二級建築士 過去問
令和3年(2021年)
問11 (学科1(建築計画) 問11)

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問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 問11(学科1(建築計画) 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • パッシブデザインは、建築物が受ける自然の熱、風及び光を活用して暖房効果、冷却効果、照明効果等を得る設計手法である。
  • 台所において、L型キッチンを採用することにより、車椅子使用者の調理作業の効率化を図ることができる。
  • 就寝分離とは、食事をする空間と寝室とを分けることである。
  • 和室を京間とする場合、柱と柱の内法寸法を、基準寸法の整数倍とする。
  • ユーティリティルームは、洗濯、アイロンかけ等の家事を行う場所である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 〇

パッシブデザインとは、主に建築的工夫によりエネルギー負荷を低減させる方法です。

対になる方法として、設備設置や機器などの人工物を利用し、省エネルギー化を図ることをアクティブデザインといいます。

2 〇

問題文の通り、向きを変更するだけで作業スペースが拡大できるL型キッチンは、車いす使用者に向いている形となります。

3 ×

就寝分離・・・親と子供が寝る部屋を別々にすることです。

問題文は食寝分離の説明となります。

4 〇

京間・・・畳の寸法が一定で、柱の大きさで柱芯間距離が変化する間取り。

江戸間・・柱芯間距離が一定で、柱の大きさで畳の寸法が変化する間取り。

京間の場合は、畳の大きさが変わらないので、京間の基準寸法である3尺1寸5分(1間=6尺3寸{1909mm})の整数倍(1倍、2倍、3倍・・・)の寸法となります。

5 〇

ユーティリティルームとは、家事室を指します。

ちょっと広い洗面室、もしくは洗面室の横に洗濯物や作業ができる小さな小部屋、のようなイメージです。

バルコニーに直接つながっているタイプもあります。

よって問の答えは 3 となります。

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02

1.正しいです。

パッシブデザインとは熱・光・空気などを建築自体のデザインにより制御し、

地球環境への負荷を削減する設計手法のことを示します。

2.正しいです。

作業動線が短い配置が車椅子使用者にとっては好ましく、

キッチンはL型もしくはU型が適しています。

3.間違いです。

就寝分離とは、親と子供、性別の異なる子供同士の寝室を分離することを示します。

4.正しいです。

江戸間は柱芯によりグリッド(シングルグリッド)を組み、

京間は柱内法でグリッド(ダブルグリッド)を組むことが特徴となります。

5.正しいです。

ユーティリティルームとは、洗濯やアイロンなど家事全般を行える多目的室を示します。

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03

住宅の計画に関する記述のうち、誤っているものを選びます。

選択肢1. パッシブデザインは、建築物が受ける自然の熱、風及び光を活用して暖房効果、冷却効果、照明効果等を得る設計手法である。

パッシブデザインとは、太陽光や風、光などの自然エネルギーを活用して、冷暖房や照明の省エネを実現する手法です。

よって、設問の記述は正しいです。

選択肢2. 台所において、L型キッチンを採用することにより、車椅子使用者の調理作業の効率化を図ることができる。

キッチン台をL型にすることによって、洗い物から加工、加熱までの必要な動線を短くできるので、効率的に調理することができます。

車椅子使用者の場合は、頻繁な移動が困難なため、動線が短いL型キッチンは、よりメリットが大きいです。

設問の記述は正しいです。

 

選択肢3. 就寝分離とは、食事をする空間と寝室とを分けることである。

食事をする空間と寝室とを分けることは、食寝分離、と言います。

よって、設問の記述は誤りです。

戦前の日本の過程では、食事と就寝を同じ部屋で行う食寝転用が一般的でしたが、建築学者の西山夘三氏が提唱し、戦後の公団住宅の普及により、近年では食寝分離が一般的となりました。

就寝分離とは、親子や性別の異なる兄弟姉妹で寝室を分けることです。

こちらも、戦後の住宅の西洋化に伴い、個人のプライバシーが尊重されるようになり、普及していきました。

 

選択肢4. 和室を京間とする場合、柱と柱の内法寸法を、基準寸法の整数倍とする。

京間とは、畳に合わせて柱の位置を決める方法です。

畳のサイズが6.3尺×3.15尺(1910mm×955mm)と決まっていて、柱と柱の内法に畳が半端なく納まるように、柱の位置を決めます。

柱と柱の内法寸法は、畳のサイズ(基準寸法)の整数倍になり、柱芯と柱芯の寸法は、柱のサイズによって変わります。

よって、設問の記述は正しいです。

一方、関東間とは、柱芯と柱芯の寸法を、910mmの尺モジュールで決めてしまい、畳のサイズを柱に合わせて調整する方法です。

選択肢5. ユーティリティルームは、洗濯、アイロンかけ等の家事を行う場所である。

ユーティリティルームとは、洗濯やアイロン掛けなどを行ったり、掃除用具などを収納する「家事室」のことです。

従来は居間やダイニングで行っていた家事を、ユーティリティルームで行うことで、家事を効率化でき、居間やダイニングから生活感を隠すメリットがあります。

設問の記述は正しいです。

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