述は適当です。

同じ電力を送る場合、配電電圧を高くすると、流れる電流を小さくすることができます。

電線で生じる電力損失は、電流が大きいほど増えるため、電圧を高くして電流を小さくすると、配電線路での電力損失を減らすことができます

そのため、大きな電力を送る場合には、高い電圧で送ることが省エネルギーにつながります。

選択肢2. 受変電設備において、変換効率を高めるために、トップランナー仕様の変圧器を使用した。

この記述は適当です。

変圧器は、電圧を変えるときに一部の電気エネルギーを損失します。

トップランナー仕様の変圧器は、エネルギー消費効率の向上を考えてつくられているため、変圧器で生じる電力損失を減らし、省エネルギーにつなげることができます

選択肢3. 空調負荷を低減するために、地中熱を利用したクールチューブを採用した。

この記述は適当です。

地中の温度は、外気温に比べて年間を通して変化が小さいという特徴があります。

クールチューブは、外気を地中に設けた管などに通し、地中との熱交換によって夏は冷やしてから室内へ取り入れる方法です。

これにより、空調機が処理しなければならない熱量を減らし、空調負荷を小さくできます。国土交通省の資料でも、地中熱を利用して外気を熱交換し、空調負荷を低減する方式として示されています。

選択肢4. 外気負荷を低減するために、全熱交換型の換気設備を採用した。

この記述は適当です。

換気をすると、室内の空気を外へ出し、外気を室内へ取り入れます。

夏や冬には、この外気をそのまま取り入れると、空調設備に大きな負担がかかります。

全熱交換器は、排気する室内空気と取り入れる外気との間で、温度だけでなく湿気に関する熱も交換する設備です。

そのため、外気を室内の状態に近づけてから取り入れることができ、外気負荷を低減できます

選択肢5. 居室の南側に付室を設け、そこで集めた熱を室内に循環する方式であるソーラーチムニー方式を採用した。

この記述は不適当です。

ソーラーチムニーは、太陽の日射によってチムニー内の空気を暖めます。

暖められた空気は軽くなって上昇するため、その力を利用して室内の空気を外へ排出し、新しい外気を取り入れます。

つまり、主な目的は太陽熱による煙突効果を利用した自然換気の促進です。

したがって、「南側の付室で集めた熱を室内に循環する方式」をソーラーチムニー方式とする説明は適切ではありません。

まとめ

この問題では、建築設備における省エネルギーや自然エネルギーの利用方法が問われています。

特にソーラーチムニーは、

太陽熱でチムニー内の空気を暖める

暖かい空気が上昇する

その力を利用して自然換気を促す

という仕組みです。

また、

配電電圧を高める=配電による電力損失を減らす

高効率変圧器=変圧時の損失を減らす

クールチューブ=地中熱を利用して空調負荷を減らす

全熱交換器=排気の熱を回収して外気負荷を減らす

と整理しておくと分かりやすいです。

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