二級建築士 過去問
平成29年(2017年)
問17 (学科1(建築計画) 問17)

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問題

二級建築士試験 平成29年(2017年) 問17(学科1(建築計画) 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者等に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
※工業標準化法が改正されたことにより、令和元年(2019年)7月1日より、「日本工業規格(JIS)」は「日本産業規格(JIS)」に変わりました。
<参考>
 それに伴い、当設問の選択肢中の文言を変更しました。
  • 居室の作業領域の照度を、日本産業規格(JIS)における照明基準の2倍とした。
  • 車椅子使用者に配慮し、記帳などを行う受付カウンターの上端の高さを、床面から720mmとした。
  • 屋内階段の手摺(すり)の端部は、上下階でそれぞれ水平に450mm延ばし、壁面側に曲げた。
  • 車椅子使用者が利用する屋内傾斜路には、高さ900mmごとに踊場を設けた。
  • 階段のノンスリップ(滑り止め)は、踏面と同一面とした。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「車椅子使用者が利用する屋内傾斜路には、高さ900mmごとに踊場を設けた。」です。

選択肢1. 居室の作業領域の照度を、日本産業規格(JIS)における照明基準の2倍とした。

設問は正しいです。

 高齢者の利用する室は、視力低下を考慮し、照度を高くします。

 特に作業領域はJISの照明基準の2倍とするのが望ましいとされています。

選択肢2. 車椅子使用者に配慮し、記帳などを行う受付カウンターの上端の高さを、床面から720mmとした。

設問は正しいです。

 車椅子使用者に配慮した受付カウンターの高さは、700㎜程度とし、カウンターの下部はフットレストが入るように、高さ600~650㎜程度、奥行450㎜程度のスペースを確保します。

選択肢3. 屋内階段の手摺(すり)の端部は、上下階でそれぞれ水平に450mm延ばし、壁面側に曲げた。

設問は正しいです。

 手すりの直径は30~40㎜程度とすると高齢者にも握りやすいです。

選択肢4. 車椅子使用者が利用する屋内傾斜路には、高さ900mmごとに踊場を設けた。

傾斜路の踊り場は高さ750㎜以下ごとに設けなければなりません。

選択肢5. 階段のノンスリップ(滑り止め)は、踏面と同一面とした。

設問は正しいです。

 高齢者等は少しの段差でも転倒の危険へ繋がるため、ノンスリップも踏面と同一面とします。

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02

正解は「車椅子使用者が利用する屋内傾斜路には、高さ900mmごとに踊場を設けた。」です。

選択肢1. 居室の作業領域の照度を、日本産業規格(JIS)における照明基準の2倍とした。

作業領域の照度は、日本産業規格(JIS)における照明基準の1.5~2倍程度とします。

選択肢2. 車椅子使用者に配慮し、記帳などを行う受付カウンターの上端の高さを、床面から720mmとした。

車椅子使用者が利用する、記帳などを行う受付カウンターの上端高さは、700~750㎜程度にします。

また、カウンター下部には高さ600㎜、奥行450㎜程度のクリアランスを設けます。

選択肢3. 屋内階段の手摺(すり)の端部は、上下階でそれぞれ水平に450mm延ばし、壁面側に曲げた。

階段の手摺の端部は、水平に300~500㎜程度延ばし、体をぶつけたり衣服が引っ掛からないように、壁側または下側に曲げます。

選択肢4. 車椅子使用者が利用する屋内傾斜路には、高さ900mmごとに踊場を設けた。

車椅子使用者が利用する屋内傾斜路は、高さが750㎜を超えるものには、高さ750㎜以内ごとに踏幅が1,500㎜以上の踊り場を設けなければなりません。

選択肢5. 階段のノンスリップ(滑り止め)は、踏面と同一面とした。

階段のノンスリップ(滑り止め)は、転落防止のため、踏面と同一面に設置します。

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03

最も不適当なのは、「車椅子使用者が利用する屋内傾斜路には、高さ900mmごとに踊場を設けた。」です。

車椅子使用者が利用する傾斜路では、長い坂を続けると移動の負担が大きくなります。そのため、一定の高さごとに休んだり方向を整えたりできる踊場を設けます。

建築物のバリアフリーに関する基準では、高さ75cm以内ごとに踊場を設けることが求められています。したがって、高さ900mmごとでは間隔が大きすぎます。

選択肢1. 居室の作業領域の照度を、日本産業規格(JIS)における照明基準の2倍とした。

この記述は適当です。

高齢になると、若い人に比べて同じ明るさでも暗く感じやすくなります。そのため、文字を読んだり細かい作業をしたりする場所では、一般的な照明基準より明るくすることが望ましいです。

高齢者に配慮する場合は、作業する場所の照度をJISの照明基準の1.5~2倍程度とする考え方があります。したがって、2倍とする計画は適切です。

選択肢2. 車椅子使用者に配慮し、記帳などを行う受付カウンターの上端の高さを、床面から720mmとした。

この記述は適当です。

車椅子に座ったまま記帳する場合、カウンターが高すぎると腕を上げる必要があり、使いにくくなります。

記帳などを行うカウンターは、床面から700mm程度の高さが使いやすい目安です。720mmであれば、この範囲に近く、車椅子使用者が利用しやすい高さです。

選択肢3. 屋内階段の手摺(すり)の端部は、上下階でそれぞれ水平に450mm延ばし、壁面側に曲げた。

この記述は適当です。

階段の手すりは、階段部分だけで終わらせず、上り始めや下り終わりの部分まで水平に延ばすと、安全に体を支えやすくなります。

また、端部を壁側に曲げることで、衣服やかばんなどが手すりの先端に引っ掛かる危険を減らせます。

450mm程度水平に延ばし、端部を壁側に曲げる計画は、高齢者などの安全に配慮したものです。

選択肢4. 車椅子使用者が利用する屋内傾斜路には、高さ900mmごとに踊場を設けた。

この記述が不適当です。

車椅子で長い傾斜路を一気に上るのは大きな負担になります。そのため、途中に水平な踊場を設けて、休憩や安全確認ができるようにします。

傾斜路では、高さ75cm以内ごとに、踏幅150cm以上の踊場を設けることが基準となっています。

900mmは90cmなので、

900mm>750mm

となり、踊場を設ける間隔として大きすぎます。

したがって、900mmごとではなく、高さ750mm以内ごととする必要があります。

選択肢5. 階段のノンスリップ(滑り止め)は、踏面と同一面とした。

この記述は適当です。

ノンスリップは、階段の先端部分で足が滑ることを防ぐためのものです。

しかし、ノンスリップが踏面より大きく出っ張っていると、足先が引っ掛かって転倒する原因になることがあります。

そのため、高齢者などの安全に配慮する場合は、ノンスリップをできるだけ踏面と同一面にすることが望ましいです。国土交通省の住宅設計に関する指針でも、この考え方が示されています。

まとめ

この問題で特に重要なのは、車椅子使用者が利用する傾斜路の踊場です。

傾斜路が長く続くと、車椅子使用者の負担が大きくなるため、

高さ750mm以内ごとに踊場を設ける

ことがポイントです。900mmごとでは間隔が大きすぎます。

また、高齢者や車椅子使用者に配慮した計画では、作業場所を明るくする、使いやすい高さのカウンターにする、手すりを階段の端より延ばす、ノンスリップを出っ張らせないなど、転倒や使いにくさを減らす工夫が重要です。

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