二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問17 (学科1(建築計画) 問17)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問17(学科1(建築計画) 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

車椅子使用者に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 水飲み器は、操作部が手動式のものを採用した。
  • コンセントの中心高さは、抜き差しを考慮して、床面から250 mmとした。
  • 引戸には、引手とドア枠の間に手が挟まれないように、引き残しを設けた。
  • 建具枠には、車椅子のフットレストや車輪との接触によって傷がつくのを防ぐために、床面からの高さ350 mm程度まで金属板のカバーを設けた。
  • 高低差170 mmの屋内傾斜路は、勾配を 1/12 とした。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

1.正しいです。
 手動式のほか、センサー式を用いることも、車椅子使用者には使いやすい計画といえます。

2.誤りです。
 一般的には床面から250mmの高さで問題ありませんが、車椅子使用者の利用を考慮した場合、コンセントの高さは床面から400~1200mm程度とすることが望ましいです。

3.正しいです。
 引き残しを設けることで、引戸が全部収納されずに少し残るため、手が挟まることを防止できます。

4.正しいです。
 記述の金属板のカバーのことをキックプレートと言います。
 建具やエレベーター内によく用いられます。

5.正しいです。
 車椅子使用者のための傾斜路は1/12以下とします。
 ただし、高さ160mm以下の場合は1/8以下での計画も可能となります。

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02

1. 記述は正しいです
 水飲み器は、飲み口を床高700~800㎜とし、操作はボタン式やセンサー式として使いやすくするようにします。

2. 記述は誤りです
 コンセントの高さは、床から300~1,100㎜程度として使い勝手を配慮しなければなりません。

3. 記述は正しいです
 このほか、高さ900㎜程度にバーハンドルを設けたり、開閉ブレーキ機構を付けたりして対応します。

4. 記述は正しいです
 フットレスト当たりや車いす対応の巾木は、高さ350程度のものを取り付けて壁を保護します。

5. 記述は正しいです
 屋内傾斜路は1/12とします。
ただし、高さが160㎜以下の段差では、1/8の傾斜路としても良いことになっています。

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03

最も不適当なのは、「コンセントの中心高さは、抜き差しを考慮して、床面から250 mmとした。」という記述です。

車椅子使用者は、床に近い位置まで体をかがめることが難しい場合があります。そのため、コンセントは一般的な低い位置ではなく、床面から400 mm程度の使いやすい高さに設けることが望ましいです。国土交通省の建築設計標準でも、電気のコンセントは仕上げ床面から400 mm程度に設置する考え方が示されています。

選択肢1. 水飲み器は、操作部が手動式のものを採用した。

この記述は適当です。

車椅子使用者が利用する水飲み器では、座った状態でも操作しやすいことが大切です。

給水栓には、ボタン式やレバー式など、手で操作できる方式を用いることができます。また、センサーで作動する方式も利用しやすいものです。

国土交通省の建築設計標準でも、光電管式、ボタン式、レバー式などが示されています。

選択肢2. コンセントの中心高さは、抜き差しを考慮して、床面から250 mmとした。

この記述は不適当です。

床面から250 mmでは低いため、車椅子に座った状態からコンセントを抜き差しする際に、前かがみになって手を伸ばす必要があります。

車椅子使用者への使いやすさを考える場合は、コンセントの中心を床面から400 mm程度とすることが望ましいです。

したがって、250 mmとした点が適切ではありません。

選択肢3. 引戸には、引手とドア枠の間に手が挟まれないように、引き残しを設けた。

この記述は適当です。

引き残しとは、引戸を全開にしたときでも、戸の一部分を壁や戸袋の外に残しておくことです。

戸が完全に壁の中へ入り込まないようにすることで、引手をつかんだ手がドア枠などに挟まれることを防ぎやすくなります

車椅子使用者だけでなく、高齢者などにも安全な計画です。

選択肢4. 建具枠には、車椅子のフットレストや車輪との接触によって傷がつくのを防ぐために、床面からの高さ350 mm程度まで金属板のカバーを設けた。

この記述は適当です。

車椅子で出入口を通るときには、フットレストや車輪が建具枠などに接触することがあります。

そこで、接触しやすい低い部分を金属板などで保護すると、建具の傷や破損を防ぐことができます。

床面から350 mm程度まで保護する計画は、車椅子のフットレストや車輪が当たりやすい範囲を考えたものです。

選択肢5. 高低差170 mmの屋内傾斜路は、勾配を 1/12 とした。

この記述は適当です。

車椅子使用者が利用する傾斜路は、急すぎると自力で上ることが難しくなり、下りるときにも危険になります。

屋内の傾斜路では、原則として勾配を1/12以下とすることが基本です。

高低差が160 mm以下であれば1/8以下とできる場合がありますが、この記述の高低差は170 mmなので、その特例には当たりません。

したがって、勾配を1/12とする計画は適切です。実際の二級建築士試験の問題文でも、この条件で出題されています。

まとめ

この問題では、車椅子使用者が無理なく操作できる高さや、安全に移動できる寸法を考えることがポイントです。

特にコンセントは、一般的な低い位置に設けると、車椅子に座った状態では手が届きにくくなります。

そのため、

コンセントの高さ=床面から400 mm程度

を目安にすると分かりやすいです。

また、

引戸には手を挟みにくくする引き残しを設ける

建具の低い部分は車椅子との接触に備えて保護する

高低差170 mmの屋内傾斜路は1/12程度とする

といった配慮もあわせて押さえておくとよいです。

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