二級建築士 過去問
令和4年(2022年)
問13 (学科1(建築計画) 問13)

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 問13(学科1(建築計画) 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

文化施設に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 劇場において、プロセニアムアーチの開口寸法は、客席数や上演演目により異なる。
  • 劇場の舞台において、下手(しもて)とは客席側から見て左側をいう。
  • 音楽ホールにおいて、アリーナ型は、客席がステージを取り囲む形式で、演奏者との一体感が得られやすい。
  • 美術館において、絵画を展示する場合の展示壁面の照度は、一般に、日本画より油絵のほうを低くする。
  • 美術館において、絵画用の人工照明の光源は、一般に、自然光に近い白色光とすることが望ましい。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も不適当な選択肢は

「美術館において、絵画を展示する場合の展示壁面の照度は、一般に、日本画より油絵のほうを低くする。」

です。

日本画は油絵よりも光に弱く、強い照明によって変色・退色することがあります。

そのため、展示壁面の照度は、油絵より日本画のほうを低くします

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 劇場において、プロセニアムアーチの開口寸法は、客席数や上演演目により異なる。

正しい選択肢です。

プロセニアムアーチは、舞台と客席の間にある額縁のことです。

開口寸法は、劇場の客席数や上演内容によって異なります。

なお、舞台幅はプロセニアムアーチの幅の2倍以上とします。

選択肢2. 劇場の舞台において、下手(しもて)とは客席側から見て左側をいう。

正しい選択肢です。

客席側から見て左側を下手(しもて)、右側を上手(かみて)と呼びます。

選択肢3. 音楽ホールにおいて、アリーナ型は、客席がステージを取り囲む形式で、演奏者との一体感が得られやすい。

正しい選択肢です。

アリーナ型は、中央のステージを囲むように客席を配置する形式です。

ステージの近くに座席を密集して配置できるため、演者と観客が近く、一体感のある演出ができることが特徴です。

選択肢4. 美術館において、絵画を展示する場合の展示壁面の照度は、一般に、日本画より油絵のほうを低くする。

不適当な選択肢です。

日本画は油絵よりも光に弱いため、展示壁面の照度は、油絵より日本画のほうを低くします

なお、具体的な照度の目安としては、日本産業規格(JIS Z9110:2010)で下記のように規定されています。

日本画 150~300 lx

油絵  300~750 lx

選択肢5. 美術館において、絵画用の人工照明の光源は、一般に、自然光に近い白色光とすることが望ましい。

正しい選択肢です。

絵画の多くは、自然光の下で鑑賞する前提で描かれています。

そのため、絵画用の人工照明の光源は、自然光に近い白色光とすることが望ましいです。

なお、物体が照明に照らされた時の色の見え方を演色性といいます。

また、平均演色評価数が大きいほど、演色性が高く、自然光の下での色の見え方に近いと言えます。

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02

劇場の形状、名称、特徴を理解しましょう。

選択肢1. 劇場において、プロセニアムアーチの開口寸法は、客席数や上演演目により異なる。

記述の通りで正しいです。

歌舞伎では幅が必要で、オペラは高さが必要です。

美術館、博物館の施設の使い方、展示方法を理解しましょう。

選択肢2. 劇場の舞台において、下手(しもて)とは客席側から見て左側をいう。

記述の通りで正しいです。舞台を見て、右が上手、左が下手です。

選択肢3. 音楽ホールにおいて、アリーナ型は、客席がステージを取り囲む形式で、演奏者との一体感が得られやすい。

記述の通りで正しいです。

音響にばらつきがありますが、一体感が得られます。

選択肢4. 美術館において、絵画を展示する場合の展示壁面の照度は、一般に、日本画より油絵のほうを低くする。

日本画の展示では照度を150~300lx。洋画の展示では照度を300~750lx。

洋画の方を照度を高くするので、記述は誤りです。

選択肢5. 美術館において、絵画用の人工照明の光源は、一般に、自然光に近い白色光とすることが望ましい。

記述の通りで、正しいです。

絵画を鑑賞する時、絵画のそのままの色を見ることが重要であり、自然光に近いほど、そのままの色を見ることができます。

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03

最も不適当なのは、「美術館において、絵画を展示する場合の展示壁面の照度は、一般に、日本画より油絵のほうを低くする。」という記述です。

日本画は、顔料や紙、絹などが光によって変色・退色しやすいため、一般に油絵より低い照度で展示します。

したがって、油絵のほうを日本画より低い照度にするとし

選択肢1. 劇場において、プロセニアムアーチの開口寸法は、客席数や上演演目により異なる。

この記述は適当です。

プロセニアムアーチは、客席と舞台との境にある額縁状の開口部分です。

開口部の幅や高さは、劇場の規模や客席数、演劇・オペラ・舞踊などの上演する演目の種類によって必要な大きさが変わります。

そのため、すべての劇場で同じ寸法にするものではありません。

選択肢2. 劇場の舞台において、下手(しもて)とは客席側から見て左側をいう。

この記述は適当です。

舞台の左右は、客席から舞台を見た方向を基準に呼び分けます。

客席側から見て、

右側=上手(かみて)

左側=下手(しもて)

です。

舞台計画や演出では、この呼び方を使って位置を示します。

選択肢3. 音楽ホールにおいて、アリーナ型は、客席がステージを取り囲む形式で、演奏者との一体感が得られやすい。

この記述は適当です。

アリーナ型の音楽ホールは、ステージを中央付近に配置し、その周囲を客席が取り囲む形式です。

客席とステージとの距離を近くしやすいため、演奏者と観客との一体感を得やすいことが特徴です。

一方、客席を舞台の正面方向に配置する形式は、シューボックス型などと呼ばれます。

選択肢4. 美術館において、絵画を展示する場合の展示壁面の照度は、一般に、日本画より油絵のほうを低くする。

この記述が最も不適当です。

絵画は、光を長時間受けることで退色や変色が起こることがあります。

特に日本画は、紙や絹などを支持体とし、光の影響を受けやすい材料が使われることが多いため、一般に油絵より低い照度で展示します。

つまり、照度の考え方は、

日本画<油絵

となるのが一般的です。

したがって、問題文はこの関係を逆にしています。

選択肢5. 美術館において、絵画用の人工照明の光源は、一般に、自然光に近い白色光とすることが望ましい。

この記述は適当です。

美術館では、作品本来の色をできるだけ自然に見せることが重要です。

そのため、絵画を照らす人工照明には、色が不自然に見えにくい自然光に近い白色光を用いることが望まれます。

また、作品を傷めないように、紫外線や熱をできるだけ少なくすることも重要です。

まとめ

この問題では、劇場・音楽ホール・美術館それぞれの基本的な計画を理解することがポイントです。

プロセニアムアーチの開口寸法は、劇場の規模や上演する演目によって変わります。

舞台の下手は、客席から見て左側です。

アリーナ型の音楽ホールは、客席がステージを囲むため、演奏者と観客の一体感を得やすい形式です。

美術館では、作品を光による劣化から守る必要があります。一般に、日本画は油絵より光の影響を受けやすいため、日本画のほうを低い照度で展示します。

したがって、最も不適当なのは、「日本画より油絵のほうを低い照度にする」とした記述です。

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