二級建築士 過去問
平成29年(2017年)
問18 (学科1(建築計画) 問18)

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問題

二級建築士試験 平成29年(2017年) 問18(学科1(建築計画) 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

まちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • クリストファー・アレグザンダーが提唱したパタン・ランゲージは、建築や環境の合理的な設計手法で、住民参加のまちづくりや建築を目指したものである。
  • ラドバーン方式は、中心市街地への自動車の流入を減らすため、周辺の駅に整備された駐車場まで自動車で行き、そこから公共交通機関を利用して中心市街地へ移動する手法である。
  • 景観法の特色の一つは、住民等による景観計画の策定・提案ができることである。
  • ボンエルフは、住宅地の道路において、歩行者と自動車の共存を図るための手法である。
  • 都市部において街区全体の防災性能を高める方法として、個々の建築物の建替に際しての、共同建替、協調建替がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

1.クリストファー・アレグザンダーが提唱したパタン・ランゲージとは、建物や都市、家具などの繰り返し生じる空間の規則性(パタン)を抽出して、言語(ランゲージ)として使えるようにする試みで、住民参加のまちづくりや建築を目指したものです。

2.記述はパークアンドライドのことです。
ラドバーン方式とは、人の動線と車の動線が交差しないよう、平面的に歩車を分離させる計画のことです。

3.景観法とは、良好な景観の形成を促進することを目的とし制定された法律です。
住民によって景観計画の策定または変更を提案することができると定められています。

4.ボンエルフとは、住宅地の道路において、人と車の共存を図るため、物理的に車のスピードを抑制し、車道と歩道の区分をしない手法のことです。
具体的には、舗装面の凹凸(ハンプ)によって車のスピードを抑えたり、適当な間隔で屈折部を設けたシケインと呼ばれる手法等があります。

5.共同建替、協調建替どちらも密集住宅市街地などで、老朽化した住宅等を建て替えるときの方式です。
適用条件の中には構造(耐火・準耐火)の規定もあるため、街区全体の防火性能を高める方法として期待できます。

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02

正解は2です。

1-設問の通りです。

2-設問はパークアンドライドの説明です。
 ラドバーン方式は、住宅地において人と車を平面的に分離する歩車分離方式のことです。

3-設問の通りです。
 景観法の目的は、この国の都市や農山漁村等の良好な景観の形成を促進することです。

4-設問の通りです。

5-設問の通りです。

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03

最も不適当なのは、「ラドバーン方式は、中心市街地への自動車の流入を減らすため、周辺の駅に整備された駐車場まで自動車で行き、そこから公共交通機関を利用して中心市街地へ移動する手法である。」です。

この説明は、ラドバーン方式ではなくパーク・アンド・ライドです。ラドバーン方式は、住宅地の中で歩行者の通路と自動車の通路を分け、安全な歩行空間をつくる計画手法です。国立公文書館の資料でも、クルドサックや歩行者専用道による歩車分離をラドバーン方式として説明しています。

選択肢1. クリストファー・アレグザンダーが提唱したパタン・ランゲージは、建築や環境の合理的な設計手法で、住民参加のまちづくりや建築を目指したものである。

この記述は適当です。

パタン・ランゲージは、建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した考え方です。

建物やまちをつくるときによく現れる問題と、その解決方法を「パタン」としてまとめ、それらを言葉のように組み合わせて設計に利用します。

専門家だけでなく、住民も設計やまちづくりに参加しやすくする考え方であることが特徴です。

選択肢2. ラドバーン方式は、中心市街地への自動車の流入を減らすため、周辺の駅に整備された駐車場まで自動車で行き、そこから公共交通機関を利用して中心市街地へ移動する手法である。

この記述が不適当です。

ラドバーン方式は、住宅地の中で歩行者と自動車の動線を分離する手法です。

自動車道路をクルドサック(袋小路)などとし、それとは別に歩行者専用の通路を設けることで、歩行者が自動車と交わりにくい安全な住宅地をつくります。

一方、

自動車で駅などの駐車場まで行く

自動車を駐車する

鉄道やバスなどに乗り換える

という方法は、パーク・アンド・ライドです。中心市街地への自動車の流入を抑える方法として利用されています。

選択肢3. 景観法の特色の一つは、住民等による景観計画の策定・提案ができることである。

この記述は適当です。

景観法には、住民等が景観計画について提案できる制度があります。

一定の条件を満たした土地所有者などは、景観計画の案を景観行政団体に提案できます。景観法第11条にも「住民等による提案」が定められています。

なお、住民がそのまま正式な景観計画を決定するのではなく、住民等が計画案を提案し、景観行政団体がその内容を検討する仕組みです。

選択肢4. ボンエルフは、住宅地の道路において、歩行者と自動車の共存を図るための手法である。

この記述は適当です。

ボンエルフは、道路を歩行者だけ、自動車だけに完全に分けるのではなく、歩行者と自動車が安全に共存できるようにする考え方です。

自動車が速く走りにくい道路形状などを用いて、歩行者を優先した生活空間をつくります。国土交通省の資料でも、ボンエルフに関連する整備を「歩車共存道路」として扱っています。

ラドバーン方式が歩車分離なのに対し、ボンエルフは歩車共存と整理すると覚えやすくなります。

選択肢5. 都市部において街区全体の防災性能を高める方法として、個々の建築物の建替に際しての、共同建替、協調建替がある。

この記述は適当です。

建物が密集している市街地では、一つ一つの建物をばらばらに建て替えるだけでなく、複数の土地や建物をまとめて建て替える「共同建替」や、周囲と計画を合わせながら建て替える「協調建替」を行う方法があります。

これによって道路や空地を確保しやすくなり、街区全体の防災性を高めることにつながります。国土交通省も、密集市街地の整備において共同・協調建替を進める考え方を示しています。

まとめ

この問題では、まちづくりに関する手法の名称と内容を正しく結び付けることがポイントです。

特に重要なのは、

ラドバーン方式=歩行者と自動車を分離する「歩車分離」

ボンエルフ=歩行者と自動車を共存させる「歩車共存」

パーク・アンド・ライド=自動車を駅などの駐車場に置き、公共交通機関へ乗り換える

という違いです。

今回の「周辺の駅まで自動車で行き、そこから公共交通機関を利用する」という説明は、ラドバーン方式ではなくパーク・アンド・ライドを表しています。

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