二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問5 (学科1(建築計画) 問5)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問5(学科1(建築計画) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 木材の熱伝導率は、一般に、グラスウールの3~4倍程度である。
  • 中空層において、内部が真空であっても、放射によって熱移動が生じる。
  • 窓付近に生じるコールドドラフトは、室内空気が窓のガラス面で冷やされることによって重くなり、床面に向けて降下する現象である。
  • 白色ペイント塗りの壁においては、短波長放射である可視光線の反射率は低く、長波長放射である赤外線の反射率は高い。
  • 壁体の屋外側表面の熱伝達抵抗は、一般に、室内側表面の熱伝達抵抗に比べて小さい。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.正しいです。
 熱伝導率とは、材料内の熱の伝わりやすさを表す指標になります。
 木材の熱伝導率は0.12[W/(m•K)]であり、グラスウールの熱伝導率は0.047[W/(m•K)]です。

2.正しいです。
 我々が太陽からの熱エネルギーを受けとっているように、真空中においても熱移動は発生します。

3.正しいです。
 冬季において、冷やされた空気が床面に向けて下降することで、居住者が冷たい空気を直接受けるために不快感が生じます。
 窓付近に上向きの吹き出しを行うファンコイルユニットを設けることでコールドドラフトを防止することができます。

4.誤りです。
 白色系の壁は、可視光線等の短波長放射は反射率が高くなり、赤外線等の長波長放射は吸収率が高くなります。

5.正しいです。
 熱伝達抵抗は、熱の伝わりにくさを表す値として用いられます。壁の表面が粗く、壁面に当たる気流が速いほど熱は伝わりやすいため、熱抵抗は小さくなります。そのため、気流の影響を受けやすい屋外側表面の熱伝達抵抗は小さくなります。

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02

1. 記述は正しいです
 木材の熱伝導率は、樹種によりますが0.15W/(m・K)前後です。
 グラスウールの熱伝導率は0.04W/(m・K)となります。
他の材料の熱伝導率も確認・比較しておきましょう。

2. 記述は正しいです
 真空の熱伝導率は、空気の分子が存在しないためゼロになります。
ただし、真空層を挟む物体同士で放射による熱のやり取りをすることになります。

3. 記述は正しいです
 窓下に暖房器具を設置するように計画するのは、コールドドラフト対策をしてペリメータゾーンとインテリアゾーンの温度差を小さくするためでもあります。

4. 記述は誤りです
 色彩の指標において、明度が高く(限りなく白く)なると反射率は高くなります。
マンセル表色系における明度の指標は、ゼロが限りなく黒で10が限りなく白を示すので混同しないように整理しておきましょう。

5. 記述は正しいです
 壁面の表面に当たる風速が大きいと、温度境界層が乱されるため熱伝達率は大きくなります。
すなわち、風の吹かない室内と風が吹く屋外では、屋外の方が熱伝導率は大きく(熱抵抗は小さく)なります。

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03

最も不適当なのは、「白色ペイント塗りの壁においては、短波長放射である可視光線の反射率は低く、長波長放射である赤外線の反射率は高い。」という記述です。

白色の表面は、可視光線をよく反射するため白く見えます。したがって、可視光線の反射率は高いです。

一方、一般的な白色ペイントは長波長の赤外線をよく放射・吸収する性質があり、赤外線の反射率は低いです。記述では、この関係が逆になっています。

選択肢1. 木材の熱伝導率は、一般に、グラスウールの3~4倍程度である。

この記述は適当です。

熱伝導率とは、材料の中を熱がどれくらい伝わりやすいかを表す値です。値が小さいほど、熱を通しにくい材料です。

一般的な木材の熱伝導率は、断熱材として使われるグラスウールより大きく、おおむね3~4倍程度になります。

そのため、グラスウールは木材よりも熱を通しにくく、断熱材として使われます。

選択肢2. 中空層において、内部が真空であっても、放射によって熱移動が生じる。

この記述は適当です。

熱の伝わり方には、主に伝導・対流・放射があります。

伝導や対流には、空気などの物質が必要です。そのため、真空にすると伝導や対流による熱移動はほとんど起こりません。

しかし、放射は電磁波によって熱が伝わるため、真空でも熱を伝えることができます。太陽の熱が宇宙空間を通って地球まで届くのも、この放射によるものです。

選択肢3. 窓付近に生じるコールドドラフトは、室内空気が窓のガラス面で冷やされることによって重くなり、床面に向けて降下する現象である。

この記述は適当です。

冬に窓ガラスの表面温度が低くなると、窓の近くにある室内の空気が冷やされます。

冷えた空気は暖かい空気より密度が大きくなるため、窓に沿って床の方向へ流れ落ちます

この冷たい下降気流をコールドドラフトといいます。足元が寒く感じられる原因の一つです。

選択肢4. 白色ペイント塗りの壁においては、短波長放射である可視光線の反射率は低く、長波長放射である赤外線の反射率は高い。

この記述は不適当です。

白色ペイントは、目に見える光である可視光線を多く反射するため白く見えます。したがって、可視光線の反射率は高くなります。

一方、一般的な白色ペイントは長波長の赤外線については放射率・吸収率が高く、反射率は低くなります。

したがって、正しくは、

可視光線の反射率は高い

長波長の赤外線の反射率は低い

となります。

選択肢5. 壁体の屋外側表面の熱伝達抵抗は、一般に、室内側表面の熱伝達抵抗に比べて小さい。

この記述は適当です。

熱伝達抵抗とは、壁などの表面で熱が移動しにくい程度を表します。

屋外では風が当たるため、壁の表面と外気との間で熱が移動しやすくなります。そのため、屋外側では熱伝達率が大きくなり、その逆数である熱伝達抵抗は小さくなります

一方、室内側は屋外ほど強い風を受けないため、一般に屋外側より熱伝達抵抗が大きくなります。

まとめ

この問題では、熱伝導・放射・コールドドラフト・表面の反射率・熱伝達抵抗についての基本的な性質が問われています。

特に重要なのは、白色表面の放射に対する性質です。

白色ペイントは、

可視光線などの短波長放射 → 反射率が高い

赤外線などの長波長放射 → 反射率が低い

という性質があります。

また、熱の伝わり方については、真空でも放射による熱移動は起こることも押さえておくとよいです。

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