二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問61 (学科3(建築構造) 問11)
問題文
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問題
二級建築士試験 令和2年(2020年) 問61(学科3(建築構造) 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
- 地震力に対して必要な単位床面積当たりの耐力壁の有効長さは、一般に、壁や屋根の重量によって異なる。
- 風圧力に対して必要な耐力壁の有効長さを求める場合、見付面積に乗ずる数値は、平家建ての建築物と2階建ての建築物の2階部分とでは同じ値である。
- 軸組構法では、建築物の十分な耐力を確保するために、継手位置をそろえる。
- 枠組壁工法において、耐力壁線によって囲まれた部分の水平投影面積を60m2とする場合、床版の枠組材と床材とを緊結する部分を構造耐力上有効に補強する必要がある。
- 枠組壁工法において、セットバックやオーバーハングにより上下階の耐力壁線が一致しない場合、上階の壁からの鉛直力などが床版を介して下階に伝わるように設計する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
最も不適当なものを選びます。
1.地震力に対して必要な単位床面積当たりの耐力壁の有効長さは、一般に、壁や屋根の重量によって異なります。
壁や屋根の重量が重いほど、耐力壁の有効長さは長くなります。
2.風圧力に対して必要な耐力壁の有効長さを求める場合、見付面積に乗ずる数値は、 平家建ての建築物と2階建ての建築物の2階部分とでは同じ値です。
また、この場合の見付面積とは各階の床面から高さ1.35mから上部の面積を指します。
3.軸組構法では、建築物の十分な耐力を確保するために、継手位置をずらします。
同一の位置に継ぎ手が集中することで弱点となるからです。
4.枠組壁工法において、耐力壁線によって囲まれた部分の水平投影面積を60m2とする場合、床版の枠組材と床材とを緊結する部分を構造耐力上有効に補強する必要があります。
一般的に水平投影面積は40m2以下としますが、補強により60m2以下とすることが可能です。
5.枠組壁工法において、セットバックやオーバーハングにより上下階の耐力壁線が一致しない場合、上階の壁からの鉛直力などが床版を介して下階に伝わるように設計する必要があります。
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02
正解は3です。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
1→設問の通り正しいです。
2→設問の通り正しいです。見付面積に乗ずる数値は一般的には50となります。
3→建築物の耐力を確保するためには継ぎ手はずらして配置します。
継ぎ手位置を揃えると構造上弱点となるため、誤りです。
4→設問の通り正しいです。
枠組壁工法について、耐力壁相互間の距離:12m以下、かつ、壁面線で囲まれた部分の水平投影面積:40㎡以下とすることが原則ですが、床版の枠組材と床材とを緊結する部分を構造耐力上有効に補強した場合は60㎡以下とすることができます。
5→設問の通り正しいです。
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03
も不適当なのは、「軸組構法では、建築物の十分な耐力を確保するために、継手位置をそろえる。」という記述です。
木造の軸組構法では、継手が同じ位置に集中すると、その部分が弱点になりやすくなります。そのため、継手の位置はできるだけそろえず、ずらして配置するのが基本です。
一方、耐力壁の必要量は建築物の重量や風圧力などを考えて決め、枠組壁工法では床や壁を一体として力を伝えられるように補強します。
この記述は適当です。
地震が起きたときに建築物に作用する力は、建築物が重いほど大きくなるのが基本です。
そのため、重い屋根や壁を使っている建築物では、軽い建築物より大きな地震力に抵抗できるよう、必要な耐力壁の量も多くなります。
現在の基準でも、木造建築物の重量化に対応し、実際の屋根や壁などの仕様に応じて必要壁量を算定する考え方が採用されています。
この記述は適当です。
風圧力に対する必要壁量は、風を受ける見付面積に所定の数値を掛けて求めます。
この数値は、通常の区域では平家建てでも2階建ての2階部分でも同じです。
つまり、地震力に対する必要壁量のように階によって別々の数値を使うのではなく、風圧力については同じ数値を使います。
この記述が不適当です。
継手とは、柱・梁などの部材を長さ方向につなぐ部分です。
継手を同じ位置にそろえると、その場所に弱い部分が集中してしまい、建築物全体の強さが低下するおそれがあります。
そのため、継手は同じ位置に集中させるのではなく、できるだけ位置をずらして設けます。
したがって、「継手位置をそろえる」としている点が誤りです。
この記述は適当です。
枠組壁工法では、壁だけでなく床も一体となって地震力や風圧力に抵抗します。
耐力壁線で囲まれた部分が大きくなるほど、床に大きな力が伝わるため、床が十分に力を伝えられるようにする必要があります。
水平投影面積が60m²となる場合には、床版の枠組材と床材との接合部分を構造耐力上有効に補強する必要があります。
現行の技術基準でも、耐力壁線で囲まれた面積が40m²を超え60m²以下となる場合には、床の補強が必要とされています。
この記述は適当です。
セットバックやオーバーハングがあると、上階の壁の真下に下階の壁がないことがあります。
このような場合でも、上階の重さや力を安全に下階へ伝えなければなりません。
そのため、床梁や床根太などを補強し、床版を介して上階の力を下階の耐力壁や支持部分へ伝えられるように設計します。
国土交通省の資料でも、セットバックでは上階の外壁直下を構造耐力上有効に補強した床梁や床根太で支持する考え方が示されています。
この問題では、木造建築物で力を安全に伝えるための基本的な考え方を理解することがポイントです。
地震力に対する必要壁量は、建築物が重いほど多く必要になります。
風圧力に対する必要壁量では、平家建てと2階建ての2階部分について、見付面積に乗ずる数値は同じです。
枠組壁工法では、大きな床区画や上下階の壁位置がずれる部分について、床を通して力を確実に伝えられるよう補強することが重要です。
一方、軸組構法の継手は、同じ位置に集中させると弱点になりやすいため、継手位置はそろえず、できるだけずらします。
したがって、「建築物の十分な耐力を確保するために、継手位置をそろえる」とする記述が最も不適当です。
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