二級建築士 過去問
平成30年(2018年)
問70 (学科3(建築構造) 問20)

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問題

二級建築士試験 平成30年(2018年) 問70(学科3(建築構造) 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

建築材料として使用される木材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 含水率が繊維飽和点以下の木材において、膨張・収縮は、ほぼ含水率に比例する。
  • 木材(心持ち材)の収縮率が接線方向と半径方向とで大きく異なることは、乾燥割れの原因の一つである。
  • 木材の繊維方向の基準強度の大小関係は、一般に、圧縮 > 引張り > 曲げである。
  • 木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分及び栄養素の全ての条件が満たされた環境下でなければ繁殖しない。
  • 木材の熱伝導率は、一般に、鋼材の熱伝導率に比べて小さい。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 記述は正しいです
 含水率は、絶乾状態から繊維飽和点までの範囲において、膨張・伸縮量と比例関係にあります。

2. 記述は正しいです
 木材の伸縮量に関して、接線方向は5~10%、半径方向は2~5%ですので、
ねじれや割れの原因となります。

3. 記述は誤りです
 繊維方向の木材強度は、
  曲げ > 圧縮 > 引張り > せん断
 となります。

4. 記述は正しいです
 木材に限らず室内などに発生するカビなどは、酸素・温度・水分をコントロールすることで抑制することができます。

5. 記述は正しいです
 木材は、構造材の中で熱伝導率が比較的小さい材料なので、断熱性能を要する建築物に多く用いられます。

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02

正解は3です。


1、含水率が繊維飽和点以下の木材において、膨張・収縮はほぼ含水率に比例します。
また膨張・収縮の大小関係は「接線方向 > 半径方向 > 繊維方向」になります。
したがって正しい記述となります。

2、 木材(心持ち材)の収縮率が接線方向と半径方向とで大きく異なることは、乾燥割れの原因の一つになります。
したがって正しい記述となります。

3、木材の繊維方向の基準強度の大小関係は、「曲げ > 圧縮 > 引張り > せん断」になります。
したがって誤りの記述となります。

4、木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分及び栄養素の全ての条件が満たされた環境下でなければ繁殖はしません。
そのためどれか一つでも条件を満たさなければ腐朽は起こりません。
したがって正しい記述となります。

5、木材の熱伝導率は、鋼材の熱伝導率に比べて小さいです。
したがって正しい記述となります。

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03

最も不適当なのは、「木材の繊維方向の基準強度の大小関係は、一般に、圧縮>引張り>曲げである。」です。

木材の繊維方向の強度は、一般に曲げ>圧縮>引張りの順になります。

したがって、「圧縮>引張り>曲げ」としている点が誤りです。

選択肢1. 含水率が繊維飽和点以下の木材において、膨張・収縮は、ほぼ含水率に比例する。

この記述は適当です。

木材の中には、細胞の壁に含まれる水分と、細胞のすき間にある水分があります。

木材を乾燥させていき、細胞のすき間の水分がなくなって、細胞壁の中にだけ水分が残っている状態を繊維飽和点といいます。

含水率が繊維飽和点より低くなると、細胞壁から水分が抜けるため木材は収縮します。反対に水分を吸えば膨張します。

この範囲では、膨張・収縮の大きさは、ほぼ含水率の変化に比例します。

選択肢2. 木材(心持ち材)の収縮率が接線方向と半径方向とで大きく異なることは、乾燥割れの原因の一つである。

この記述は適当です。

木材は、どの方向にも同じように縮むわけではありません。

年輪に沿う接線方向の収縮が大きく、年輪に直角な半径方向の収縮はそれより小さくなります

特に心持ち材では、この収縮量の違いによって木材の内部に力が生じ、乾燥すると割れが発生しやすくなります

選択肢3. 木材の繊維方向の基準強度の大小関係は、一般に、圧縮 > 引張り > 曲げである。

この記述が最も不適当です。

木材の繊維方向の基準強度は、一般に、

曲げ>圧縮>引張り

の順です。

曲げを受ける部材では、断面の一方に圧縮、反対側に引張りが生じますが、基準強度としては曲げが大きな値になります。

したがって、

圧縮>引張り>曲げ

という順序は適切ではありません。

選択肢4. 木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分及び栄養素の全ての条件が満たされた環境下でなければ繁殖しない。

この記述は適当です。

木材を腐らせる腐朽菌が活動するには、主に、

酸素

適した温度

水分

栄養分となる木材

が必要です。

どれか一つでも十分でなければ、腐朽菌は活動しにくくなります。

そのため、建築では木材を乾燥した状態に保つことが、腐朽を防ぐうえでとても重要です。

選択肢5. 木材の熱伝導率は、一般に、鋼材の熱伝導率に比べて小さい。

この記述は適当です。

熱伝導率とは、材料がどれくらい熱を伝えやすいかを表す値です。

木材は鋼材に比べて熱を伝えにくいため、熱伝導率は小さくなります。

そのため、木材は触ったときにも、鋼材ほど急に熱や冷たさが伝わりません。

まとめ

この問題では、木材の強度の大小関係がポイントです。

木材の繊維方向の基準強度は、一般に、

曲げ>圧縮>引張り

の順です。

したがって、「圧縮>引張り>曲げ」とした記述が最も不適当です。

あわせて、

繊維飽和点以下では、膨張・収縮は含水率の変化にほぼ比例する

接線方向と半径方向の収縮差は、乾燥割れの原因になる

腐朽菌には酸素・温度・水分・栄養素が必要

木材は鋼材より熱を伝えにくい

という点も押さえておくとよいです。

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