二級建築士 過去問
平成30年(2018年)
問88 (学科4(建築施工) 問13)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

二級建築士試験 平成30年(2018年) 問88(学科4(建築施工) 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 高力ボルトの締付け作業において、一群のボルトの締付けは、群の周辺部から中央に向かう順序で行った。
  • 高力ボルト用の孔あけ加工は、接合面をブラスト処理する前にドリルあけとした。
  • 完全溶込み溶接における余盛りは、母材表面から滑らかに連続する形状とした。
  • 溶接部の清掃作業において、溶接に支障のないミルスケールは、除去せずに存置した。
  • デッキプレート相互の接合は、アークスポット溶接により行った。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。


1、高力ボルトの締付け作業において一群のボルトの締付けは、群の中央から周辺部に向かう順序で行います。
したがって誤りの記述となります。

2、 高力ボルト用の孔あけ加工は、接合面をブラスト処理する前にドリルあけとします。
したがって正しい記述となります。

3、完全溶込み溶接における余盛りは、母材表面から滑らかに連続する形状とします。
したがって正しい記述となります。

4、溶接部の清掃作業において、溶接に支障のないミルスケールは除去しなくても問題ありません。
したがって正しい記述となります。

5、デッキプレート相互の接合は、アークスポット溶接により行います。
したがって正しい記述となります。

参考になった数25

02

1. 記述は誤りです
 高力ボルトの一群による締め付け順序は、中央部をあらかじめ固定してから外側に向かって締め付けることで、ずれを生じることなく施工精度が上がります。

2. 記述は正しいです
 孔あけ時に、母材の微量のゆがみがあってもその後のブラスト処理で調整できるため、あらかじめ孔あけ加工を施しておきます。

3. 記述は正しいです
 余盛りが滑らかでないと、応力が偏って負担するようになるため、仕上がりがデコボコせず、連続するように施工します。

4. 記述は正しいです
 施工上支障のない固着したミルスケールについては、施工面とその周辺はそのままにしてもかまいません。

5. 記述は正しいです
 デッキプレートの溶接では、プレートの面側のせん断力を伝達する場合はアークスポット溶接か隅肉溶接としなければなりません。

参考になった数11

03

最も不適当なのは、「高力ボルトの締付け作業において、一群のボルトの締付けは、群の周辺部から中央に向かう順序で行った。」です。

一群の高力ボルトは、群の中央部から周辺部に向かって締め付けるのが基本です。周辺部から中央へ締め付けると、接合する鋼材にずれやすき間が残るおそれがあります。

選択肢1. 高力ボルトの締付け作業において、一群のボルトの締付けは、群の周辺部から中央に向かう順序で行った。

この記述が最も不適当です。

高力ボルトが多数ある接合部では、まず中央付近を締め付け、その後、外側へ向かって順に締め付けます。

つまり、

中央部→周辺部

の順です。

中央から外側へ締めることで、接合する鋼板を密着させながら、ずれや変形を外側へ逃がすことができます。

したがって、「周辺部から中央に向かう」とした部分が逆です。一般的な鉄骨工事の施工基準でも、一群の高力ボルトは中央部から周辺部へ締め付ける方法が採られています。

選択肢2. 高力ボルト用の孔あけ加工は、接合面をブラスト処理する前にドリルあけとした。

この記述は適当です。

高力ボルト用の孔は、原則としてドリルによって孔あけ加工を行います。

また、高力ボルト摩擦接合の接合面をブラスト処理する場合は、

孔あけ加工→ブラスト処理

の順で施工します。

ブラスト処理をした後に孔をあけると、孔あけによって生じたばりや加工くずなどで、せっかく処理した摩擦面を傷めるおそれがあります。

選択肢3. 完全溶込み溶接における余盛りは、母材表面から滑らかに連続する形状とした。

この記述は適当です。

余盛りとは、溶接した部分が母材の表面より少し盛り上がっている部分です。

この部分に急な段差や大きな凹凸があると、そこに応力が集中して、ひび割れなどの原因になることがあります。

そのため、完全溶込み溶接の余盛りは、母材表面から滑らかにつながる形状とすることが大切です。現行の公共建築工事標準仕様書でも、溶接部の表面は可能な限り滑らかなものとする考え方が示されています。

選択肢4. 溶接部の清掃作業において、溶接に支障のないミルスケールは、除去せずに存置した。

この記述は適当です。

ミルスケールとは、鋼材を製造するときに表面にできる酸化皮膜です。

溶接部分には、油、さび、水分など、溶接に悪影響を与えるものがないようにする必要があります。

ただし、鋼材表面にしっかり付着していて、溶接作業に支障のないミルスケールまで必ず除去する必要はありません

選択肢5. デッキプレート相互の接合は、アークスポット溶接により行った。

この記述は適当です。

デッキプレートは、床をつくるために使われる薄い鋼板です。

デッキプレートどうしを接合する方法の一つとして、アークスポット溶接があります。

アークの熱を利用して局部的に溶接し、隣り合うデッキプレートを固定します。この方法はデッキプレートの施工で用いられる一般的な接合方法の一つです。

まとめ

この問題では、一群の高力ボルトを締め付ける順序がポイントです。

高力ボルトは、

中央部→周辺部

の順に締め付けます。

中央から外側に向かって締め付けることで、接合面を密着させながら、鋼材のずれなどを外側へ逃がしやすくなります。

したがって、「周辺部から中央に向かって締め付けた」とする記述が最も不適当です。

あわせて、高力ボルト孔はブラスト処理前にドリルあけ、完全溶込み溶接の余盛りは滑らかに仕上げる、溶接に支障のない固着したミルスケールは残してよい、デッキプレート相互の接合にはアークスポット溶接を用いることができるという点も整理しておくとよいです。

参考になった数0