二級建築士 過去問
令和元年(2019年)
問68 (学科3(建築構造) 問18)

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 問68(学科3(建築構造) 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鉄筋コンクリート造の建築物の小梁付き床スラブについて、小梁の過大なたわみ及び大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため、小梁に十分な曲げ剛性を確保した。
  • 鉄筋コンクリート造の建築物のピロティ階について、単独柱の上下端で曲げ降伏となるように設計するとともに、ピロティ階の直上、直下の床スラブに十分な剛性と強度を確保した。
  • 木造の建築物について、床組や小屋梁組のたわみを減少させるために、火打材を用いて補強した。
  • 木造の建築物について、終局状態において耐力壁が破壊するまで、柱頭・柱脚の接合部が破壊しないことを計算によって確認した。
  • 鉄骨造の建築物の筋かいについて、軸部の全断面が降伏するまで、接合部が破断しないことを計算によって確認した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正しい記述です。
小梁には、たわみを床スラブのひび割れを防止するため、十分な曲げ剛性を確保しなければいけません。

2. 正しい記述です。
ピロティの柱では、せん断破壊が曲げ降伏に先行しないように設計します。

3. 不適当な記述です。
床組や小屋梁組のたわみを減少させるには、方づえを用いて補強します。

4. 正しい記述です。
終局状態において耐力壁が破壊するまで、柱頭・柱脚の接合部が先に破壊しないことを計算で確認しなければなりません。

5. 正しい記述です。
筋かいの靭性を確保するため、軸部が降伏するまで接合部が破断しないように設計します。

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02

1. 記述は正しいです
 床スラブのたわみを抑えるために、梁のたわみを抑えることが大切です。
そのためには、対象の大梁・小梁の下端鉄筋量を多くしたり、高強度鉄筋に変更したりします。

2. 記述は正しいです
 ピロティは、柱単独の負担は大きく、圧縮破壊が先に生じて避難できなくならないように曲げ先行型になるように注意して設計します。
また、ピロティ柱端部の負担に耐えられるように、近傍の構造体は頑丈にしておきます。

3. 記述は誤りです
 木造の床組・小屋組の梁たわみに抵抗させる部材は、方づえ材を用いてスパンを短くなるようにします。
火打材は、床組・小屋組の梁が平行四辺形に変形しないように抵抗させる部材です。

4. 記述は正しいです
 木造では、最初に破壊する場所が柱になってしまうと倒壊や避難不可能になってしまうので、先行して耐力壁や筋交いなどが最初に破壊するように設計します。

5. 記述は正しいです
 許容応力度において、鉄骨ブレースは降伏領域で許容するように設計します。

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03

最も不適当なのは、「木造の建築物について、床組や小屋梁組のたわみを減少させるために、火打材を用いて補強した。」という記述です。

火打材は、床組や小屋梁組が水平方向にゆがむことを防ぎ、地震や風による水平力を耐力壁などへ伝えるための部材です。

梁そのものの上下方向のたわみを小さくすることを主な目的とした部材ではありません。したがって、「たわみを減少させるために火打材を用いた」という部分が不適当です。

選択肢1. 鉄筋コンクリート造の建築物の小梁付き床スラブについて、小梁の過大なたわみ及び大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため、小梁に十分な曲げ剛性を確保した。

この記述は適切です。

小梁の曲げ剛性が不足すると、小梁が大きくたわみ、それに伴って床スラブにも変形が生じます。

特に、大梁に沿った部分などに大きなひび割れが生じるおそれがあります。

そのため、小梁に十分な曲げ剛性を持たせ、たわみや床スラブのひび割れを抑えることは適切な構造計画です。

選択肢2. 鉄筋コンクリート造の建築物のピロティ階について、単独柱の上下端で曲げ降伏となるように設計するとともに、ピロティ階の直上、直下の床スラブに十分な剛性と強度を確保した。

この記述は適切です。

ピロティ階は、壁が少なく柱だけで支える部分が多いため、地震時の変形が集中しやすい階です。

そのため、柱については、急に壊れるせん断破壊を避け、粘り強い曲げ降伏が先に生じるように設計することが重要です。

また、ピロティ階に生じる大きな力を周囲の耐震要素へ確実に伝えるため、直上・直下の床スラブにも十分な剛性と強度を持たせます。

選択肢3. 木造の建築物について、床組や小屋梁組のたわみを減少させるために、火打材を用いて補強した。

この記述は不適当です。

火打材は、床組や小屋梁組の四角形の部分に斜めに取り付けて、水平方向の変形やねじれを抑える部材です。

主な役割は、地震や風による水平力に対して床や屋根の形を安定させ、その力を耐力壁などへ伝えることです。

一方、梁の上下方向のたわみを小さくしたい場合は、梁せいを大きくする、支点間の距離を短くするなどの方法を考えます。

したがって、火打材を「床組や小屋梁組のたわみを減少させるための補強」としている点が不適当です。

選択肢4. 木造の建築物について、終局状態において耐力壁が破壊するまで、柱頭・柱脚の接合部が破壊しないことを計算によって確認した。

この記述は適切です。

地震時には、耐力壁が力を負担すると、柱の柱頭や柱脚に引抜き力などが生じます。

このとき、耐力壁が本来の力を発揮する前に柱頭・柱脚の接合部が壊れてしまうと、耐力壁の性能を十分に利用できません。

そのため、耐力壁が終局状態に達するまで柱頭・柱脚の接合部が先に破壊しないように設計することが重要です。

選択肢5. 鉄骨造の建築物の筋かいについて、軸部の全断面が降伏するまで、接合部が破断しないことを計算によって確認した。

この記述は適切です。

筋かいは、地震や風による水平力を軸方向の引張力や圧縮力として負担します。

筋かい本体が十分に力を負担する前に接合部が破断すると、筋かいの性能を発揮できません。

そのため、筋かいの軸部が降伏するまで、接合部が先に破断しないようにすることが基本です。

これは、接合部の急激な破壊を避け、部材本体の粘り強い性能を利用するための考え方です。

まとめ

この問題では、各構造部材の役割に合った補強や破壊の順序を理解することがポイントです。

火打材の主な役割は、

床や屋根の水平構面がゆがむことを防ぐこと

地震や風による水平力を耐力壁などへ伝えること

です。

梁の上下方向のたわみを小さくするための部材ではありません。

また、構造計画では、木造の柱頭・柱脚や鉄骨造の筋かい接合部などについて、部材本体が十分に性能を発揮する前に接合部が先に壊れないようにすることが重要です。

したがって、火打材を床組や小屋梁組のたわみを減少させるために用いるとした記述が最も不適当です。

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