二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問98 (学科4(建築施工) 問23)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問98(学科4(建築施工) 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

建築工事に用いられる工法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 山留め工事において、地下水位が床付け面より低かったので、親杭横矢板工法を採用した。
  • 既製コンクリート杭工事において、支持地盤に杭先端部を定着させるプレボーリング根固め工法を採用した。
  • 鉄筋工事において、同一径の鉄筋の継手には、ノンスカラップ工法を採用した。
  • 鉄骨工事において、露出形式柱脚のベースモルタルの全面を、あらかじめ同一の高さで平滑に仕上げることが困難であったので、あと詰め中心塗り工法を採用した。
  • タイル工事において、外壁への二丁掛けタイルの張付けは、特記がなかったので、密着張り(ヴィブラート工法)を採用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正しい記述です。
親杭横矢板工法は、地下水位が床付け面より低い場合に採用します。

2. 正しい記述です。
プレボーリング根固め工法では、杭の先端を支持層に到達させます。

3. 不適当な記述です。
ノンスカラップ工法は、「鉄骨工事」において切り欠き無しで溶接することで、「鉄筋工事」では使われません。
同一径の鉄筋の継手の種類には、重ね継手、ガス圧継手があります。

4. 正しい記述です。
後詰工法により、鉄骨の建方を正確に行うことができます。

5. 正しい記述です。
密着張りは、下地に張付けモルタルを塗り、専用の工具でタイルを振動させながら張る工法です。

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02

1. 記述は正しいです
 親杭横矢板工法は、地下水位が低い場合に用いられます。
軟弱地盤やヒービングを起こすような地盤には不向きです。

2. 記述は正しいです
 プレボーリング根固め工法は、支持地盤への掘削深さは1.5m程度として既製杭の支持地盤への定着深さは1.0m程度にして確実に抵抗するようにします。

3. 記述は誤りです
 スカラップは、鉄骨の溶接で途中で途切れないようにするための切り欠きの事です。
現在はスカラップを設けずに溶接をする、ノンスカラップ工法が多く採用されています。

4. 記述は正しいです
 あと詰め工法に用いるモルタルは、容積比でモルタル1:砂2の無収縮モルタルとして施工精度を確保します。

5. 記述は正しいです
 密着工法は、下地壁にモルタルを塗り付けて、タイルに振動を与えて密着する施工方法になります。

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03

最も不適当なのは、「鉄筋工事において、同一径の鉄筋の継手には、ノンスカラップ工法を採用した。」という記述です。

ノンスカラップ工法は、鉄筋どうしをつなぐ工法ではありません。主に鉄骨造の柱と梁などの溶接接合部で、梁ウェブにスカラップと呼ばれる切欠きを設けない溶接方法です。

したがって、鉄筋の継手にノンスカラップ工法を採用するという組合せが不適当です。日本溶接協会の資料でも、ノンスカラップ工法は柱梁溶接接合部に関する工法として説明されています。

選択肢1. 山留め工事において、地下水位が床付け面より低かったので、親杭横矢板工法を採用した。

この記述は適切です。

親杭横矢板工法は、地中に親杭を一定間隔で設け、掘削しながら親杭の間に横矢板を入れて土を押さえる山留め工法です。

この工法は、横矢板の継目などから水が通るため、止水性は高くありません

そのため、地下水位が床付け面より高い場所では湧水への対策が必要ですが、今回のように地下水位が床付け面より低い場合には採用しやすい工法です。

選択肢2. 既製コンクリート杭工事において、支持地盤に杭先端部を定着させるプレボーリング根固め工法を採用した。

この記述は適切です。

プレボーリング工法は、あらかじめ地盤に孔を掘り、その孔に既製コンクリート杭を建て込む方法です。

根固め工法では、杭の先端部分に根固め液などを用いて固い部分をつくり、杭先端を支持地盤に確実に定着させます

したがって、支持地盤に杭先端部を定着させるためにプレボーリング根固め工法を採用することは適切です。

選択肢3. 鉄筋工事において、同一径の鉄筋の継手には、ノンスカラップ工法を採用した。

この記述は不適当です。

ノンスカラップ工法は、鉄筋の継手工法ではありません

鉄骨造の柱と梁の溶接接合部などでは、梁フランジを溶接するために梁ウェブへ「スカラップ」という切欠きを設ける方法があります。

これに対して、スカラップを設けないようにしたものがノンスカラップ工法です。スカラップによる断面欠損や応力集中を避け、柱梁接合部の変形性能を高める目的などで用いられます。

鉄筋の継手には、重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手、溶接継手などを用います。

したがって、鉄筋の継手にノンスカラップ工法を採用するという説明は不適当です。

選択肢4. 鉄骨工事において、露出形式柱脚のベースモルタルの全面を、あらかじめ同一の高さで平滑に仕上げることが困難であったので、あと詰め中心塗り工法を採用した。

この記述は適切です。

露出形式柱脚では、柱のベースプレートと基礎との間にモルタルを施工します。

全面をあらかじめ正確な高さに平らに仕上げることが難しい場合には、まずベースプレート中央部に柱を支えるためのモルタルを設けて柱を建て込み、その後、周囲のすき間へモルタルを充填する方法があります。

これが、あと詰め中心塗り工法です。

国土交通省の標準仕様でも、柱の建込み前にベースプレート中央下部へモルタルを設け、建込み後に残りの部分へモルタルを詰める方法が示されています。

選択肢5. タイル工事において、外壁への二丁掛けタイルの張付けは、特記がなかったので、密着張り(ヴィブラート工法)を採用した。

この記述は適切です。

密着張りは、下地面に張付けモルタルを塗り、タイルを押し付けた後、振動工具を使って振動を与えながらタイルを密着させる工法です。

このため、ヴィブラート工法とも呼ばれます。

外装タイルでは、小口平から二丁掛け程度までのタイルに密着張りを用いることができます。国土交通省の資料でも、小口平から二丁掛け程度の外装タイルについて、密着張りが選択できる工法として示されています。

したがって、二丁掛けタイルに密着張りを採用することは適切です。

まとめ

この問題では、工法の名称と、その工法を使用する工事の種類を正しく対応させることがポイントです。

特に、

親杭横矢板工法=山留め工事

プレボーリング根固め工法=既製コンクリート杭工事

ノンスカラップ工法=鉄骨の柱梁溶接接合部など

あと詰め中心塗り工法=鉄骨柱脚のベースモルタル施工

密着張り(ヴィブラート工法)=タイル張り

と整理すると分かりやすくなります。

ノンスカラップ工法は、鉄筋の継手に用いる工法ではなく、鉄骨の溶接接合部に関する工法です。

したがって、同一径の鉄筋の継手にノンスカラップ工法を採用した記述が最も不適当です。

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