二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問26 (学科2(建築法規) 問1)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問26(学科2(建築法規) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

用語に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の外壁又は軒裏に必要とされる性能を、「防火性能」という。
  • 建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能を、「準防火性能」という。
  • 木造2階建ての一戸建て住宅において、1階から2階に通ずる屋内階段の過半の修繕は、「大規模の修繕」である。
  • 地域活動支援センターの用途に供する建築物は、「特殊建築物」である。
  • 避難上有効なバルコニーがある階は、「避難階」である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

各選択肢の解説は下記のとおりです。

1→法第2条第8号かっこ書きにより、設問の内容は正しいです。

2→法第23条かっこ書きにより、設問の内容は正しいです。

3→法第2条第14号により、設問の内容は正しいです。

4→法第27条、法別表第1(い)欄(2)項、令第115条の3第1号、令第19条第1項により、設問の内容は正しいです。

5→令第13条第1号より、避難階とは直接地上へ通ずる出入口のある階のことです。

よって設問の内容は誤りです。

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02

法第2条には用語の定義がまとめられていますが、用語に関する問題では法第2条以外からも出題されます。

選択肢1. 建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の外壁又は軒裏に必要とされる性能を、「防火性能」という。

防火性能については、法第2条第8号かっこ書きに記載されています。

選択肢2. 建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能を、「準防火性能」という。

準防火性能については、法第23条かっこ書きに記載されています。

また、法第23条では外壁についても記載されています。

選択肢3. 木造2階建ての一戸建て住宅において、1階から2階に通ずる屋内階段の過半の修繕は、「大規模の修繕」である。

大規模の修繕については、法第2条第14号に記載されています。

選択肢4. 地域活動支援センターの用途に供する建築物は、「特殊建築物」である。

特殊建築物については、法第27条、法別表第1(い)欄(2)項、令第115条の3第1号、令第19条第1項に記載されています。

法別表第1(い)欄(2)項では、「病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの」とあり、政令で定めるものは令第115条の3第1号に記載されます。令第115条の3第1号には児童福祉施設等とあり、令第19条第1項には児童福祉施設等に地域活動支援センターが含まれます。

選択肢5. 避難上有効なバルコニーがある階は、「避難階」である。

避難階については、令第13条第1号に記載されています。直接地上へ通ずる出入口のある階のことを言います。

よって、避難上有効なバルコニーがある階を「避難階」という訳ではありません。

まとめ

法第2条に記載されていない用語に関しては、どこを確認すればよいのかを覚えておきましょう。

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03

用語の問題です。

それぞれの用語の正誤を判断するにあたって、文字からある程度推測できます。

それでは中身を見ていきましょう。

選択肢1. 建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の外壁又は軒裏に必要とされる性能を、「防火性能」という。

正しいです。

記述のとおりです。

建築物の周囲で発生した火災に対して、この建築物の外壁や軒裏などの加熱面以外の面が「燃えないこと」が求められます。

つまり「外から内部まで燃え移ること→延焼」 の抑制のための性能です。

選択肢2. 建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能を、「準防火性能」という。

正しいです。

防火性能  : 建築物の周囲で発生する火災による、延焼を抑制する性能。外壁または軒裏に必要とする性能。

耐火性能  : 通常の火災が終了するまでの間、火災による建築物の倒壊および延焼を防止する性能。

準防火性能 : 建築物の周囲で発生する火災による、延焼の抑制に、一定の効果を発揮する性能。外壁に必要とする性能

 

防火性能との違いを抑えておくと判断が安易です。ポイントは「外壁」です。

選択肢3. 木造2階建ての一戸建て住宅において、1階から2階に通ずる屋内階段の過半の修繕は、「大規模の修繕」である。

正しいです。

屋内階段は主要構造部です。(主要構造部:壁・柱・梁・床・階段・屋根)

半分以上(過半)の修繕は「大規模の修繕」という中にカテゴライズされます。

選択肢4. 地域活動支援センターの用途に供する建築物は、「特殊建築物」である。

正しいです。

法別表第1(い)欄(2)項では、「病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの」があり、政令で定めるものは令第115条の3第1号にあります。令第115条の3第1号には児童福祉施設等とあり、また最後に令第19条第1項には児童福祉施設等に地域活動支援センターが含まれるため、判断が可能です。


 

選択肢5. 避難上有効なバルコニーがある階は、「避難階」である。

誤りです。

令第13条第1号より、避難階とは直接地上へ通ずる出入口のある階のことです。

避難上有効なバルコニーは有効なだけであり、地上に直接出れるというわけではありません。

例えば5階などの高いバルコニーがあるだけで「避難階」と言われても、実際火災などの際飛び降りたりするなど自力で逃げられませんよね。

こういうことも考えると判断が簡単かもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

基本この問題は法第2条の用語の定義です。記載されていない用語の確認と回答方法をインプットしておくとGOODです。

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