二級建築士 過去問
平成30年(2018年)
問67 (学科3(建築構造) 問17)
問題文
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問題
二級建築士試験 平成30年(2018年) 問67(学科3(建築構造) 問17) (訂正依頼・報告はこちら)
- 軒の高さが9mを超える、又は張り間が13mを超える建築物の構造耐力上主要な部分には、原則として、普通ボルトを使用してはならない。
- 一つの継手に高力ボルトと普通ボルトを併用する場合には、一般に、全応力を高力ボルトが負担するものとして設計する。
- トラス部材の接合部は存在応力を十分に伝えるものとし、その耐力は部材の許容応力の1/2以下であってはならない。
- 隅肉溶接においては、一般に、接合しようとする母材間の角度が60度以下、又は120度以上である場合、溶接部に応力を負担させてはならない。
- 溶接接合において、隅肉溶接のサイズは、一般に、薄いほうの母材の厚さを超える値とする。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、軒の高さが9mを超える、又は張り間が13mを超える建築物の構造耐力上主要な部分には、原則、普通ボルトは使用できません。
したがって正しい記述となります。
2、 一つの継手に高力ボルトと普通ボルトを併用する場合には、全応力を高力ボルトが負担するものとして設計します。
したがって正しい記述となります。
3、トラス部材の接合部は存在応力を十分に伝えるものとし、その耐力は部材の許容応力の1/2以下となってはいけません。
トラス部材は応力が集中する箇所ではないため、部材より耐力は少なくなっても大丈夫という考え方になります。
したがって正しい記述となります。
4、隅肉溶接において接合しようとする母材間の角度が60度以下又は120度以上である場合、溶接部に応力を負担させてはいけません。
したがって正しい記述となります。
5、溶接接合において隅肉溶接のサイズは、薄いほうの母材の厚さ以下とします。超える値ではありません。
したがって誤りの記述となります。
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02
記述のほか、衝撃・振動・繰り返し荷重が生じる部分には、普通ボルトを使用してはいけません。
2. 記述は正しいです
高力ボルトと普通ボルトの併用の場合、普通ボルトはその部分の固定の役割を果たし、構造的に効果を発揮しません。
3. 記述は正しいです
ボルト接合部が柱梁などの架構部よりも弱いと、接合部自体が弱点となります。
架構の力の流れを妨げないようにする為に、接合部分の応力は架構部の応力の1/2を超えるように計画します。
4. 記述は正しいです
母材角度60°以下、120°以上の隅肉溶接では、溶接部に応力を負担できないため、あくまでも固定をするために施工することになります。
5. 記述は誤りです
異なる母材厚の場合は、薄い母材厚以下の数値を採用して隅肉溶接のサイズを決定します。
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03
最も不適当なのは、「溶接接合において、隅肉溶接のサイズは、一般に、薄いほうの母材の厚さを超える値とする。」です。
隅肉溶接のサイズは、一般に、接合する母材のうち薄いほうの板厚以下とします。したがって、「薄いほうの母材の厚さを超える値」としている点が逆です。平成30年の二級建築士試験の問題文でも、この内容が出題されています。
この記述は適当です。
鉄骨造の構造耐力上主要な部分の接合には、原則として、高力ボルト接合、溶接接合などの確実な接合方法を用います。
普通ボルトによる接合が認められるのは、原則として、軒の高さ9m以下、かつ、張り間13m以下などの条件を満たす一定の建築物です。
したがって、軒の高さが9mを超える場合や、張り間が13mを超える場合には、原則として普通ボルトを使用できないとする記述は適切です。現行の建築基準法施行令第67条にも、この考え方が定められています。
この記述は適当です。
高力ボルトと普通ボルトでは、力を伝える仕組みや変形のしかたが異なります。
そのため、同じ継手に両方を使ったからといって、高力ボルトと普通ボルトが同時に同じように応力を分担するものとは考えません。
一般には、全応力を高力ボルトが負担するものとして設計します。
この記述は適当です。
トラスでは、各部材に生じる引張力や圧縮力を、接合部を通して確実に次の部材へ伝える必要があります。
そのため接合部は、実際に生じる存在応力を十分に伝えられることが必要です。
さらに、接合部の耐力は、部材そのものが持つ許容耐力に対して小さすぎてはいけないため、部材の許容応力の1/2を下回らない耐力を確保します。
この記述は適当です。
隅肉溶接で応力を負担させる場合、母材どうしの角度が極端に狭かったり広かったりすると、適切な溶接形状を確保しにくくなります。
そのため、一般に、母材間の角度は60度から120度の範囲で考えます。
この範囲から外れる場合には、通常の隅肉溶接として応力を負担させない扱いとします。
この記述が最も不適当です。
隅肉溶接の「サイズ」とは、隅肉溶接の大きさを表す寸法です。
接合する2枚の母材の厚さが異なる場合、一般に、隅肉溶接のサイズは、
薄いほうの母材の厚さ以下
とします。
例えば、板厚が6mmと9mmの鋼材を接合する場合、一般的な考え方では、隅肉溶接のサイズを薄いほうの6mmを超える値にはしません。
したがって、「薄いほうの母材の厚さを超える値とする」とした部分が誤りです。
この問題では、隅肉溶接のサイズと母材厚さの関係がポイントです。
一般に、
隅肉溶接のサイズ≦薄いほうの母材の厚さ
と考えます。
したがって、「薄いほうの母材の厚さを超える値とする」とした記述が最も不適当です。
あわせて、
大規模な鉄骨造の主要部分では普通ボルトを原則使用しない
高力ボルトと普通ボルトを併用する場合は、全応力を高力ボルトに負担させる
トラスの接合部には必要な耐力を確保する
隅肉溶接で応力を負担させる母材間の角度には制限がある
という点も整理しておくとよいです。
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